excavater 19
「初めましてお早うございます。一週間前にゲームを始めた新参者ですがよろしくお願いします。メイン職はアークメイジ、サブ職は美食家をしています。VRMMO初体験なんですが楽しいですね。ゲームを始めたきっかけは、いくら食べても肥らないという魅力ですね。わたしリアルで摂食障害になっちゃいましてそのストレスを発散するために始めたんですよ。あ、摂食障害といっても過食症の方なんです。恋愛関係で上手くいかないことがありまして、その反動なんですが…」
すみません話長くなりますか?と聞いてみた。
「ごめんなさい初めてお会いした人に何言ってんだろ私ったら。新規なので他のプレイヤーさんに会うことが今まであまり無くて、つい興奮しちゃいました。友達からも言われるんですよ、人の話し聞かないって。自分でも気をつけているつもりなんですが、何ていうのかな思った事がすぐ口に出ちゃうんですよ。裏表がないピュアな娘だねって彼も言ってくれた……言ってくれてたんです……よ」
下手に質問しないほうが良策。破局の原因がよ~く分かった。
「すみません名前言ってなかったですね、『紫鶴』と言います。会ったばかりでこんなお願いするのもなんですけど、お友達になって頂けませんか?」
断る理由が無かったので、彼女とお友達になった。
白アフロ婆さんに拉致され、連れてこられたのはクエスト用インスタンスダンジョンと思しき場所。
古い洋館の地下にあった牢屋の中に閉じ込められた。
刑務所や拘置所にある鉄格子の牢屋で、床と壁がレンガ造り。
人気がないことを確認してからマトックを取り出し、脱出用の穴を掘るべく壁を叩いていたところで彼女は目を覚ました。
「牢屋って初体験!出せ~ここから出せ~!」
鉄格子を両手で掴み、楽しそうに騒ぎまくる腹ペコ乙女。
起こすんじゃなかったと後悔するオレ。
騒がれるとせっかく掘った穴の事がバレてしまう。
後頭部に一撃を食らわして再び眠ってもらおうかとさえ思った。
「質問してもいいですか?」
急に静かになった腹ペコ乙女が聞いてきた。
「なんでこんなところにいるのかな?」
今気づいたのかよ!




