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ミスタートイトロッコ  作者: 滝翔
チャプター9 邂逅 
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第110話 異邦人


いの一番に警戒すべきは知能派のリュディガーだったが気配は無い

二人は全速力で森の中へ走ろうとしたその時


「ギャァァァァァァ!!!!」


既に聞き慣れた声 バルバラの悲鳴だった


「何だ今度は?」


「……戻ろう」


「何でだよ安斎?!」


「俺達がここに来た理由は?」


「……〝四ノ海の人間がガップリンに向かっている〟」


「革友会の連中が見たのは俊蔵じゃない…… 別の第三者だ」


二人は恐る恐る家に戻る

施錠されていた扉は強引に開け放たれ

慣れない俊蔵の死体と新しくバルバラの死体がリビングに転がっていた

そしてその場に立っている二人には既に懐かしさすら感じ始める


「こんな所で再開するとはな……」


「お久し振りです…… 安斎先生!!」


そこには髪型も服装も心機一転してる暁風楽校の生徒 芽神咲彩がいた

そして隣で血の付いた拳を拭いている巨体の四ノ海泉太郎が


「こんな辺境の地まで来たのか安斎 観光か?」


「…………」


安斎は嘲笑して二人を見る


「お前ら指名手配になってるけど自覚あんのか?」


「……そんな目で見ないで下さいよ先生 咲彩泣いちゃうぅ~~」


「お前らが人を殺しまくったのは知ってんだ 前みたいに接して貰えると思うなよ?」


「だよね…… 知ってた 賢也君ってホント正義の味方なんだから」


「……未だにお前の姿見て同い年とは思えねぇなぁ」


そんなこんなで無駄話をしていれば

地下から悪魔の様な足音が響き渡って


「テメェらぁぁぁぁ!!!! うちのカミさんに何してんだオラァ?!!!」


「マジかマァマを…… 何処まで非人道的なんだよ……」



「「「「 お前らが言うな…… 」」」」



安斎とフレバーが戦闘モードになるが

そんな二人の前に泉太郎が割って出て来た


「まさか一人でやる気か?」


「そのまさかだよ 邪魔だから引っ込んどけ」


指の節を鳴らす泉太郎に四の五の言わず襲い掛かるカスパル

手にはいつの間にかショットガンが装備されており しかし何故か撃たにず振り回して来る


「何やってんだ?」


「ヒョッホォォォ!!!! 今日は久々に未成年の女の肉だぁ!!!!」


散弾銃のグリップが泉太郎の頭に当たるが 少し血が流れるだけで彼は笑っていた


「……馬鹿かお前?」


「ウヒヒ!! パァパ!! こいつ熊だよ熊!! 食べ応えあるよ!!!?」



「熊肉はエグミがあるんだ馬鹿!! とてもじゃねぇが俺は食えたもんじゃねぇ……っておい!!」



カスパルが泉太郎に振り向くとその顔面は 大きな手によって家の床下へとめり込んだ


「あぁハハハ…… 何だこれ……?」


カスパルの首は不規則に傾き 床から腕を引っこ抜いた泉太郎の手には血混りの唾液が付着

その光景にブルーノは怒り散らす


「黄色い猿共がぁ…… よくも俺の家族を次々とぉ……」


「知らねーよ 俺が猿山の大将ならてめぇは魔窟のラスボスな」


エンジン音と共に泉太郎に襲い掛かるブルーノ

発狂しながらそこらを切り崩して進んでくる男に微塵も恐怖を抱かず

振り切った瞬間を狙ってブルーノの顔面に重い拳をぶち込んだ


「ゲブァ……!!」


ブルーノの身体は後方に飛び されど今度は四方を飛び跳ねるチェーンソーが襲い掛かる

そんな危なっかしい瞬間にも泉太郎は恐怖を覚えない 冷静に動きを見極め

刃の付いてない持ち手部分を殴れば 獲物は窓に貼り付く板ごとぶち破り外に飛び出て行った


「……すげぇなお前」


安斎は素直に感心していた


「……んでお前らは何しにここに来たんだ?」


「私達の目当てはそこに転がってる俊蔵君だよ ちゃんと死んだか確認しに来たんだよ」


芽神は誰もいなくなった家の内部を見て回っていた 何かを探している様にも見える


「死亡確認だぁ?」


「ここの食人一家の事は前々から知っていたからねぇ

彼を焚きつけて分譲地開発を勧めたのは私 彼も不動産会社の子だったらしいし」


「……お前も継承戦に参加してるのか?」


「そうそう泉太郎君のグループにお邪魔してる

あっ…… あったあった やっぱり保管してるんだねぇ」


芽神は引き出しの中にぎっしり積まれている新聞の記事を漁る

安斎の視線は彼女から泉太郎の方へ


「建守は元気にしてるか? 見たところ付いて来てねぇみてぇだが?」


「チームの三人はお留守番してるぜ 予想通りだが建守君と野田君が海外に来て早々にダウンしてね

安久谷が用意したアジトで今はのんびりしてるよ」


「切り捨てたりしてねぇんだな? ホント意外だよ

そういえばトリーザダンでお前をちょっと可愛くした少年に出逢った

ここに十人の落胤が居るってのは そこで初めて実感したなぁ」


「そりゃぁ皆御曹司になりたくて必死だもんなぁ まぁやっと一人脱落したが」


死体となった俊蔵を指差して笑顔でいる泉太郎に フレバーはドン引きしてる


「良心なんて物は既に吹っ飛んだのか?」


「お前だって人身売買の一端を担ってただろうが? 俺は寧ろそっちにドン引きしてるぜ?」


「俺は足を洗った…… 掘り返してもいいが何事も前向きに答えてやるぜ?」


「犯罪者が開き直って誰が納得するんだよ?

……こんな奴と一緒にいる安斎もやっぱりイジメ推進派かぁ?」



「行きずりで成り行きってのが言い訳だからなぁ…… まぁ何も言い返さねぇよ

ただイジメ推進派ではない そこは勘違いするな」



納得していない様子の泉太郎は身長差を活かして安斎を見下していた

そんな彼を良く思わないフレバーは


フレバー「安斎は俺が認めた未来の旦那様なんだ!!

     それ以上の減らず口は許さねぇぞ?!」


泉太郎「おっとディープな展開になってんな 未成熟の俺にはキツいぜぇ」


芽神「ちょっと賢也君そうなの?!!!」


安斎「あぁ面倒くせぇ……」



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