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(三)-6
同じピアノ教室の衛護、新里姉妹、平倉も一緒に来ていて、控え室で出番を待った。
僕は彼らの仲でも一番早くに弾いた。全体としてはコースの二〇番目だった。
順番が来て、舞台の上に立った。暗い客席はほとんど満席だった。五〇〇人は軽く収容できる大ホールだった。また来てしまった、この舞台に。この聴衆の前に来ると感じる。何で僕なんかがこんな所にいるのだろうか、って。そして僕は礼をしてピアノの前に座った。
全員の演奏が終わると、結果が発表される。都道府県大会は予選だが、関東地方は人数が多いので準本選として地方大会が行われるのだが、ここではその準本選出場者が発表になるわけだ。そのため一応金銀銅賞は決められるが、入賞者は全員準本選への参加資格が与えられる。
(続く)




