表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/69

2章ー2 同盟

昨日と今日で見てくださっている方が倍の数になりました!!

これからも一日二話は更新を出来るようこれを励みに頑張ります!!

 優一ゆういち達が出発してから5日が経過していた。

 旅の途中、ガルエンからロム王国のことについて多くのことを聞くことが出来た。

 ロム王国はナルソンの森より南西に約200kmのアムリアとの中間に位置し、自然の豊かな土地にある国らしい。

 国を流れる大河リム川からは砂金などを始めとする多くの鉱物が採れ、なおかつ鉄鋼石を多く埋蔵している山がいくつもあることで優れた鉄製品などを製造し、輸出している。

 蜥蜴人族リザードマンのその戦闘力の高さからそれまでは他の魔族からの侵略を受けることはなかったが、近年では強力な魔法攻撃を得意とするアムリアの攻撃を受けており少なからずの損害を受けているそうだ。

 そこで俺達との同盟を組むに至ったというわけだ・・。

 うーん、なかなか複雑な事情があるみたいだな。

 てかアムリアって最悪だな、これはやっぱり友好関係を築くのは無理かな・・。


 「ヴィンデル殿! ロム王国が見えて参りましたぞ!!!」


 ガルエンの言葉で顔を上げると、しばらくして森を抜けた。

 

 「これはすごい・・。」

 「左様さようですね・・。私もロム王国は初めて訪れましたがこれほどとは・・。」

 優一ゆういちとジルが感嘆の声を上げる。


 「これが我れらの国、ロム王国です!」

 ガルエンの腕の先には、高い壁に周りを覆われた巨大な都市国家の姿があった。

  

 周りの城壁の高さは10mはあるか・・。それが直径1kmはありそうな都市をぐるりと囲っている。

 その外側にはリム川から引いたであろう水路が通っており、いくつもの船が行きかっている。

 これはすごいな・・・。

 この世界に来て初めての衝撃だ!!

 

 「これはガルエン様! お帰りなさいませ!!」

 城壁前の水路に到着すると見張りであろう蜥蜴人リザードマンの兵士が声をかけてきた。


 「ああ。 それとこちらにおられるのはヴィンデル・ロ・ウード殿だ。」

 ガルエンは兵士に優一ゆういちを紹介する。

 

 「これはこれは!このような遠方までお越しいただけるとは! どうぞ町に入り体をお休みになってください!」

 「開門!! 橋を下ろせ!!」

 兵士の声と共に門を閉ざしていた橋が降り、道を作る。

 「それではヴィンデル殿、参りましょう。」

 ガルエンの先導に続き、優一ゆういち達はロム王国へと足を踏み入れた。






 

 「すごい!! あ、こっちにも美味しそうなものが!! こっちにも!!!」

 「リーナ! ヴィンデル様の前なんだからおとなしくしてよ!」

 町の様子にはしゃぐリーナをユーナがたしなめる。


 「だってこんなの見たことないんだもん!! ヴィンデル様!あっちも見てきていいですか??」

 リーナは目を輝かせている。

 「分かったよ。でもあんまり遠くまで行かないようにね。」

 「ありがとうございます!!」

 優一ゆういちの許可をもらうとリーナは全速力で街の方へ走っていった。

 「ユーナ。リーナ一人じゃ心配だから一緒について行ってもらえるかな?」

 優一ゆういちの言葉に驚いたようなユーナだったが少しうれしそうな顔をしている。

 「・・分かりました。 リーナ!待って!!」

 ユーナはリーナの後を追い走っていく。


 ユーナも街に行きたかったんだろうな・・。

 リーナみたいにもっとわがままを言ってくれたら分かりやすいんだけどな。

 なんだか年頃の娘を持つ父親みたいな感覚だ・・・。


 「ハハハッ! 元気な子たちですな!」

 ガルエンが楽しそうに優一ゆういちに話しかける。

 「申し訳ありません。騒がしかったですよね・・。」


 「いえいえ! 娘たちが元気なことはいいことですぞ。しかし蜥蜴人族リザードマン女子おなごの様に騒がしすぎるのは困りものですがな!!」

 ガルエンは笑いながら答える。

 「それに疲れたら王宮に来るでしょう。さあ我らも急ぎましょう!」

 優一ゆういち達は王の待つ王宮へと足を進めた。






 

 優一ゆういち達が王宮に到着すると一行は謁見えっけんの間と言われる場所に通された。

 王宮は石造りで豪華な装飾があちこちに施されている。

 大学の卒業旅行で見たギリシャ遺跡のようだ・・・。

 こちらの方が何倍も豪華ではあるが。

 

 「ロム国王 ゴース陛下が参られました!!」

 兵士の一人が優一ゆういち達に伝えると謁見の間の扉が開く。

 

 「遠い所からわざわざお越しいただき感謝いたします。」

 優一ゆういちの前に一人の蜥蜴人族リザードマンが近づいてくる。

 その体には戦争によるものかあちこちに傷がある。

 ガルエンの話ではかなりの老齢らしいがそれを全く感じさせない。

 その立ち姿からは俺でさえこの人物の実力を感じさせられる。

 これが英雄王と言われるゴース王か・・。


 「こちらこそお招きいただきありがとうございます。」

 優一ゆういちが手を差し出すとゴースは握手に応じる。


 「なるほど。噂を聞いたときは半信半疑でしたがまことに銀の髪をお持ちだとは・・。」

 「その髪を見たのは魔王以来です」

 ゴースは豪快に笑いながら答える。

 う、うるさい・・。 ん?それよりさっき魔王って言った???

 

 「陛下は500年前の魔王と人種の戦いに参加されております。」

 優一ゆういちの考えていることに気づいたのかガルエンが説明をする。

 

 え、まじで・・・?。

 てことはこのおっさん一体何歳なんだよ・・。

 蜥蜴人族リザードマンってかなり長寿な生き物なのか??


 「ガルエンよ、そのことはもうよい。あの戦いは私にとっては汚点でしかない。」

 ゴースはガルエンの言葉を遮る。


 「どういうことですか?」

 優一ゆういちが尋ねるとしばらくの沈黙の後ゴースは語りだした。


 「500年前の戦いの時、私は一兵士として人種との戦いに赴きました。桁外けたはずれの魔力を持つ魔王の命令に私は何の疑問もなく従いました。」

 「しかし戦いが進むにつれ魔王は自分の気に入らない魔族をも滅ぼし始めたのです。」

 「身内をも平気で手に掛けるようになった魔王に対して私を始めとするいくつかの魔族は人種の勇者ボルグド・アスティロンと魔王を打ち取れば戦いをやめるという密約を結び、我々は魔王のいる場所に奴を手引きしました。」

 「結果、魔王は打ち取られましたが、ボルグド・アスティロンは密約を破り撤退する我らの背後から攻撃し、我らは魔境へと追いやられたのです。」

 ゴースは話し終えると口を閉ざした。


 そんなことがあったのか・・。

 ジルやワーグから聞いていた話とはかなり違っている。

 しかし戦いに参加していた人物の言葉だ。こちらが真実なのだろう。

 それにしてもアニメと違い勇者ってひどい奴だったんだな。


 ゴースが再び口を開く。

 「500年前の戦いが始まる前は魔族も人種も分け隔てなくこのリーディア大陸に暮らしいた。。私はそのころのような世界を作りたくこのロム王国を建国しました。」

 「ヴィンデル殿の建国宣言を読んだとき同じ考えの持ち主だと思い、今回我が息子ガルエンを使者とし同盟のお願いをした次第です。」


 え、?? ガルエンってつまり王子ってこと???

 あの野郎・・。先にそれを言ってくれよ。

 俺何か無礼なこと言わなかったよね??

 優一ゆういちは考えを纏めるとゴースに視線を戻した。

 「そんなことがあったのですね。我々の目指す国家も世界の平和を目指しております。」

 「あなた方のような素晴らしい考えを持つ国とはぜひとも良い関係を築きたいと思います。魔法の指導の件は喜んで協力させてもらいます。その代わり、、。」


 「分かっております。我らも製鉄技術の指導と鉄製品の輸出の件、喜んでお引き受けいたしましょう!」

 優一ゆういちとゴースはお互い笑い合うと再び固く握手を交わした。








 会談が終わり優一ゆういち達は王宮内の客間へと移った。

 「滞在中はこちらの部屋をお使いください。何か入用の物があれば外に控えている兵にお申し付け頂ければすぐにご用意いたしますので。」

 ガルエンは頭を下げると部屋を後にする。

 

 「・・・・・・」

 まずい・・。この部屋には今俺とジルだけだ・・。

 ワーグは道中の汚れを落とすとか言って水浴びに行ってしまった。

 ジルの最近の行動からして襲われるんじゃ・・。

 いや、流石にそれはないか・・。

 それにしてもいつもは何か用があるからいいけど、こういう二人きりの空間だと何を話せばいいんだー!


 「ヴィンデル様。」


 「はいっ!!」

 突然話しかけられたからつい声が裏返ってしまった。


 「大丈夫ですか?」

 ジルが不思議そうに見つめる。

 大丈夫です・・。気にしないで下さい。


 ふふふっ。 ジルは笑うと話を続ける。

 「今回のロム王国との同盟、まとまって良かったですね。ロム王国は魔境北部にあっては一番の大国。」

 「その大国とヴィンデル様との同盟が発表されれば多くの魔族はヴィンデル様の味方となりましょう。」

 「そうすれば世界の平和にまた一歩近づきますね!」

 ジルは嬉しそうに話している。


 確かにその通りだな・・。 

 戦わなくても争いを無くす方法はまだまだいくらでも存在するだろう。

 もっと学ばなければ!!

 優一ゆういちは顔を両手で叩き気合を入れる。


 ・・ん?? 何か甘い香りがする・・。

 なんだこの香りは!!

 

 優一ゆういちはジルの方に顔を向ける

 どういうことだ・・。ジルが欲しくてたまらない!!

 何だこれ、か、体が言うことを聞かない!

 ジルの口元がニヤリとした。


 やっぱりやりやがったなー!

 これは恐らく夢魔サキュバスの催淫魔法・・。

 色々と考えているうちに優一ゆういちはジルにベッドへと押し倒される。


 だ、だめだー・・・。 ジルに逆らうことが出来ない。

 こんな形で初めてを迎えるなんて~・・。

 優一ゆういちの手は心とは裏腹にジルの豊満な胸へとのびていく。

 も、もうだめだ!! 

 優一ゆういちの手が胸まであと数センチに迫る。


 バンッ!! 扉が勢いよく開くとリーナが入ってきた。

 「ただいま帰りましたー!! ヴィンデル様、ジル様見てください! こんなにいっぱい美味しいものが・・。あれどうかなさいました??」


 「何もないわよ?リーナおかえりなさい。」

 ジルは扉が開くと同時に優一ゆういちから飛び退き、平然とベッドの淵に座っている。


 「リーナ待って・・。」

 息を切らしながら次にユーナが部屋に入ってきた。


 戻ってくるならもうちょっと早く帰ってきてくれ・・・。

 何を買ってきたかで盛り上がっている3人を尻目に優一ゆういちは自身の体力が0になるのを感じていた。



 次の日、ヴィンデル・ロ・ウードが建国した国とロム王国の間に同盟が結ばれたことが魔境全土に発せられ、またしても周辺魔族を驚かせた。

 これによりアムリアの征服地国家が相次いで離反し、同盟への加盟を申し出始めたことで、アムリア王 ニグルはロム王国への本格的攻撃を御前ごぜん会議により決定した。

 




  




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ