1/9
3日目
起きて、まず窓を開けた。まだ夏の香りの残る風が、肺を満たしていく。
「兄ちゃん、おはよう! 早いね」
「陽太! おはよう、陽太こそ早いな」
先に起きていた陽太は、クッションの上に座っていた。俺も、陽太の前のクッションに座る。
胡座をかいて、部屋を回る風を全身で楽しむ。心地良さに身を任せ、もう一度寝てしまいそうな程だった。
「今日も学校、休みなんだよねっ?」
嬉しそうに身を乗り出して、問いかけてくる陽太。あぁ、と一拍頷く。
「昨日、お母さんが言ってたろ? 水曜日までは学校休みだって」
「うんうん、覚えてる!」
簡単に答えただけなのに、満足そうに笑みを浮かべた。すぐに側から、ゲーム機を取り出す。
「じゃ、兄ちゃん。ゲームやろ!」
そう言って、もう1つのゲーム機を手渡してきた。勿論、快諾して素早く準備を始める。
陽太の頼みは、本当に無理なとき以外は聞いてやる。それが、俺のモットーだからな。




