プロローグ-2
当然、ガルド国王も理解していたが『昼寝出来れば何でもいい』と言って承諾。
こうして、アトラスが完成した。
少し不可解な点にお気づきだろうか。
戦争を止めるために介入してきたガルド国国王。
その国に国民はいないことは両国も知っているのに何故、両国は攻め入らず会談で終わらせたのか。
その理由は簡単だ。
例え、両国の異能者たち全員が力を合わせたところで彼には敵わない。
ガルド国国王 天宮終夜。
能力から付けられた異名は生と死を司る黒き竜“ウロボロス”。
千年以上この地に君臨した不老不死にして、数千年間たった一人で数多の戦を勝ち続けた生きた伝説。
アトラス開国後から三年前まで玉座に君臨した彼だが突如、王の座を退いた。
その理由は生まれた息子ハルトが学園を卒業したから。と適当なもの。
そして、卒業式翌日に戴冠式を済ませた後、妻と旅に出て終夜は消息を絶った。
元々終夜が一人で国を回していたが、ハルトにはその手腕はまだない。
右も左もわからない息子は両領主を呼び出して会議を行い。
カリバンから元帥をマルキアから宰相を一人ずつ任命し、その他にも使用人を何人か雇い早三年。
ようやく、落ち着いたところに一つ問題が起きた。
不老不死だった終夜は二十歳で成長が止まり、それ以降容姿が変わっていなかったが、ハルトには不死であって不老ではなかったのだ。
困り果てた各領の偉い人たちはある妙案を思いついた。
これを機に形だけのアトラスを本当の意味で一つの国にしよう。そのためには長年燻っている両領民の火種を完全に消火しなければならない。戦争をしても完全に消えない。
ならばいっそ、誰もが納得する方法で解決しよう。
その方法とはハルトの性格を利用したもの。
王族であるハルトは学生時代浮いた話が一つもなかった。
そのせいで彼は女嫌いというレッテルを張られ、それは全国民が知っている。
そのハルトを魅了し妻となったものの領地が勝利とし、過去の因縁に決着をつけるという何とも馬鹿げた賭けが成立した。
その話を聞いたハルトはゲンナリ。『では、戦争がお好みですか?』と宰相に言われ、渋々承諾し、今日は両領主の娘たちと対面する日だった。




