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冴えないおっさん、AIと異世界で国を作る〜魔法社会を科学でひっくり返す〜  作者: れいじ
第4章 ジャポン誕生

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第4章 ジャポン誕生 第6話「最初の住人」



ここまで読んでいただきありがとうございます。


第6話では、未開の地が「拠点」から「人を迎える場所」へと変わる、その最初の一歩が描かれます。


ただ生き延びるだけではなく、

誰かと共に生きる場所にしていく。


そのためには、力だけでは足りない。

責任と覚悟が必要になります。


修一がどんな選択をするのか――


ぜひ見届けていただけたら嬉しいです。

拠点に戻ってきたノクスは、いつもより少しだけ疲れた様子だった。


それでもその目は、しっかりと前を見ている。


「……想像以上だ」


開口一番、そう言った。


修一とクロウが顔を上げる。


「そんなにか?」


「ああ」


ノクスは短く頷く。


「この未開の地は広い。かなりな」


少し間を置いて、続ける。


「魔物も多い。種類も強さもバラバラだ」


「だが――」


そこで言葉が変わる。


「自然は豊かだ。水もある。資源も確認できた」


修一の表情が変わる。


「……いけるな」


ノクスは静かに肯定した。


「整えれば、十分に“住める”」


クロウが口笛を吹く。


「マジで国じゃねえか」


「まだ早い」


ノクスが釘を刺す。


「今は、ただの拠点だ」


「分かってる」


修一は苦笑する。


「でもさ――」


少しだけ視線を落とし、そして上げる。


「ここなら、人を呼べる」


空気が変わる。


クロウは黙り、ノクスを見る。


ノクスもまた、修一を見返す。


「……理由は?」


「このままじゃ回らない」


修一は即答する。


「アルゴを増やしても限界がある」


「人の手が必要だ」


そして、少しだけ声を落とす。


「それに――」


「ここに来ることで、救われる人もいると思う」


ノクスの目が、わずかに細くなる。


「……具体的には?」


修一は言葉を選ぶ。


「居場所がない人」


「魔力が低くて、この世界で生きづらい人」


「やり直したい人」


一つ一つ、ゆっくりと。


「そういう人に、選択肢を作りたい」


沈黙。


風の音だけが流れる。


やがて、ノクスが口を開く。


「……カイゼルなら、理解するだろうな」


修一が小さく頷く。


「だから頼みたい」


真っ直ぐに見る。


「話を伝えてほしい」


「無理にじゃなくていい」


「来たいと思った人だけでいい」


クロウが横で小さく笑う。


「随分慎重だな」


「当然だろ」


修一は即座に返す。


「連れてくるってことは、その人の人生を預かるってことだ」


その言葉に、ノクスの表情がわずかに変わる。


そして、ゆっくりと息を吐いた。


「……選別は私がやる」


「中途半端な覚悟の者は連れてこない」


修一は迷わず頷いた。


「それでいい」


クロウも腕を組む。


「むしろその方が安心だな」


ノクスは静かに続ける。


「ただし問題がある」


「輸送だ」


空気が引き締まる。


「私一人なら、この嵐を越えるのは容易い」


「だが複数人となると話は別だ」


修一が顎に手を当てる。


「……だよな」


「船は無理だ」


クロウが言う。


「あの嵐じゃ沈む」


「魔導船でも厳しいな」


ノクスも同意する。


「安全は保証できない」


沈黙。


しかし、修一の目は止まらない。


「……いや」


小さく呟く。


「やり方はある」


クロウが振り向く。


「何か思いついたか?」


修一は指を立てる。


「アルゴ」


「ユニコーン形態での飛行」


「魔法の絨毯」


「ノクスの無効化」


一つずつ並べる。


「これを組み合わせる」


ノクスが静かに分析する。


「……理論上は可能だな」


クロウが苦笑する。


「また無茶なこと考えやがって」


「でも、いけるだろ?」


修一は笑う。


「少人数なら」


ノクスが頷く。


「確かに。一度に大人数は無理だが――」


「数人ずつなら運べる」


修一の表情が決まる。


「それでいい」


「まずは少人数でいい」


強く言う。


「試す」


その一言で、空気が変わる。


クロウがニヤリと笑う。


「始まるな」


ノクスも静かに目を細めた。


「……ああ」


修一は空を見上げる。


まだ何もない場所。


だが――


確実に動き始めている。


「最初の一歩だ」


その言葉は、小さく。


だが、確かな重みを持っていた。


未開の地に――


“最初の住人”が訪れる日が、近づいていた。




第6話、いかがでしたでしょうか。


今回のテーマは「人を呼ぶということの重さ」です。


誰かを助けることと、

その人の人生を預かることは、まったく別の話。


だからこそ修一は、慎重に、そして真剣に考えました。


そして決まった――


少人数から始める移住計画。


ノクスの選別、輸送の問題、そして受け入れ体制。


すべてが揃って初めて、この計画は成功します。


ここから物語はさらに一歩進みます。


次回はいよいよ、

未開の地に“最初の住人”がやってくるかもしれません。


新しい出会いと、新しい生活の始まり。


引き続きよろしくお願いします。

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