第3章 アルゴ進化への道 第27話 突破
第27話です。
ついにグラディウスとの戦いが決着へ向かいます。
ここまで積み重ねてきた力がどうぶつかるのか、ぜひ見届けてください。
アルゴの進化にも注目です。
激しい金属音が空間に響き続けていた。
アルゴとグラディウス。
その戦いは、すでに常人の領域を超えている。
速い。
目で追えない。
だが確実にわかることが一つだけあった。
アルゴは、変わっている。
キィンッ!!
剣と剣がぶつかる。
グラディウスの一撃を、わずかにずらして受け流す。
以前なら直撃していたはずの攻撃。
『回避成功率、上昇』
淡々とした声。
だがその中身は、確実な進化だった。
グラディウスが低く呟く。
「……厄介だな」
再び踏み込む。
速さが増す。
空間が歪んだように見えるほどの加速。
次の瞬間。
ドンッ!!
アルゴの体が大きく弾かれる。
床を滑り、壁に叩きつけられる。
『ダメージ増加』
それでも、止まらない。
ゆっくりと立ち上がる。
その動きに迷いはない。
修一が息を呑む。
「まだ……いける」
ノクスは膝をつきながら、無効化を維持していた。
「……長くは持たない」
カイゼルも限界に近い。
それでも修一の前から一歩も動かない。
「絶対に通さない」
その言葉が、この場の支えになっていた。
修一は強く拳を握る。
ここで終わるわけにはいかない。
「アルゴ」
『応答』
「全部使え」
一瞬の静寂。
そして――
『了解』
空気が変わる。
アルゴの動きが、明らかに変わった。
速さではない。
無駄が消える。
滑らかで、研ぎ澄まされた動き。
踏み込む。
グラディウスの懐へ一気に入る。
剣ではない。
拳。
打撃。
ドンッ!!
グラディウスの体がわずかに揺れる。
「……!」
初めての反応。
『戦闘スタイル変更』
『最適解:近接打撃』
連撃が入る。
剣では防ぎきれない。
体に直接、衝撃が伝わる。
グラディウスが後ろへ下がる。
だがアルゴは止まらない。
追う。
さらに速くなる。
完全に動きを“読んでいる”。
カイゼルが目を見開く。
「これ……さっきと全然違う」
修一が叫ぶ。
「行け!!」
グラディウスが剣を振るう。
だが当たらない。
すべて避けられる。
一歩先。
さらに先。
未来を読むような動き。
そして。
踏み込む。
全身を使った一撃。
ドンッ!!
衝撃が空間を震わせる。
グラディウスの体が大きく吹き飛ぶ。
床を滑り、壁際で止まる。
静寂。
誰も動かない。
アルゴも動かない。
ただ、結果だけがそこにあった。
やがて。
グラディウスがゆっくりと体を起こす。
口元から血が流れている。
その目に宿るのは、怒りではない。
わずかな――満足。
「……ここまでか」
剣を下ろす。
戦意が消える。
修一は息を吐いた。
全身の力が抜けそうになる。
だが、まだ終わりではない。
ゆっくりと歩み寄る。
グラディウスは抵抗しない。
そのまま座り込む。
修一は懐から一つの道具を取り出した。
黒い金属の手錠。
クロウから託されていたもの。
「使う時が来たな」
カイゼルが小さく頷く。
「それ……魔法封じ」
「ああ」
短く答える。
グラディウスの腕を取る。
一瞬だけ視線が交わる。
だが何も言わない。
カチッ。
乾いた音。
手錠が閉じる。
その瞬間、空気が変わった。
完全に封じた。
ノクスが力を抜く。
「……これで、終わりだ」
カイゼルが静かに息を吐く。
「勝った……」
修一は首を横に振る。
「いや」
顔を上げる。
視線の先。
この都市の中心。
「ここからだ」
ルーヴェンハイム。
すべての元凶。
まだ終わっていない。
アルゴが静かに言う。
『次戦闘、準備可能』
修一は小さく笑う。
「頼もしいな」
カイゼルの目が変わる。
覚悟の色。
「……行こう」
ノクスも立ち上がる。
疲労を抱えながら、それでも前を見る。
「終わらせる」
修一が一歩踏み出す。
「次は――ルーヴェンハイムだ」
戦いは、次の段階へ進む。
第27話を読んでいただきありがとうございます。
グラディウスとの戦いが終わり、いよいよ次はルーヴェンハイムとの決戦です。
ここから物語はクライマックスへと進んでいきます。
引き続き、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです




