第3章 アルゴ進化への道 第18話 転移の痕跡と眠る資源
第18話です。
洞穴の奥へと進んだ修一たち。
今回は発見と少し危険な展開が待っています。
アルゴの探索がどこまで通用するのか、
ぜひ見届けていただければと思います。
洞穴の奥。
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アルゴの光だけが、道を照らしている。
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アルゴ
『高密度エネルギー反応、接近』
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修一
「……この先だな」
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足音が、やけに響く。
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やがて――
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視界が、開けた。
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そこは。
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明らかに“自然ではない空間”。
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床一面に刻まれた模様。
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円形の構造。
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複雑に重なり合う線。
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カイゼル
「これ……何?」
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クロウがゆっくり近づく。
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しゃがみ込む。
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指でなぞる。
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「……魔法陣だ」
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リオン
「さっき言ってたやつか」
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クロウ
「ああ」
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静かに続ける。
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「転移系だな」
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修一
「ここから移動したってことか」
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アルゴ
『残留エネルギーを確認』
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『ごく最近、使用された可能性が高い』
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クロウ
「……直前だな」
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リオン
「チッ、逃げられたか」
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カイゼル
「追えないの?」
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クロウは首を横に振る。
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「紋章がなければ起動できない」
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修一
「……結局使えないのか」
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静かな苛立ち。
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その時。
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アルゴの光が、別の一点を照らす。
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『高純度エネルギー体を検出』
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そこにあったのは――
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手のひらサイズの結晶。
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淡く光を放つ、核。
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修一
「……エーテルコア」
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クロウ
「残していったのか?」
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リオン
「いや、回収しきれなかったって感じだな」
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修一はそれを手に取る。
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軽い。
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だが。
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内側に、圧倒的なエネルギーを感じる。
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「……使える」
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アルゴ
『さらに地下に資源反応』
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全員が反応する。
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修一
「どれくらいだ」
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『高密度鉱物反応。広範囲』
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クロウ
「……まだ下があるのか」
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リオンが前に出る。
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「いいだろ」
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ニヤリと笑う。
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「任せろ」
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掘削
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リオンが地面に手をつく。
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土魔法、発動。
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ゴゴゴゴ……
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岩が割れ、
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道が開いていく。
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修一
「どれくらいかかる」
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リオン
「一時間ってとこだな」
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進む。
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冷気が強くなる。
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そして。
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突然――
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空間が開けた。
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巨大な自然空洞。
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カイゼル
「……すごい」
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壁一面に広がる鉱石。
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魔石。
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結晶。
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光が乱反射する。
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幻想的な空間。
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アルゴ
『高純度資源を多数確認』
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修一
「……当たりだな」
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採掘開始
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リオン
「よし、やるぞ」
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クロウが袋を広げる。
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魔法収納袋。
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修一
「それ、どれくらい入るんだ」
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クロウは短く答える。
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「気にするな」
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「入るだけ入る」
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採掘が始まる。
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アルゴが位置を指示。
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リオンが削る。
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カイゼルが運ぶ。
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修一が確認する。
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そして。
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すべてが袋に収まっていく。
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しばらくして。
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修一
「……これだけあれば」
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クロウ
「しばらくは困らないな」
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リオン
「むしろ十分すぎる」
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修一はうなずく。
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「戻るぞ」
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洞穴の外
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外に出た瞬間――
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風が叩きつける。
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ゴオオオオ!!
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カイゼル
「……強くなってる」
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吹雪。
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視界がほとんどない。
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そして。
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低い唸り声。
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リオン
「……起きてるな」
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視線の先。
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ブリザードドラゴン。
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数体が目を覚ましている。
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ゆっくりと、こちらを見る。
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修一
「まずいな」
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リオン
「時間切れだ」
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一歩前へ。
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「俺が引きつける」
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修一
「おい――」
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リオン
「大丈夫だ」
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軽く笑う。
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「こういうのは得意なんだよ」
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風が巻き起こる。
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リオンの身体が浮く。
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そのまま――
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空へ。
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一気に加速。
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ドラゴンの視線が、そちらへ向く。
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修一
「……カイゼル!」
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カイゼルはうなずく。
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魔法の絨毯を広げる。
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浮かぶ。
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だが。
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揺れる。
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不安定。
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クロウ
「おい……大丈夫か?」
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カイゼル
「……やる」
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集中。
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風を制御する。
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ゆっくりと浮き上がる。
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吹雪が荒れる。
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視界が奪われる。
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修一
「行くぞ!」
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揺れる絨毯。
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荒れる空。
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そして。
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背後から迫る影。
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逃走が、始まった。
第18話を読んでいただきありがとうございます。
少しずつですが、世界の裏側や技術の存在が見えてきました。
そして今回は、資源やエーテルコアといった今後に関わる要素も登場しています。
最後は少しバタバタした展開になりましたが、
次回はその続きからになります。
引き続き楽しんでいただけると嬉しいです




