第3章 アルゴ進化への道 第17話 過去の残骸
第17話です。
今回は少しだけ、この世界の裏側に触れる話になります。
これまでとは少し雰囲気が違う回ですが、
修一たちにとって大きな意味を持つ出来事が起こります。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
地下拠点。
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重苦しい空気が、場を支配していた。
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リオン
「……あれ、気分悪くなるな」
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いつもの軽さはない。
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修一
「さっき言ってた“似てる”ってのは何だ」
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クロウが、ゆっくり顔を上げる。
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「……昔、見たことがある」
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短く。
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「同じような場所を」
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カイゼル
「どこで?」
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クロウ
「南の大陸」
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一拍。
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「サウスガルドだ」
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静寂。
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クロウは続ける。
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「発明と実験の国」
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「魔道具の技術が突出している」
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「魔法陣の開発も進んでいる」
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修一
「魔法陣って、そんなにすごいのか?」
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クロウは小さくうなずく。
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「高度な技術だ」
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「魔道具に魔法を付与するために使われる」
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「だが」
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「相当な知識と技術が必要になる」
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カイゼル
「簡単には扱えないのね」
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クロウ
「そうだ」
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「そして」
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少しだけ声が低くなる。
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「……その裏で、実験も行われている」
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空気が変わる。
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リオン
「……さっきの奴らか」
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クロウ
「似ている」
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「いや……ほぼ同じだ」
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クロウの視線が、奥へ向く。
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「地下施設」
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「拘束」
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「魔道具の埋め込み」
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「人を“素材”として扱う」
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修一の表情が変わる。
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「……あいつら」
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「たぶん奴隷達だ」
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誰も否定しない。
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修一の拳が、強く握られる。
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「……ふざけんなよ」
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低く、押し殺した声。
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「実験に使うために連れてきて」
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「失敗したら終わりかよ」
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クロウは静かに言う。
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「成功例は少ない」
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「ほとんどは失敗だ」
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「壊れるか」
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「暴走するか」
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「死ぬか」
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沈黙。
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リオンが小さく舌打ちする。
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「胸くそ悪いな……」
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修一
「……誰がやってるんだ」
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クロウは少し考える。
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「断定はできない」
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一拍。
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「だが――」
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「サウスガルドの技術に近い」
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リオン
「……サウスガルドの人間か?」
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クロウは首を横に振る。
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「すべてではない」
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「一部だ」
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「だが」
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目が鋭くなる。
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「個人では無理な規模だ」
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修一
「……組織か」
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クロウ
「ああ」
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「資金」
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「人材」
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「技術」
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「すべて揃っている」
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リオン
「めんどくせえ相手だな……」
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修一はゆっくり立ち上がる。
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「……関係ない」
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短く。
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「やることは同じだ」
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「素材を集める」
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「アルゴを強くする」
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「それからだ」
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カイゼルもうなずく。
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クロウも静かに同意する。
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リオンは肩をすくめる。
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「ま、シンプルでいいな」
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だが。
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空気は軽くならない。
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むしろ。
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方向が決まった。
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その時。
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アルゴ
『新たな反応を検知』
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全員が顔を上げる。
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修一
「どこだ」
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『洞穴、さらに奥』
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一拍。
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『高密度エネルギー反応』
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クロウの目が細くなる。
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「……当たりだな」
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リオン
「行くしかねえな」
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修一
「……ああ」
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怒りと目的が、
ひとつに重なった。
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第17話を読んでいただきありがとうございます。
少し重めの内容になりましたが、
ここから物語は新しい方向へ進んでいきます。
修一の中にも変化が出てきた回でした。
次回は洞穴の奥へ進みます。
新しい発見もあるので、ぜひお楽しみに




