第3章 アルゴ進化への道 第15話 凍てつく違和感
第15話です。
今回は洞穴の奥で、
これまでとは違う“異質なもの”に触れる回になります。
少し不穏な空気が強くなってきますが、
物語の重要な転換点でもあります。
ぜひその違和感を感じていただけたら嬉しいです。
暗闇の奥。
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何かが――
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動いた。
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全員が止まる。
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リオン
「……見えたか?」
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クロウ
「いや……だがいる」
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アルゴ
『生命反応、前方』
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修一
「……人か?」
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返答はない。
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ただ、
気配だけがある。
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ゆっくりと進む。
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足音を殺す。
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光を絞る。
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そして――
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見えた。
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人影。
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壁にもたれ、
座り込んでいる。
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動かない。
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カイゼル
「……人……?」
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近づく。
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その瞬間。
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「……来るな」
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低い声。
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全員が止まる。
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生きている。
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リオン
「なんだ、生きてんじゃん」
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軽く言う。
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だが。
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その男の様子は、
明らかにおかしかった。
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片腕が凍りついている。
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肌は青白い。
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呼吸も浅い。
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修一
「おい、大丈夫か」
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近づこうとする。
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「……来るなって言ってるだろ……」
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震えた声。
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男が顔を上げる。
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目が、
普通じゃない。
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カイゼル
「……なに……これ」
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瞳の奥。
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わずかに、
光っている。
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人工的な。
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アルゴ
『異常反応検出』
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修一
「異常?」
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『魔力と非魔力の混在』
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クロウ
「……融合か」
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リオン
「は?」
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クロウ
「人間に、何かを埋め込んでいる」
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静かに言う。
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男が笑う。
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「……ああ……そうだよ……」
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かすれた声。
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「実験だ……」
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全員の空気が変わる。
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修一
「……誰のだ」
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男の目が揺れる。
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「……知らない……」
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「黒い奴らだ……」
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「ここを……使ってる……」
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洞穴の奥を見る。
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リオン
「……ドラゴンの巣で実験ってか?」
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クロウ
「合理的ではある」
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「人が来ない」
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「証拠も残らない」
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男が震える。
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「……失敗作は……捨てられる……」
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一拍。
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「俺みたいにな……」
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カイゼル
「……」
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言葉が出ない。
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修一はしゃがむ。
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男の目を見る。
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「助ける」
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はっきりと。
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男は一瞬、驚く。
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そして。
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「……無理だ……」
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小さく笑う。
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「もう……持たない……」
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体が崩れ始める。
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凍りつきながら。
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崩壊。
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修一
「おい……!」
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手を伸ばす。
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だが。
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止められない。
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静かに。
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男は動かなくなる。
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沈黙。
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リオン
「……最悪だな」
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クロウ
「……間違いない」
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「ここはただの巣ではない」
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修一は立ち上がる。
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奥を見る。
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暗闇の先。
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「……行くぞ」
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その声は、
さっきとは違っていた。
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ただの素材探しじゃない。
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何かがある。
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それを――
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確かめる。
読んでいただきありがとうございます!
今回は洞穴の奥で出会った存在を通して、
この世界の裏側にあるものを少し描いてみました。
ただの冒険では終わらない、
そんな流れが見えてきた回だったと思います。
修一の「助ける」という言葉も、
今後の展開に関わってくる重要な部分になります。
次回はさらに奥へ。
何が待っているのか、
少しずつ明らかになっていきます。
引き続き楽しんでいただけたら嬉しいです!
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