第3章 アルゴ進化への道 第3話 暴走と出会い
第3話です。
今回はアルゴに乗るシーンから、
少し予想外の展開へと進んでいきます。
そして、新しい出会いもあります。
ここから物語がさらに広がっていきますので、
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
ヴァルディア外縁。
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拠点前。
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アルゴが、
馬の姿で静かに立っている。
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金属の体。
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だがどこか、
生き物のようにも見える。
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修一
「……なあ」
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アルゴ
「はい」
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「ちょっと乗ってもいいか?」
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セリナ
「え?」
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カイゼル
「ちょっと待って」
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「まだ調整も――」
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アルゴ
「騎乗、問題ありません」
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即答。
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修一
「だよな」
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軽く笑って、
そのまま乗る。
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一瞬。
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静止。
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「……お?」
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次の瞬間。
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加速。
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「うおっ!?」
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地面が一気に流れる。
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風。
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景色が消し飛ぶ。
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「速えええええ!!」
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止まらない。
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曲がる間もない。
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「アルゴ!!止まれ!!」
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アルゴ
「最適移動中です」
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修一
「最適すぎるだろ!!」
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さらに加速。
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森を抜ける。
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道を突き抜ける。
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気づけば。
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街。
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急停止。
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「……っ!」
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修一が前につんのめる。
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なんとか踏みとどまる。
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沈黙。
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「……どこだここ」
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見慣れない街。
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人がざわつく。
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「なんだあれ……」
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「馬……なのか?」
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アルゴに視線が集まる。
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修一
「……やばいな」
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アルゴ
「問題ありません」
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修一
「問題だらけだろ」
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そのとき。
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「動くな」
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低い声。
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振り向く。
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男。
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作業着。
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工具を持っている。
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その目は、
アルゴを見ている。
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「そのまま止めろ」
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修一
「……なんだ?」
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男はゆっくり近づく。
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無駄のない動き。
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アルゴの脚を見る。
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触れずに。
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じっと観察する。
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「……制御、少しズレてるな」
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修一の目が変わる。
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「……わかるのか?」
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男
「音と振動でな」
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一拍。
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「このままだと、次で壊れる」
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沈黙。
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修一
「……マジかよ」
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アルゴ
「一部、誤差を確認」
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修一
「当たってる……」
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男は工具を軽く回す。
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「少し貸せ」
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修一は一瞬迷う。
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だが。
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「……やれ」
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男が触れる。
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カチ、カチ、と。
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細かい調整。
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異常な精度。
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数秒。
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「……これでいい」
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アルゴ
「誤差、修正完了」
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修一
「……すげえな」
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男は少しだけ口元を動かす。
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「まあな」
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そのとき。
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影が、
わずかに揺れる。
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ほんの一瞬。
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アルゴ
「……異常検知」
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すぐに消える。
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修一は気づかない。
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男は気づいている。
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だが、
何も言わない。
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「それ」
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アルゴを見る。
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「お前が作ったのか」
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修一
「ああ」
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男は一拍置く。
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「……面白いな」
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ゆっくり言う。
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「手伝ってやる」
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沈黙。
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修一は笑う。
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「いいのか?」
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男
「興味がある」
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短く。
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「名前は?」
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修一
「修一」
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男
「……クロウだ」
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その背後で。
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影が、
静かに揺れていた。
読んでいただきありがとうございます!
今回はアルゴとの初騎乗と、
そこからの思わぬ展開、
そして新キャラクター・クロウの登場回でした。
アルゴのスピードや特性が見えてきたことで、
今後の可能性も広がっていきます。
また、クロウという存在が、
これからのアルゴの進化や物語にどう関わっていくのかも、
注目していただけたら嬉しいです。
ここからはアルゴの進化が本格的に始まり、
試行錯誤や新たな力の獲得へと進んでいきます。
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