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冴えないおっさん、AIと異世界で国を作る〜魔法社会を科学でひっくり返す〜  作者: れいじ
第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ

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第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ 第38話 開始

第38話です。


いよいよ作戦が動き出します。


派手な戦いではありませんが、

これまでとは違う形の戦いが始まる回になっています。


ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

森の外れ。


コロシアムから少し離れた場所。


夜。


静かな空気の中、簡易的な拠点が作られていた。


まだ地下はない。


ただの空き地。


だが――


ここが始まりになる。


セリナが前に出る。


「……ここから作ります」


修一

「頼む」


セリナは地面に手を当てる。


「土魔法」


静かに。


だが確実に。


地面が動き始める。


ゆっくりと沈み、広がる。


空間が作られていく。


地下へ。


音を抑えながら。


確実に。


その間。


修一は周囲に視線を向ける。


数人の人影。


集められた人たち。


緊張した表情。


不安と期待が混ざっている。


カイゼルが小さく問う。


「……その人たちは……?」


修一

「周りの街から来てもらった」


「全部は説明してない」


一拍。


「けど、やることは簡単だ」


一人ずつ視線を向ける。


「怪我人や病人をここに連れてくる」


「それだけでいい」


男の一人が不安そうに言う。


「……本当に助かるんですか」


修一は迷わず答える。


「助ける」


短く。


だが強い。


「ただし、急げ」


その言葉に、男はうなずく。


別の数人にはセリナが説明している。


「指示に従ってください」


「難しいことはありません」


その間にも、地面は動き続ける。


そして――


セリナが息を吐く。


「……できました」


地下空間。


簡易だが、十分な広さ。


通路。


作業スペース。


治療用の空間。


修一は確認する。


「いいな」


アルゴ

「電力供給 開始」


エーテルコアが起動する。


淡い光。


地下に電力が流れる。


修一は小型ロボットを取り出す。


「起動」


静かに。


目が光る。


「……医療AI、アスクレア」


アスクレア

「起動確認」


セリナが息をのむ。


「……すごい……」


修一

「こいつが中心だ」


「俺たちの“武器”だ」


カイゼルがつぶやく。


「……戦うんじゃなくて……」


修一は即答する。


「救う」


短く。


それが答えだった。


アルゴ

「準備完了」


修一はうなずく。


「じゃあ――」


コロシアムの方向を見る。


「始めるか」


アルゴ

「証拠投影 準備完了」


数秒後。


コロシアム。


歓声。


戦いの最中。


その空中に――


映像が現れる。


ざわめき。


「なんだ……?」


映し出される。


競売。


金。


カプセル。


そして――


借金。


連行。


コロシアム。


すべてが繋がる。


観客の空気が変わる。


「……嘘だろ……」


「全部繋がってるのか……?」


怒号。


混乱。


疑い。


信じたくない現実。


だが、映像は消えない。


地下。


修一はその様子を見ながら言う。


「……いい感じだな」


静かに。


計算通り。


そのとき。


外から声が響く。


「……誰か……!」


誘導係が走り込んでくる。


「連れてきました!」


後ろには――


怪我人。


血の匂い。


苦しそうな呼吸。


セリナ

「……すぐに」


アスクレア

「治療開始」


光が走る。


柔らかく。


だが確実に。


傷が閉じていく。


呼吸が安定する。


その場にいた全員が息をのむ。


それは奇跡ではない。


だが――


この世界では、奇跡に等しかった。


修一は静かに立っている。


上では混乱。


下では治療。


同時に進む。


一つは壊すため。


一つは救うため。


そして今。


“もう一つの戦い”が、


確かに始まった。

読んでいただきありがとうございます!


今回は証拠の拡散と同時に、

医療によって人を救うという新しい形の戦いが始まりました。


アスクレアという医療AIの登場や、

誘導係・補助役の人たちなど、

これまでとは違った“チームとしての動き”も見えてきたと思います。


ここからは、コロシアムの混乱とともに、

状況が一気に動いていきます。


どこまで広がるのか、どう変わっていくのか、

ぜひ続きも楽しんでいただけたら嬉しいです。


面白いと思っていただけたら、

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