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冴えないおっさん、AIと異世界で国を作る〜魔法社会を科学でひっくり返す〜  作者: れいじ
第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ

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第2章 冴えないオッサン、魔法至上の世界へ 第1話 魔導船と階級

第2章スタートです。


舞台は未開の地から一転し、

魔法文明の中心であるノースガルド大陸へ。


これまでとはまったく違う世界が広がっていきますので、

楽しんでいただけたら嬉しいです!

港は、活気に満ちていた。


絶え間なく行き交う人の声。荷を運ぶ掛け声。木箱がぶつかる乾いた音。


そしてそれらの中に、確かに混ざっている。


目に見えない“力”の気配。


魔力。


この世界では当たり前に存在し、そして明確に“差”を生み出すもの。


神谷修一は船を降り、ゆっくりと周囲を見渡した。


視線の先には、整然と並ぶ石造りの建物。


無駄のない構造。計算された配置。機能性と美しさを両立した都市設計。


未開の地とは、まるで別世界だった。


「……すげえな」


思わず漏れる。


単純な感想。


だがその一言に、すべてが詰まっていた。


カイゼルはその隣で、静かに周囲を見ている。


どこか懐かしむような、そして少しだけ緊張した表情。


ここは彼女の“知っている世界”だ。


だが同時に、戻りたくなかった場所でもある。


そのときだった。


低く、重たい振動音が空気を揺らした。


ブゥン……


修一が顔を上げる。


「……なんだ?」


視線の先。


ゆっくりと、それは現れた。


一隻の船。


だが、明らかに異質だった。


帆がない。


マストもない。


それなのに――


浮いている。


「……は?」


思わず声が漏れる。


船体には、複雑な紋様が刻まれていた。


淡く光る線が全体を巡り、巨大な魔法陣を構成している。


中央には、強く輝くコア。


まるで、心臓のように脈動していた。


アルゴが即座に反応する。


「高密度エネルギー反応を検出」


「未知の駆動方式を確認」


修一は目を細める。


その構造を観察する。


動力。


出力。


制御。


すべてを一瞬で読み取ろうとするように。


「……完全にエネルギー駆動か」


その分析は、ほぼ確信だった。


カイゼルが静かに言う。


「魔導船です」


修一はわずかに息を吐く。


「これが……」


ただの船ではない。


文明の象徴。


技術の頂点。


魔導船は音もなく進む。


風を使わない。


帆もない。


ただ――魔力だけで動いている。


港に入ると、人々が自然と道を開ける。


誰も命令していない。


だが誰もが理解している。


それが“上位の存在”だと。


修一はその様子を見て、小さくつぶやく。


「……扱い違うな」


カイゼルはうなずく。


「はい」


そして続ける。


「魔導船は、上級魔道士以上でなければ動かせません」


修一の目がわずかに動く。


「……なるほどな」


単純な話だ。


あれを動かせる=強い。


つまり、それだけで価値がある。


カイゼルは説明を続ける。


「魔力の総量と制御力」


「その両方が必要です」


修一は視線を魔導船に向けたまま言う。


「じゃあ、あれに乗ってるやつは」


カイゼルは迷いなく答える。


「上位階級です」


少しの間。


そして、静かに続ける。


「この世界では」


「魔力の強さが、そのまま地位になります」


修一は周囲を見る。


整った服を着た者。


堂々と歩く者。


その横で、頭を下げる者。


距離。


態度。


明確な差。


誰が上で、誰が下か。


説明などいらないほど、はっきりしていた。


「……わかりやすいな」


修一はそう言う。


カイゼルはうなずく。


「はい」


そして、少しだけ声を落とす。


「上には“マスター”がいます」


「各大陸に一人」


修一の視線がわずかに動く。


「その下に“大賢者”、賢者」


「そして上級、中級、下級魔道士」


「その下に……一般人」


修一は短く言う。


「階級社会か」


カイゼルは小さくうなずく。


「はい」


その声は、少しだけ重かった。


「魔力の低い者は……」


言葉が止まる。


言いたくない。


だが、事実として存在している。


修一は視線を向ける。


「……どうなる?」


カイゼルは目を逸らす。


そして、小さく言った。


「……後で、わかります」


修一はそれ以上は聞かなかった。


無理に聞く必要はない。


どうせ、自分の目で見ることになる。


それが、この世界だ。


再び、魔導船を見る。


空に浮かぶ存在。


その下で生きる人々。


支配する側と、従う側。


修一は小さくつぶやく。


「……なるほどな」


その目は、ほんのわずかに鋭くなっていた。


観察。


理解。


そして――判断。


アルゴが内部処理を進める。


「社会構造を更新」


「極端な階層構造を確認」


修一は軽く笑う。


「だろうな」


そして歩き出す。


迷いはない。


ここがどんな場所か。


どういう仕組みで動いているか。


それを理解した上で。


自分がどう動くか。


それを決めるだけだ。


魔法の世界。


だが修一は、すでに気づき始めていた。


ここはただのファンタジーではない。


明確なルールと、明確な格差で成り立つ世界。


そして――


その中で、自分が何をするのか。


物語は、新たな段階へ進む。

読んでいただきありがとうございます!


魔導船、そして魔力による階級社会。

この世界の仕組みが少しずつ見えてきました。


便利で華やかに見える魔法の裏側には、

さまざまな問題も隠れています。


ここからはこの世界をより深く知っていく展開になりますので、

ぜひ続きも読んでいただけたら嬉しいです!


面白いと思っていただけたら、

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