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冴えないおっさん、AIと異世界で国を作る〜魔法社会を科学でひっくり返す〜  作者: れいじ
第4章 ジャポン誕生

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第4章 ジャポン誕生 第14話「洞穴の主」


ここまで読んでいただきありがとうございます。


第14話は、未開の地の“本当の顔”が見え始める回です。


資源の可能性を感じる一方で、

そこにあるのは決して安全な場所ではない。


探索とは、発見と同時に危険と隣り合わせであること。


その現実に、修一たちが初めて真正面からぶつかります。


少し緊張感のある回になりますが、

ぜひその空気ごと楽しんでいただけたら嬉しいです。

発見した鉱石の周辺を、さらに調べる。


それが今回の目的だった。


「このあたり、反応が強いな」


修一が足元を見ながら言う。


アルゴがすぐに補足する。


『周辺一帯に高エネルギー反応を確認』


『地下構造に空洞の可能性』


クロウが顔を上げる。


「……空洞?」


「洞穴かもしれない」


ノクスが周囲を見渡す。


「自然にできたものとは限らないな」


少し進むと、それはすぐに見つかった。


巨大な穴。


地面が崩れ落ちるようにして開いた、暗い空間。


中から冷たい風が流れてくる。


「……でかいな」


修一が呟く。


クロウが笑う。


「これは当たりかもしれねえな」


だが――


ノクスは動かない。


じっと穴の奥を見つめている。


「どうした」


修一が聞く。


「……気配がある」


短い答えだった。


空気が一気に変わる。


それでも、修一は言った。


「行く」


「ここまで来て引く理由はない」


クロウが肩をすくめる。


「まあな」


アルゴが前に出る。


『照明起動』


白い光が洞穴の中を照らす。


ゆっくりと、足を踏み入れる。


中は――想像以上に広かった。


天井は高く、奥が見えない。


壁には、先ほど見つけた鉱石と似たものが点在している。


「……すげえな」


クロウが呟く。


だが、その足元に――


何かがあった。


「……骨?」


修一がしゃがむ。


動物のものではない。


もっと大きい。


そして、数が多い。


ノクスの声が低くなる。


「静かすぎる」


その瞬間だった。


『反応増加』


アルゴの声。


修一が立ち上がる。


「来るぞ」


背後。


そして左右。


気配が、一気に増える。


「囲まれてるな」


クロウが小さく笑う。


闇の中から、低い唸り声。


次の瞬間――


飛び出してきた。


四足の魔物。


細く、速い。


鋭い牙。


「チッ……!」


修一が一歩下がる。


アルゴが前に出る。


一撃。


最初の一体を弾き飛ばす。


だが――


「多い!」


次々に現れる。


数が、異常だった。


「群れか……!」


クロウが後方に下がりながら言う。


ノクスが短く言う。


「ここは奴らの巣だ」


魔物は止まらない。


一体、二体ではない。


十――いや、それ以上。


アルゴが迎撃を続ける。


だが押し返しきれない。


「くそ……!」


修一が歯を食いしばる。


速い。


そして、連携している。


「長居は危険だ」


ノクスが言い切る。


「突破するぞ」


修一が頷く。


「アルゴ、道を開け!」


『了解』


アルゴが一歩踏み込む。


一瞬で加速。


正面の群れに突っ込む。


衝撃。


数体が吹き飛ぶ。


「今だ!」


修一が叫ぶ。


一気に走る。


だが、横から飛びかかる影。


ノクスがそれを叩き落とす。


「止まるな!」


クロウが後ろから叫ぶ。


さらに一体。


さらに一体。


アルゴが押し返す。


だが数は減らない。


「くそ、きりがねえ!」


出口が見える。


光。


「抜けるぞ!」


最後の一撃。


アルゴが道をこじ開ける。


全員、一気に飛び出す。


外へ。



しばらく、誰も動かなかった。


荒い呼吸だけが響く。


「……はあ……」


修一が膝に手をつく。


クロウが笑う。


「危なかったな」


「笑えねえよ」


ノクスが静かに言う。


「油断だ」


「完全に奴らの領域だった」


修一は振り返る。


洞穴。


静かに口を開けたまま、そこにある。


アルゴが報告する。


『洞穴内部に高密度反応を確認』


『先ほどの鉱石と同質、もしくは上位素材の可能性』


クロウが口元を歪める。


「……当たりだな」


修一も頷く。


「ああ」


だが、その表情は険しい。


「簡単には取らせてくれねえってことか」


ノクスが言う。


「次は準備が必要だ」


修一は洞穴を見つめる。


恐怖はあった。


だが、それ以上に――


確信があった。


「……でも、あったな」


静かに言う。


「答えが」


未開の地。


その奥には、確かに“必要なもの”がある。


そして同時に――


それを守る危険も、確かに存在していた。


修一は立ち上がる。


「準備するぞ」


「次は、取りに行く」


洞穴の奥。


そこにあるものを――


必ず、手に入れるために。



第14話、いかがでしたでしょうか。


今回のポイントは、洞穴という“資源の宝庫”と、

そこに潜む“明確な脅威”です。


エーテル遮断鋼に近い鉱石の存在は確認できた。


しかし――

簡単には手に入らない。


このバランスが、未開の地の面白さでもあります。


また、ノクスの判断やアルゴの役割など、

戦闘面での立ち位置も少しずつ整理されてきました。


そして何より重要なのは、

「当たりを引いた」という事実。


危険はあるが、確実に前進している。


次回は、その洞穴への再挑戦。


準備と対策、そして攻略へと進んでいきます。


引き続きよろしくお願いします。

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