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キンキンなくとも、害だらけ

中学生になった…。


本当なら私は国立中に行ける予定だったかもしれない。

がことごとくそれは妨害された。


まず、受験当日。

用意していたカバンのポケットに、受験票だけを入れておいたはずなのに、そこになかったのだった。

それも念入りに透明のケースの入れておいたのにもかかわらず、受験票がそのケースから抜き取られていたのだ。その受験票をカバンに入れたところも皐月さんと一緒に確認までしていた。

それにもかかわらず、受験票だけカバンの中から抜き取られていた。


それを知ったさつきさんも本気でびっくりしていたので、反応からして皐月さんではないし、風子おばさんだって、私のことを心から応援していた。


ということは…やっぱり一番可能性がでかいのは亮子だ。


これまであまり亮子については詳しく語られることはなかったが、亮子はやっぱりいい性格ではない。


亮子も私と比べられるのが嫌なせいか、学校では私にわざわざかかわってくることはない。

そして、同じ苗字でも私と自分が親族だとかわざわざ公表もしていない。

こういうところだけは曜子と違って助かっていたが…。


「お前、3組と白土亮子とはいとこ同士なんだってなー。」


と言わんもいいことをバカな担任がそれをHRで暴露したのが原因で結局バレて、



「ちょっと!あんたのいとこ何とかならないの!?」


といった具合にすごいとばっちりを食らうことになった。


何と曜子だけでなく、亮子まで普通の子ではなかったのだった。

それも3組の子だけならともかく、うちのクラスもだがなんも関係ないはずの2組からも文句言われるのだ。


何事だ?と思ったら…。


「うちのクラスの大黒君と日比野君にちょっかい出さないでとあんたから言っといてよ!」


「あと2組の能丸君もよっ!」


「それから、あんたのクラスの小高君と周君と山崎君とあんたと仲がいい工藤君も、あいつ狙ってるらしいから、気を付けるように言っといてよ!」


っていう感じだった。



「え?何?どういうこと?」


彼女たちは私にそれを言うだけ言って去っていったのだった。



「ケンが狙われてるって……?」


と言いながら呆然としていた…。



「もう、星子ってそういうとこ鈍いなー」


「え?」


「ホンっとなんも判ってないのねー。」


「うんうん」


歩美たちは、あの件があってからも変わらずに仲良くしてくれているけど、私は歩美たちが言ってることが何のことなのかさっぱりわかってなかった。


「今、名前が出た男子。みんな女の子たちから人気がある子ばっかりなのよ。」


「え?」


「つまりは「私の男にちょっかい出すな!」と言っているようなものよ。」


「そうだったのーーー!?」


「そうそう。」


「で、星子が来たばかりの時も、あんたとケンが異常に仲が良かったじゃん。」


えっとそれはそれで、何とか気づかれないように頑張っていたはずなんだけど…。


「ああそれだとなんも判ったないみたいね…。」


「あの件を何とか風化させるの。実は私たちも苦労したのよ…。」



「えー…ごめん…。誰も気づいてないかと思って…。」


本当にそう思っていたが、やっぱり女子の世界はそういうわけにはいかないようだ。


「そんなことだろうと思ってたよー。あんたホントに無防備だったし…。」



「で今度は、あんたのいとこがそんな状態らしいけど、どうするの?」


と問われてしまった。

正直、亮子の事なんてどうでもよかったりするのだが…


「私、星子ちゃんのことは友達だから全力で阻止したけど、あの子のことはなんも義理もないからなー。」


と真理。


「まぁあんたの場合は、ケン一人の問題だったから、簡単に事が運んだけど、いくら私たちがあんたに手を貸したところでも無理だわ…。」


「え?あの子何をしたの?」


ホントそれ疑問だった。


「あの子ね。もうイケメンキラーという通り名がついてるほど、男をたらしこむのがうまいっていうむのがうまいっていううわさになっているのよねー。」


「えーーーーっ!!?あのブスがーーーー!?」


と私は思わず叫んでしまった。


「あ」


私はあわてて口を押さえた。



「あははははー星子まじうっけるーーー。」



ホント思わず口にしてしまった悪口にしまったーと思ったら、まわりはなぜかみんな大ウケしていた。


「まぁ確かに星子の言うとおりだ。」


「そうそう」


「でも、だからこそなんだよね。女の子たちがああなるのは…。」


まぁブスのくせに生意気だー!みたいになるよねー。


「でもそんなにもあの子って男子ウケがいいの?ほんと信じられないんだけど?」


「そうなのよねー。実は私たちもなんでなのか?ホントにわからないのよねー。」


「特に3組の大黒鈴太なんて、すっごく仲良くしてるらしいのね。」


大黒鈴太。

成績優秀、運動神経も良好、容姿だっていい。

ただ性格が普段は友好的な態度で人に接するが、根はすごく負けず嫌いでプライド高いらしく、そこがネックだと聞いている。


私的には成績においては負けたくないので張り合ってはいるというだけの接点でしかない。

他は性格的な問題で関わるとめんどくさそうなので、関わりを持っていないし、はっきりいって私もこいつに勝てればうれしい思うだけのどうでもいい奴だ。

それに成績だけなら、だいたい勝ててるので問題はない。

それに奴はさらに聞いた話だと母子家庭らしく、塾に入ってないらしい。似たような環境でその成績をとれているとのことなので、前のライバル蒼依とは違って純粋に対等な競争相手といえよう。


しかし亮子もそんなめんどうくさい男をいとも簡単に操れちゃうなんてあるいみすごいかもしれない。


そんなどうでもいい奴と亮子のために私が動くなんて、時間の無駄でしかない。

まっぴらごめんだ。


「これ…無視じゃダメなの?」



「まぁ無視でいいと思うんだけどねー。」


「たださ、巻き込まれるのはごめんじゃない?」


そういうことだ。

どうでもいいから、そんな面倒くさいことには巻き込まれたくない。

というか、私は誰が誰を好きかとか、女子同士の男の取り合いにはさっぱり興味ないのだ。


おまけに、色恋沙汰問題に関してはおそらく誰より鈍くて苦手だ。

自分がその渦に巻き込まれないだけで精一杯である。


で、今回その亮子のせいで巻き込まれつつあったという事実を知った。


「でもこれさ、私は関係ないよね?私じゃなくて亮子に言えばいいのでは?と思うんだけど…」


と言ったら…



「あ、ね。」


「その亮子さんに直に言ってもどうしようもないから、星子に言ってきたんじゃないの?」


ああホントくそ迷惑だ!


こんな経緯もあって、私は風子おばさんに無理言って中学受験を受けることにしたのだ。

それもやっぱり私立では負担がかかりそうなので、国立だけに絞って。


それをだ。当日受験票がなかったのだ。

それにかけては本当に困った。


自分が本当に被害にあってから気づいたのだが、

亮子は、普段は大人や男の前でだけはブリッコしてるのだ。


それで女子からの評判は最悪なものだった。

まぁ、受験票隠される前から、そんなことはさすがに知ってはいたし、それが原因で受験を受けようと気になったのだが、まさかそこまでやる奴とは思わなかった。


曜子は天然で迷惑者だが、亮子の場合は明らかに悪意がある迷惑者だ。


曜子と違って学校では関わってこないのは大きな利点ではあるが、忘れたころに地味に嫌がらせしてくるのは正直きつい。


受験票はなくても結果的になんとか合格はできたが、届いた合格通知は勝手にゴミ箱に捨てられていたし、その後の手続きもなんとか一応できたのだが、入学辞退の連絡を勝手に電話でしたらしく、結局、私の合格は無効になってしまったのであった。


いったい、なんなんだ?この女は!?


さすがに私の合格を無効にしたことは、風子おばさんにもバレて、さすがニフコおばさんも切れて、亮子に注意してくれたものの…


「私!この子と比べられるの嫌なの!!?」


というわがままを言いだした。


というか風子おばさんも、私をあんたを比べてなどいない。


むしろ、同じ学校に同じ苗字同士で通うことになると、周りから余計に比べられることになること判ってるのかな?この女?

というか、あんたの成績よくて中の中で、悪いと下の上まで落ちるやん。あんたがそれ以上の成績とっていたとこなんか見たことがないよ!

それでいてよく、あの私と張り合える優等生の大黒鈴太といつでもいちゃいちゃしていられるのが不思議なぐらいですわー!と思えるぐらいなのに、なぜ私を他の学校へは行かせない姿勢をとるのかが意味不明だった。

せめて私と違う学校であれば、比べられることはないだろうし、私だってあんたのめんどくさい騒動に巻き込まれないで住んで、お互いいいことだらけなのに。



ホントバカな女だ。



まぁこんなことするからには、どう考えても私は何らかこの女から利用されているのだろうけど、鈍い私はまだこのことに関してはなんも判っていなかった。



そして今、私はその亮子と同じ公立の中学に通っている。



「星子やっぱすごいねーーー。」


「一番じゃん。」


「ああ、まぁね…。」


中学に入ってからはだいたい学年1位だ。

多分蒼依がいたら、そう簡単には一位など取れないが、あいにく蒼依はいまだに引きこもりで立ち直れないらしい。そして言うまでもなく、あの大黒鈴太は今回7位で余裕で勝てている。

大黒も一番最初こそは1位2位を毎回争うほどの状態だったが、1年の夏休みに亮子と付き合うようになって、今では一応毎回一桁順位には入るが、私には追い付かなくなってきている微妙な順位だったりする。



「ねーね。今回の二番の人ってさー。今までランクインした人の中にいたっけ?」


と真理が言った時だった。

私はあいにく自分のことと自分が大黒に勝つことしか興味がなかったから、他のことはなんも覚えてなかったけど、今回の2位ってマジそうかいい?って今回初めて注目してみた。


宮沢太暉…


聞いたこともない名前だ。

誰だろう?7組の人らしい。

私は2組だから、全然知らない人だ。



この時は、私もまだ遠い存在と思っていたが、そうはさせてくれなかった。


この三日後。



私はこの人から、告られた。



「あの。ごめんなさい。私そういうのは…。」


「君に勝てないとやっぱりだめなのか…?」


「そういうんじゃなくて、そういうことはまだ考えられなくて…その…そんな状態じゃ迷惑になるかと思って…。」


と言って断ってしまったが…。


「そうなんだね…。ごめん。こっちも困らせてしまって…。」


と言って、その件に関しては終わったと思った。


しかし、これだけでは終わらなかったのである。




ある日。家に帰ってきたときにとんでもないものを見てしまった。



ああ、亮子がまたか…と思った時だった。



なんと、大黒を連れ込んでまたいちゃついてるかと思ったら、



「…ん……んんっ……。」


なんと、堂々とリビングでキスをしていたのだ。


それも彼氏であるはずの大黒ではなく、宮沢と…。




”タン……”




私は思わずカバンを落としてしまい、その音が部屋全体に鳴り響く。

その音に気付いた宮沢はこっちを向いて、びっくりした顔をしていた。


「白土さんっ!!」


と私を呼んでいたのか?亮子のことをいっていたのか?わからないが、宮沢は白土さんと言っていた。

私はもう何も持たないまま外に飛び出して行ってしまった。


なによ。



私に告っておいてすぐになんで亮子とそんな仲になってるわけ!?


意味わかんない!!?



初めて告白を受けて戸惑ってはいたけど、初めて告白を受けた相手があの結果とは…。

いくらふった相手とはいえ、なんかショックだった。



そしてどれだけ走ったのか?わからないがいきなり…。




ドンっ!



と思いっきり人にあたってしまった。


「あ、すみません…。」



と当たった相手を見るとそのいきなりぶちあたった相手が、



「いってぇなー!ちゃんと前見て動けやっ!」



悪かった。


「…ご、ごめんなさい…。」


なんと、亮子と同じ5組の能丸哲平だった。

確か、この人も亮子が目をつけていたイケメンのうちの一人だ。

それもいつも亮子の周りにいる取り巻きの一人でもある。

なんでか判らんが亮子の周りはキャラは違えどなぜかイケメンばかりが集っていて、大黒みたいな優等生でも能丸みたいに不良でも、顔以外は全く普通でしかない日々野でも一緒につるんでいるのは不思議でしかない。


そして、私は…この日…。


思いもよらないことが起きるのであった。

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