↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/96

キンキン恐ろし破壊人

あれから2週間たった。


亮子が転校性として迎えられた。



運がいいことに私は1組で亮子は3組なので、クラスは判れた。

問題は、この白土という苗字だ。

せめて白田とか白川だったら目立たないのだが、あまりこの辺りじゃ聞かない苗字ゆえに、また親族扱いされて面倒なことに巻き込まれやしないかとひやひや者だったりする。

それも同じ苗字同士であり、途中で入った転校生同士でもある。

もう共通点的に怪しさ満載なところが厄介だ。

そりゃ亮子も今まで、母親と離れて暮らしていたという複雑な事情を抱えているが、かくいう私も実は容姿だという事情を抱えている。ホントそこまでも訳アリ転校生同士なのだ。

かといって、あのまま琴金姓を名乗るか?と言われれば、それは余計にイヤである。琴金なんて苗字、はっきり言って白土よりも目立ちまくるではないか。それもあの大嫌いな曜子と同じファミリーネームでいること事態が嫌だ。


ああ、いっそ皐月姉ちゃんの名字になればよかったと今更ながら後悔してるぐらいだ。

あとのなって聞いた話で詳しいことはよく教えてくれなかったのだが、風子おばさん曰く「それはあの時点では無理だった」らしい。まぁ今更、言っても仕方がないことなので、ここは事を荒立てずにおとなしくやり過ごそうとすることにした。



「ねぇねぇ、3組っていきなり転校生がきたんだって」


「この時期に珍しいわよねー。」


亮子がここに転校してきて三日目の今日。

我々6年生の間ではその話題で持ちきりだった。


どんな子だろうとクラスが違うにもかかわらず、わざわざ見に行く子までもいた。


まぁ私と亮子は一応血のつながりはあるとはいえ、さっぱり似てない。

体型だって、あちらはぽっちゃり系のちょいデブ体系だし、だれに似たのか?若干カバ系な顔をしている。正直、かわいいとは言えない。はっきり言って実母の風子おばさんの方がかわいい感じはある。

でもまぁ、顔のパーツの形のところどころとかは、風子おばさんに似てるところもあるがどう見てもお父さんの遺伝子が強そうだ。(風子おばさんの旦那さん見たことないけど)


そして…



「なんか、あまりさえない子だったわねー。」


「口数少ないしさ。」


「でも、まぁ女の子らしい子じゃない?」


「あーね。あれでもうちょいかわいい子だったらよかったのにね。」


なんていううわさ話が流れていた。


まぁ亮子がおとなしくても仕方のない話だ。

亮子もここまで来るのに命からがらやっとの思いできたようなものなのだから。

一応、亮子のおばあちゃんらしき人から、ここまでくる交通費は出してもらえたが、途中でスリにあって持ち金全部なくして、その挙句にさらに何らか騙されたことがあったらしい。そして歩いたりヒッチハイクしたりして約三日ぐらいかけてようやくたどり着けたぐらいなのだから…。

私みたいに隣の学区からバスを使って逃げてくるのとは、本当にスケールの違いすぎる話で、これ以上深く聞いたらいけない気がしてきたぐらいだった。


亮子自身、こんなひどい目にあったというのに亮子が前にいた家の者は知らん顔なのだから、ホントひどい話である。


とはいえ、こんなひどい目にあってきたというのに今日までおとなしくしていてくれただけでも、亮子には感謝していた。むしろそこのところは曜子よりかはずっとまし思えていた。



そんな時にだった…。


「あーいた。もう一人の白土さん。ねーあの子じゃない?」


とよく知らない声が聞こえてきた。

その声に反応してはいけない予感はしたものの、なぜかそういう時に限って、その声がする方を振り向いてしまった。




「あー、やっぱりあの子が白土さんだー。」


「おーい、白土さーん。」


本当に私とは今まで一切接点のなかった3組の女の子たちがそこにいた。

その子たちは全く知らない子だが、その子たちの後ろからひょっこり現れたのは…。



「お姉ちゃん」



あの曜子だった。


なんでここに…?


てか、あんたは他校生でしょ?それに今日は平日だから、学校だってあるはずでしょ!?

なんでここにいるの!!?


私はもう声も出なくなっていた。



「よかったねー見つかってー」


「転校生の白土さんが1組の白土さんじゃない?と言ってくれたから、助かったわー。」


「ホントホント」


「でもなんで、転校したばかりの白土さんが、もう一人白土さんがいるってわかったのかなー。」


「さー。てかあんま興味ないー。」



と口々に言って、曜子だけそこにおいて3組の女の子たちはそのままさっさと自分のクラスに帰っていった。


亮子のせいかよ…。


ていうか、あの様子だと曜子!また面倒だと思われることやらかしたなーーー。

こいつなにやらかしたんだろ!?


だから亮子も曜子をここにパスしたわけだ。


よりにもよって、学校変えてもいちいち会いに来るなんて、ホントこの子なんなん!!?

いい加減にしてくれや!!



「ねぇお姉ちゃん?お姉ちゃんなんだよね?」


そういいながら曜子は私に近づいてくる…。


私は必死で顔を横に振る…。

曜子の姿を見ただけでもう、恐怖で声も出ない…。



「ねぇ…なんで?」



やめてこないで…。



「星子ちゃん…?」



すぐ隣にいた蒼衣が私の名前を出してしまった。



「やっぱりおねえちゃんじゃないの!」



もう言い逃れはできないかもな状態だ。

私の体は震えている。


「大丈夫?星子ちゃん?」


蒼衣が私を心配してくれるのはわかる…。


でも…でも…こんな時に


「・・たしの名前……をだ…さないで……。」


「…え?」


こんな時に私の名前を言わないでほしかった。

うまいこと聞こえなかったっぽい…。




「どうしたのっ!?しっかりして!星子!!」



とうとう、蒼衣にはっきりした声で自分の名前を呼ばれてしまった。


多分、曜子にもはっきり聞こえてしまったことは確定した。



「星子お姉ちゃん!もう曜子のことを無視しないでっ!」



曜子のキンキン声が教室中に響く。


もうその声聞くだけで感情が抑えきれなくなってしまった。



「うわーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」



私ももう、ここで理性をなくしてしまった。



それを何を勘違いしてか曜子は…



「よしよし、お姉ちゃんもう泣かないで。曜子がいるからね。」



とまるで幼子をあやすかのような態度で私の頭を撫でようとしてきたので



「さわるなぁーーーーーーーっ!!」


と思わず叫んでしまった。


「…え?」


曜子はすごくショックを受けているようだった。

さすがにここまで言われたことはなかったのだろう…。


「てか、私はお前のお姉ちゃんなんかじゃなーーーーい!!私に関わるなーーーーーーっ!!」


私はもう狂うしかなかった。


こいつから逃げるために本来の家族とは別居生活になったというのに。

こいつから逃げるために小学校生活後半だというのに転校までしたというのに。

こいつから逃げるためにわざわざ、琴金家から籍まで抜いて他人になったのに。



なんでこいつは…?


なんでこいつは…?


なんでこいつは…?



「なんでお前は私の生活の邪魔ばかりするんだぁーーーーー!!?

私はお前さえいなけりゃ幸せなんだよーーーーーーーっ!!」


「…お姉……ちゃ…」


「お前と私は他人だぁーーーー!二度と関わらないでぇーーーーっ!!」



ともうめちゃくちゃだった。


「ちょっと星子ちゃん落ち着いて。」


「一体何があったの?」

「あーーーこの子どこかで見た気が…。」


もう歩美たちまで巻き込んでしまっていた。

確かに歩美たちはほんのわずかではあったが、保育園のイベントで曜子のことを見ていたのだ。

あの曜子の悪目立ちはあの当時、保育園イベントに来ていた人なら、だれもが覚えているぐらいだろう。

まだ、辛うじて思い出していないのは幸いかもしれない。


「うるさーーーーい!私はこいつのことが大っ嫌いなのーーーーーーっ!!」


「ちょ星子…。」


歩美はすでにこれはもう止められないということは察した感じだった。


「…お姉ちゃん……曜子のこと…嫌いなの……?…曜子……お姉ちゃんに触っちゃいけないの……?」


もう曜子は、今にでも泣き出しそうな、周りに同情を誘うような声でボソボソ言っていた。

そんなボソボソ声でもなぜかエコーがかかっていてまた気持ち悪い…。


「そうだよ!わかったら、その声でしゃべるなぁーーーーーっ!!マジキモいんだーーーーー!!」


と叫んでいた時だった。


「星子。とりあえずおちつこよー。」




「そうよ!こんな小さい子相手に可哀そうよ!」



と蒼衣がそれを言った時だった。


私はこの時何もかもが切れた。



「ふーーーーん。なにそれ!?マジうっざいんですけどーーーーー」



「え?うざいって星子ちゃん?」


「てか、うざいからうざいいってるのよっ!うざいやつにうざいいってなにがわるいんよっ!!ああんっ!!?」


「私がうざいの??」


「そうよ!いくらあんただからと言って、私はこいつのことに関してだけは、どんなことであろうと絶対に言うこと聞けないっ!!」


「そんな…。」


曜子はもう何時あの爆音で泣き出してもおかしくない状態だった。


「そんな冷たいこと言わないで。いつもの星子ちゃんらしくないよ。」


曜子が辛うじて泣いてないのは蒼衣の甘すぎる態度で保っているようなものだ。


「悪いけど、だれが何と言おうが私はこいつとだけは関わりたくないのっ!!」


「ちょ…」


「私はね。こんな超ウルウル(超ウルトラうるさいという意味)すぎるいうことを自覚すらない奴のことを気遣えるほど、お人よしじゃないの!!私にだって限度はあるの!!」


「それでも、あなたの妹なんでしょっ!?」


私は蒼衣のこの言葉に、もう蒼衣とはやっていけないと思った。




「そんなにもいうなら、お前がこいつの面倒を全部見ればっ!!私はもう知らないっ!!」



と言って、私はこの日はそのままかばんをもって勝手に学校を早退した。



そのあとの教室のことは何も知らないが、蒼衣は翌週から不登校になっていた。


どうもケンや歩美の話によれば、蒼依は本当に曜子の面倒を見る羽目になってしまったらしい。

蒼依はあの後、曜子に付きまとわれ、家まで毎日押しかけられたらしい。


だから言ったのにホントどこにでもそういうお人よしはいるものだ。


そしてなんで、今更担って曜子がわざわざ明治里小まで来たかといえば、栄太曰く、曜子は学校で仲良くしてくれる子はやっぱり誰もいないときいた。学童でも集団遊びの時間以外で曜子を相手にしてくれる人はいないといううわさが流れているらしい。

まぁ本人目線やっと仲良くなれたかと思ったら、転校してしまったり、通学班などのグループ抜けをいきなりされたり、はたまた蒼衣みたいに不登校になって引きこもってしまう状態だと聞いた。

先生たちも藤原先生とか曜子のお気に入りの先生はやめたり来なくなったりで、担任も変な時期に変わっていったりしてたらしい。




はっきり言って曜子の周りはここまで、めちゃくちゃ状態になっているのだ。


こんなめちゃくちゃな奴に無理してまで関わろうとすること事態が気がしれんのだ。


残念だが、今回の蒼衣の件は蒼衣の自業自得でしかない。


私もやっといい友達ができたと思って心から喜んでいたが、まさか曜子のせいで友情が壊れるなんて、本当に想定外だったとしか言えない心境だ。

私にはもう、普通に友達ですらできないのか?とすら思えてきてしまった。


でも、曜子に関わることでの意見が食い違ってしまったのなら、それは私にとって譲れないことだから、今回のことは仕方のないことだった。


蒼依はそのことがあってから、ショックで二度と学校には来なくなった。


それだけである。


ちなみに曜子は、自分とは無関係な学校に勝手に潜入したということできつくしかられて、明治里小学校へは出入り禁止となったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。