↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力タンクと蔑まれた魔法使い、魔力で強くなる魔剣を拾う  作者: マコト
セントシュタット編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/142

サーニャ・ハウメル

就活の都合上、少し遅れてしまいました。

申し訳ございません。

 戦いが終わった。


 前線となった城下町は甚大な被害を受け、王城に関しても決して無傷とは言えなかった。人的被害もまだ全ては確認されていないが、分かっているだけでも五千人以上の死傷者が出ている。最終的には、万を超える被害になるかもしれない。


 復興に向けて動き出してはいるが、戦いの傷が癒えるのはまだ先になりそうだ。


 俺はヘインズさん用意してもらった部屋で、サーニャと一緒に付きっきりで師匠の看病にあたっていた。


 城の衛生班とティルに診てもらったところ、魔法による大きなダメージを受けた後、一旦は治療を行なった跡があったそうだ。しかし治りきらない内に無理をしてしまったせいで、身体的に大きな負担がかかってしまったということだった。


 ダンタリオンとの会話を思い出すと、このダメージを与えたのはオリアス――つまり、聖地を守っていたはずの大僧正アークプリーストだ。一体何があったのかは分からないが、そいつが魔物たちを手引きしていたということだろうか。


 何にせよ師匠が目を覚まさないと詳しい事情を聞くこともできない。そんな焦燥感に駆られながら数日が過ぎた。そしてダンタリオンを倒してから三日後――。


「む……むぅ」


「師匠!?」


 遂に師匠が目を覚ましたのだ。


「師匠、俺が分かるか!」


「バカもん、耳元で叫ぶでないわ……。そんなに声を出さんでも聞こえとる」


「ご、ごめんつい……。でも、本当に良かった」


「まったく……あいかわらずじゃなお前は」


 そう言う師匠の顔色はまだ優れなかったが、目には生気が戻っていた。


「あの、お加減はいかがですか?」


 そして俺と一緒に看病していたサーニャが、どこか遠慮がちに尋ねた。治療は彼女に任せっきりとなってしまったから、容態が気になるのだろう。


「貴女様は、もしや!?」


 師匠はサーニャを見て目を見開いた。その反応で何となく察することは出来たと思うのだが、念の為紹介しておいた方が良いだろう。


「師匠、彼女はサーニャ。俺たちの仲間で、ティルが言うには聖女様の血を引いているらしい」


「はじめまして、サーニャ・ハウメルです。聖女様の血を引いているかは自信がないのですが……」


「……フリッツと共におられたとは、これも聖女様のお導きですかな」


 サーニャを見て頷くと、師匠は何かに祈るように目を閉じた。やがて大きく息を吐くと、その体をゆっくりと起こした。


「ちょっ、師匠! 無理するなって」


「そうです! まだ完全に治りきってないのですから……」


「セー……いえ、ワシのことはお気遣いなく。それよりもフリッツ、ティルヴィング様とセントシュタットの者を呼んでくれんか。聖地の現状を説明せねばならぬ」


「わ、わかった。直ぐに呼んでくるからちゃんと寝ててよ。サーニャ、師匠を頼む」


「はい、お任せください!」


 あまり待たせると勝手に動き出しかねない。ティルは問題ないけど、セントシュタットの人は軍の一部の人を呼ぶくらいにしておこう。


 ※


「ガザック様、ご無事で何よりでございます」


 セントシュタットの軍部代表として連れてきた内の一人であるメディナさんは、師匠が目覚めていることを確認すると跪いた。


「お主は確かメディナじゃったか? そなたも息災なようで何より」


「有難うございます。目覚めたばかりのところ大変恐縮なのですが……」


「分かっておる。聖地のことじゃな」


「はい」


 メディナさんが答えると同時に、第一師団長と第二師団長であるヘインズさんも頭を下げた。最大国家であるセントシュタットの、さらに軍上層部の人がここまで気を遣うなんて。あらためて聖地の大魔導士というのはすごい存在なのだと実感した。


「聖地のことを語るのであれば、そうじゃな。まずはセーラ様……いえ、サーニャ様でありましたな。貴女様が生まれた時まで遡る必要があります」


「セーラ……それがわたしの本当の名前ですか?」


「はい」


 サーニャの質問に頷き返し、師匠は話を続けた。


「セレスティナ様のお子が生まれたことは、ごく一部の人間しか知らされておりませんでした。何故なら聖女の血を引く者は、必ずや魔物に狙われますからな」


 たしかに今回もダンタリオンがサーニャを狙って襲撃してきた形になる。限られた人間にしか情報を明かさなかった聖地の判断は、妥当だったと言えるだろう。


「ですが聖地に身を置けば、いずれ魔物に悟られる可能性がありました。そこで聖女様は密かに赤子を安全な地へと送り、そこで平穏に暮らせるようにと考えたのです」


「だからペスタの村の村で拾われたんですね。じゃあ、わたしを村まで運んでくれた女性は……」


「彼女は聖女様が最も信頼していた侍従でございました。安全な土地に移った後は乳母となり、貴女様の成長を見守るよう命を受けておりました。その者の名前はサーニャ・ハウメル。そう、貴女様が今使っておられるお名前です」

お読みいただきありがとうございました!

次回の更新は2~3日後の19時前後の予定です。


お話には関係ありませんが、タイトルをもっと「なろうらしい」キャッチ―なものにしようか悩み中です。前に一度変更してますし、あまりコロコロ変えるのもどうかと思いますが、何か良さげなものが思いついたら章が切り替わる段階で変えてみるのも良いかと思っております。


もし「こんなのがいいよ!」とか案がありましたら、感想などで提案して頂ければ幸いでございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] サーニャの過去が明らかに。 題名は私も自信がなく、お役に立てず、申し上げです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。