5話 ソリティの村
「待て待てーい!随分可愛い女を連れているではないか.少し貸してもらおうか」
「やばいやばい,こいつ盗賊だ.金品や女を奪う盗賊だよ」
「しかし…奪うではなく貸してくれと言ってるんだが…」
「ほら…そこはさ,なんとなーく分かろうよ.借りパクってやつだよ,きっと.返すわけないジャーン.盗賊だよ?見るからに」
「人を見かけで判断するなんて,エリックをそんな子に育てた覚えはない!」
「いやね,まず,レオに育てられた覚えはない.そして,見た目で判断してリナを仲間に入れたのは〜どこのどいつだ〜い?」
「俺だよ!」
「そうだね.うん,よく分かってるじゃん」
「もしかして,またリナのせいで…」
「また?」
「はい,ゼリヤの村で捨てられたのは,リナがパーティにいると魔物や盗賊に襲われやすくなるかららしいです」
「おっと,意外な能力.しかしー俺たちにとってはーだいぶ…デメリット!」
「さぁさぁさぁ,早く渡さないと,お前らに大いなる災いが降りかかるであろう」
「ん?なんだ,急に胡散臭い占い師みたいなこと言い出したぞ?」
「大いなる災い…一体なんだというんだ」
「多分ね,タブンネ,あれ,ブラフだよ.で,そういう奴に限って結構弱い」
「いや,油断してはいけない.リナは俺が守り抜く!」
「レオさん!リナのために…そこまで…」
「あのさ,だからね,急にラブコメみたいになられてもね,こっちも読者も困るのよ」
「読者とは?」
「まぁね,読む人は少ないと思うけどね.うん,多分.でも仮に読んでくれてる人がいるんだったらさ,もうちょっとわかりやすーく展開したほうがいいと思うんだよね.ほら,俺たち基本会話じゃん?登場人物増えたし.心の声とかほとんどないからさ,読みにくいし,この話だとまだ会話しかないし」
いや,そんなこと言われてもな.
「急に心の声入れないの.それね,なぜかこっちもわかるシステムなの.なぜか,そうなぜか」
「そんなメタ情報を言ってもいいのか?自由すぎるぞ」
「だってー作者がー思いつきで書いてるんだからさ.しょうがないじゃん.ほら,別に文才ないし.ただの娯楽だよ?これ」
「おいおいおい,俺を忘れてもらっちゃ困るな.こっちも待つのは意外と苦痛なんだぞ」
「ほら,ちゃんと待っててくれたんだからさ.相手してあげよ,ね?」
「そういうことなら…やるか」
「よっしゃいくぜ!」
「あ,その前に,エリック.ゼリヤのレシートがあるから捨ててきてくれ」
「えーやだよ.あいつに行かせればいいじゃん.盗賊なんだし」
「そうだな.よし,いけ,エリック」
「結局俺かよーまぁいいか.ステルス」
「おりゃああ…あ,はい.ちょっと捨ててくるっす」
「随分とあっけない奴だな」
「流石エリック.最強の魔法使いだ」
「ちょっと待って.あのね,言っておきたいんだけど,まず,本編で最強って誰も言ってないんだよね.あらすじにも書いてあったけどさ,最強?って.いつの間に最強になったの?俺.まぁ最強なんだけどサァ」
「流石エリックさん.最強ですね」
「うむうむ,もっと褒めるがいい.俺は褒められて伸びるタイプだ」
「さ,行こう.次の村に」
「あれーこの話終わり?もうちょっと尺伸ばしてもいいんじゃない?」
「ぐわぁ!おのれ…この先の…ソリティの村には…行かせんぞ…がくっ」
次はソリティの村か.
ソリティアとかだったらありがたいんだがな.
ちょっと予想がついてしまった.
「ソリティの村ですか.確かそこは球技が盛んな村ですね.一度通ったことがあります」
そっちか!
スポーツオーの方か!
「ここはソリティの村.球技が盛んな村だよ」
「うむ,さっきリナが言った情報と丸被りだな」
「球技…ここなら最強のスポーツマンに出会えるかもしれない」
「あのさ,レオ.ちょっといいかな?今5話なんだよね.で,最初の2話はまぁ始まりってことで,普通だったけど,そこから1話に1人仲間になってるんだよね,現状.ってことは…これ,登場人物ハイスピードで増えていく系?」
「いや,仲間は4人だ.あらすじに書いてあった」
「おい主人公おい!お前はメタ発言ダメだろぃ!そんなネタバレあるかい!」
「だが,最近のアニメのOPではネタバレが多いのもあるぞ」
「まぁそうなんだけどね,うん.でもさ,それ主人公は知らない設定じゃん?設定というかそういうものじゃん?」
「だが,情報は大いに越したことはない」
「ですよねーさぁ行こう.武闘家アルフを探しに」
「盛大なネタバレですねー」
「展開的には早くて助かるが」
「多分盗賊のせいで尺がなくなったんじゃないかな?」
「盗賊のせい…というよりはその間の会話のせいだと思いますけど…」
「それは甘々な空間を作った二人が悪いんじゃないかな?」
「あの人じゃないですか?」
「おっと急展開.俺の疑問をかき消すような急展開」
「声をかけてみよう」
「すいません,あなたはアルフさんですか?」
「そうだ.俺が武闘家のアルフ,お前が勇者レオだな?よし仲間になろう.さぁ,次の村に向かおう」
「巻きすぎ巻きすぎ!状況知ってるのはありがたいんだけどさ.文字数的にこの急展開はどうなの?」
「この話はそういうものじゃないのか?」
「えっとね…うん,悪ふざけがすぎると思うんだ.まぁ主に俺が.でもさ,もう少し文字数稼ごうよ.これだと盗賊の方が尺とってたよ」
「そうだな.なら,何かスポーツをしよう」
「スポーツ?球技のことか」
スポーツという言葉がないとは,なんか異世界って感じになったな.
「なら,俺の得意な野球はどうだ?」
「いや,18人も集まらないでしょ?よく考えよ?」
「ならバスケで.それなら2on2ができる」
「バスケですか…突き指が怖いです」
「いや,リナは戦わないじゃん?突き指きにする必要なくない?」
「ならば…卓球はどうだ?」
「いいな,それ.ピンポンなら気楽にできそうだ」
「レオ,別に言い直さなくてもいいんだぞ?」
「テーブルテニスならリナでもできそうです」
「ほらーレオのせいだーレオのせいでこういうおふざけが始まるー」
卓球vsピンポンvsテーブルテニス
勝つのは誰だ!
「ちょっと待ってーこれさぁ,俺が知ってる…まぁ卓球でいいか.卓球じゃないんだけど」
卓球台は…円形でネットが中心から3分割するようにはってある.
これは珍しいな.
あるのは知っていたが見るのは初めてだ.
「あのさ,俺は?俺はできないの?」
「球技には…審判が必要だ」
「俺じゃん!?審判俺じゃん?何さっきの,フラグだったの?え,マジでーやめてよ.もぅ,そんな変則試合じゃなくて普通に2vs2でよくない?」
「いや,この試合に勝って…ピンポンが正しいと証明する!」
「あのさ,全部同じだよ?そういう勝負になったの?」
「エリックさんってふざけた魔法使うのに常識人って設定なんですね」
「今言うこと!?それ!」
結局,日が暮れても勝負はつくことはなかった.
次の日,筋肉痛になった腕でソリティの村を出たのであった.




