表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

第一章11 カエル親衛隊

 カテリナに魔法を習得させたのち、四人はエオタルムを出発し、沼地に向かった。30分ほど歩くと、足元がだんだんとぬかるんできて、空気も湿っぽくなってきた。所々にマングローブのような木が見られるようになった。沼地に入ったらしい。


「何かあります。」


 マリーが指をさした。見ると看板が立っていた。『注意!この先魔女の領域につき、会いたくなくば引き返せ。』と書いてある。


「いよいよだな。」


 カズキは顔を強張らせた。霧もかなり濃くなっていた。この視界の悪さでは、敵の発見が遅れる可能性がある。用心しなければ。


 と、しばらく沼地を進んだところで、ユイが言った。


「待て、この先に何かいる。」


 ユイのスキルは半径100メートル以内の敵の位置を察知する。このような視界が悪い状況では非常に重宝するスキルだ。


「敵か?」

「まだよく分からない。複数の生命体がこちらに向かっている。」


 カズキたちは武器を構え、少しずつ慎重に進んだ。


「あと50メートル。」


 まだ何も見えない。


「あと25メートル。」


 進行方向に複数の影が見えてきた。四人は臨戦態勢をとりつつ、少しずつ影に近づいていく。そして、ついにその正体が明らかになった。


 それは、身長一メートルほどの二足歩行するアオガエルだった。服を着て、武装していた。剣士の恰好をしているものもいれば、木こりの恰好をしているものもいた。


「ねえ、こいつらって・・・。」


 カテリナが言った。


「ああ、さっき町の人が、魔女は人間をカエルに変えると言っていた。こいつら、カエルに変えられた元人間だ。」


 すると、カエルの一人がしゃべった。


「何だお前ら。ここは魔女様の領域だぜ。用が無いなら帰んな。それともお前らも魔女様のファンクラブに入りに来たのか?」

「ファンクラブ?」

「おうよ。俺たちは魔女様のファンクラブの一員よ。魔女様はとてもお美しく、慈悲深いお方だ。俺らみたいなオッサンでも愛してくれるんだ。でも人間のままじゃだめだ。魔女様が大好きなカエルの姿になって初めて愛してもらえるんだ。」

「てことは、お前ら自分から進んでカエルになったのか?」

「ああ、そうさ。魔女様に出会った者はみな、魔女様の美貌に惚れ込んじまうのさ。」

「魔女が人血スープを飲んでるってのは本当なのか?」

「いや、そんなものは飲まねえ。ただ、魔女様は血のように赤いブラッドトマトのスープが大好きでな。きっとそれのことだろう。」


 カズキは拍子抜けした。魔女がさぞかし恐ろしい奴だと思っていたのが、まさかこんな真相だったとは。


「俺たち、今からその魔女を倒しに行くんだが。」

「何だと!?そんなことはさせないぞ!」


 カエルたちは武器を構え、敵意を剥き出しにした。逆鱗に触れてしまったようだ。もう対話の余地は無いだろう。


「いいか、みんな。あいつらは元人間だ。魔女を倒せば元通りになるかもしれない。峰打ちでいこう。」

「うん。」


 三人も武器を構えた。


「魔女様を守れー!」

「おーっ!」


 カエルたちが襲い掛かってきた。カズキたちは応戦した。元人間のカエルたちは戦闘能力はやはり落ちているらしく、パワーこそ無かったが、移動スピードとジャンプ力が格段に向上しており、カズキたちの攻撃を素早くかわした。


「くそっ!ピョンピョンはねやがって!攻撃が当たりゃあしねえ。」

「へへ!どこ狙ってやがる!」


 カズキたちは息を切らせた。このままやみくもに攻撃しても体力を消耗するだけだ。一体どうすれば・・・。


「相手はカエル・・・そうか、分かったぞ!」


 ユイが言った。


「何かいい策があるのか?」

「カズキ、カテリナ、こいつらに『熱風(ヒーターウィンド)』の魔法を使え!」

「あ、ああ、分かった!」

「分かったわ。」


 そう言って、二人はカエルたちに魔法を使った。


熱風(ヒーターウィンド)!」


 二人が叫ぶと、前方に空気の渦が発生し、そこから熱風が吹き出した。


「ぐあっ!」


 すると、カエルたちは急に動きが鈍くなり、苦しそうな顔をした。


「カエルは乾燥に弱い。範囲魔法である熱風(ヒーターウィンド)は回避するのは難しい。この魔法はここで使うんだ。」

「ナイスだ!ユイ!」


 マリーとユイは、動きが鈍くなったカエルたちに次々と手刀をくらわせた。カエルたちはバタバタと倒れていった。素晴らしい連携だった。やっとパーティらしくなってきたじゃないか。


「よっしゃー!制圧完了!」


 四人はさらに奥の魔女の領域へと進んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ