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メモ

四郎に聞かれた原蹴煤パラケルススは四郎に聞かれた話を認めて、出来ればそれらを作って欲しいと言ってきた。


望遠鏡、顕微鏡




 牛乳の方は農耕用の牛から搾り出した牛乳を貰うが量は少なくバターやチーズ、それにヨーグルトなどがまだ作れる量が確保出来ない事も心身の負担になってきた。





 そこで四郎は猪や鹿を捕らえて農場で肉食用に家畜化を目指す一方、原蹴煤パラケルスス達が持ち込んだ海外の作物の種子を生産する新実験農場をあえて水田に不向きな高原を選び、萱野高原の萱野惣郷にて行う事にした。








 萱野高原は標高が高い為、日ノ本人が好む米などの作物が育てにくく、高原の中で暮らす惣郷の者達は作物より牛馬を育てる牧場を主だった産業にしていた。





 萱野惣郷の名主桐原九紋次は日頃から近年武田家の改革により、米や主要作物の収穫量が上がってる話をよく耳にしていたので、それらの条件に当てはまってた惣郷を羨んでいたのだが、四郎からの使者が自分の所を訪ねてきて、高原での作物栽培を行って欲しいと依頼された時には驚いてしまった。





 四郎は、萱野高原のような冷涼な土地を好む馬鈴薯、甜菜、エゴマ、玉菜キャベツ、白菜、西洋人参、小麦、大麦、ライ麦、燕麦、蕎麦、稗、南瓜、大豆、小豆、蕪かぶ、大根、牛蒡ごぼうや漢方薬の材料となる物も作らせる事にした。





 生産の仕方や作物の特徴などは、前世の記録から引っ張り出して指南書を作り、高遠城に呼び出した九紋次達に未知なる海外の作物を作って欲しいと頼んだ。





 全部が全部未知なる作物ではないが、四郎が九紋次達に頼み込んだ品々は珍しい物が多く、これらを作ると食料事情や漢方薬の調達が改善されて、九紋次達領民にも大きな収入になるので、作物生産の手引きを行ってくれと四郎から伝えられた。





 また元々萱野惣郷では畜産が主だった産業だった事もあり、農耕用牛から牛乳を搾って乳製品を作る事も原蹴煤パラケルスス一行の為、四郎は指導する事にした。





 乳牛ではないので、大した牛乳が取れる訳ではないが四郎はいずれ乳牛を貿易を行って手に入れるか、品種改良で乳を多く出す牛を作り出すかを考えてる。





 また今年に入ってから高遠の木工職人と鍛冶達には円匙シャベルなる道具を百本以上造らせた。





 出来た試作の円匙シャベルは四歳の四郎は扱えないので、近習の小原兄弟に使わせてみるとザクザクと地面を掘り返せるのに驚きながらも喜んでいた。








「四郎様、この円匙シャベルなる道具は、鍬よりも楽に穴を掘り返せますな。」





「広勝兄上、この道具は狭い縦穴や横穴などを掘るのに鍬よりも使いやすでござる。」








 小原丹後守広勝と小原下総守忠国は扱いやすい円匙シャベルが、狭い場所での採掘に向いてる事を知り、農作業の他に鉱山や戦場での塹壕掘りにも向いてると四郎に伝えた。








 四郎は小原兄弟の感想が好評だった事に喜び、この円匙シャベルを鍬より安く値段設定して銅銭三十文で販売出来ないかと鍛冶や木工職人に聞いたところ、平にした鉄板を叩いて湾曲にする加工が必要なので、鍬よりも少し高い銅銭四十五文で売るのはどうかと聞いてきた。





 四郎は沢山普及たかったが原材料の鉄の単価がまだ高い為、仕方なく妥協して諏訪郡芽野鉄鉱山の生産量をもっと増やす必要と実感。





 とりあえず鍛冶屋に試作の円匙シャベル百本分の費用銅銭四貫五百文を支払って、それを新たに試験をやる萱野惣郷に使わせてやる事にした。





 四郎から円匙シャベルなる物を受け取った桐原九紋次は、奇妙な形の農具に最初どう使えば良いか分からなかったが、四郎が小原兄弟に手本を見せてやると、九紋次はその様な道具を貸してると喜んでいた。





 また木工職人には別に手押し一輪車を何度も説明を繰り返しながら、苦労して造らせた三台を萱野惣郷に貸してやった。





 するとちょっとした細い道などに荷物を載せて運べる事を理解した九紋次達は、これまた使い勝手が良いので気に入ってしまった。





 また一輪車に入れた消石灰などを畑に撒くのに円匙シャベルが重宝されて、早速その組み合わせの使用方法が惣郷内で広まった。





 また見たことない作物の種子を渡された萱野惣郷の者達ったが、四郎一つ一つの作物の特色とどのような物が出来るか前世の記録の中から教えてと、萱野惣郷の者達は大いに希望を持って農作業に力を入れる事になった。





おそらく最初は多くの作物は上手くいかないと思うので、作物の種子を全部渡すのではなく一部は残して萱野惣郷の者達に渡した。


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