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三州安祥城合戦⑦

 三河安祥城を半包囲してた今川勢一万四千と救援の為にやってきた織田勢七千余りが戦機が高まりつつあったのは、十月下旬の事だった。


 織田勢接近の報を知った今川勢総大将太原崇孚(たいげんそうふ)は、早速安祥城に対応する為に兵三千を残して、安祥城南の深田を避けて北側の雑木林が多く樹生している地区を選んで、織田勢迎撃の備えを行った。


 今川家は、幾度か安祥城を攻めた際に安祥城北の林の木々を大量に伐採し、救援に来る尾張勢に対しての馬防柵・虎落(もがり)を製作したり安祥城周囲の深田を材木で埋める為に使っており、伐採された林は視界が見通せる原野として地形を変化させていた。


 その上に織田勢牽制に上野城や大給城を落した武田勢や今川勢には、尾三国境に兵を動かして織田方への牽制を命じた。







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