表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただの領主が神様に勇者認定された件~植物研究のためだけに世界を守る~  作者: 雲英侑李


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/72

第60話 ただの領主が魔王からの宣戦布告を受けた件

帰ると遅い時間だったのもあり、アラはすでに寝ていた。


「おかえり。」


「ただいま。先に寝ててもよかったんだぞ?」


「私が起きときたかったの。何か進展はあった?」


「ミラン女王と情報を交換している最中にリア様が降臨された。」


「リア様が?」


「あぁ。一言でいうならかなりまずい状況だ。ざっくり説明すると、魔王サノイがいなくなったことで魔王間のいざこざがなくなったらしく、魔王たちが協力関係を築いてこの国を狙っているらしい。」


「サノイが?」


「アラも言っていたと思うが魔王の中でも嫌われていたらしく、その腹いせのようなものらしい。とにかく、一気に向こうが用意していた戦力を削ってしまった以上魔王が集結してもおかしくないだろうとのことだ。そうなると俺でも勝つのは厳しい。とりあえず明日、残りの魔物を討伐した後、ミラン女王と集めれる限りの情報のすり合わせをしよう。アラがいるおかげで魔王の情報もある程度は集まるはずだ。」


「頑張るしかないね。」


「あぁ。この世界を、というより俺としてはお前ら2人を失いたくないしな。」


「植物も、でしょ?」


「まぁ、そうだな。そろそろ寝るぞ。明日も朝から動くんだ。しっかり休んどけ。」


「うん、おやすみ。」


「あぁ。」


寝室に戻り、ベッドに横になると俺の意識はすぐに眠りにいざなわれた。




翌日はとにかく大急ぎでモンスターを処理した。昨日はマジクルスを東西で半分に分けた時、西側にいるモンスターを処理していたから今日は東側だ。ディアブロがかかわっているのか悪魔系統のモンスターが増えていたが難なく処理しきることが出来た。

それでも帰るころには日が沈み切っており、事前にコンタクトを取っていたミラン女王を少し待たせてしまった。


「遅れてすまない。」


「いいわ。今日はお二人も一緒なのね。」


「全員で話すべきだと判断したからな。ひとまず報告としては俺たちが来る前に確認されていた魔物は全て片付けた。」


「ありがとう。こっちも西側の調査をしていたけれど新たに強力なモンスターが出現している様子はなかったわ。」


「そうか。それじゃ、本格的な魔王対策の話をしたい。」


「そうよね。何から話すのかしら?」


「とにかく情報の共有だ。大まかなものではあるが魔王の情報はアラが持っている。とりあえずそれからだな。俺もまだ聞いていないが・・・」


「うん。魔王は全部で10人、ガメテ、サノイが討伐されてて、ボクはご主人と一緒に戦ってるから残りの7人だね。まずは知ってると思うけど、魔王ナスク。異世界から来た魔王で魔王の中でも最強、ほかの魔王全員でかかってやっと勝てるかどうかってくらい強いよ。魔法も近接戦闘も得意で、いくらでもモンスターを召喚できるし、どんなモンスターでも操れるね。」


「化け物だよな。」


「アラン王が最初に遭遇したという魔王ですよね?」


「あぁ。どちらにしろあいつは俺が単独で相手をするしかないだろう。アラ、ほかを頼む。」


「うん。次は魔王ディアブロ、悪魔系統のモンスターしか操れないけどこの世界で生まれた魔王の中では最強で、魔法が得意だね。魔法を使わなくても強いけど魔法だけで見ればナスク以上に強いよ。」


「ディアブロ・・・」


「伝説上の悪魔、災厄だな。」


「ここからがご主人たちは名前も知らないんじゃないかな?次が魔王ドーラ。龍王の異名を持つ魔王で、龍魔人だね。魔法は苦手だけど、近接戦闘がめっちゃ強いのと軍勢がドラゴン系の種族が中心なのもあって空中戦に持ち込まれてすごく厄介な相手だね。」


「龍魔人ですって!?」


「存在するのか?神話上の存在だと思っていたが・・・」


「いるよ。とりあえず次行くね。魔王トールと魔王リベルド。トールは雷の力を扱える最上位アンデッドだね。正確な種族は魔王たちにも隠しててよくわからないんだよね。リベルドは二重身(ドッペルゲンガー)の魔王。変身と魔法が得意だね。2人ともアンデッドの軍勢を中心に使ってくるし、アンデッド以外は扱えないからガメテとボクの次に弱く扱われる魔王だね。」


「比較的マシだな。」


「これまでの相手が悪いだけだと思うけど・・・」


「あとは、異世界から来た魔王ランと魔王リンだね。ランとリンは双子の植物をつかさどる魔精霊で、周囲にある植物を自在に操ったり、強力な魔法を使える魔王だね。元は純粋な樹人(トレント)だったらしいんだけど、魔族に捕まった時に魔精霊に変えられたって言ってたね。植物関連の魔物の軍勢を中心に使うんだけど、ほかの魔王と違って基本2人一緒にいるから軍勢の量も魔法も2人分飛んでくるから相手にするならナスク以上に面倒かも」


「植物の精霊、か。となると、おおよその対策は浮かんでくるな。軍勢を俺が一掃した以上魔王たちは総力を挙げてこの国を潰しに来るだろう。正面から軍勢を率いて仕掛けてくる魔王と戦力を分散させるため王都から離れた場所で行動を起こす魔王に分かれるはずだ。強力な軍勢を率いることが出来る以上ナスクが王都を1人で襲撃し、ほかがバラバラに行動を起こすだろうと読んでいる。」


「普通の戦争ならそう来るでしょうけど、そう正面から来てくれるでしょうか?」


「そこは相手次第だが、今すでに王都から少し離れた位置に探知スキルを備えた植物モンスターを風景に擬態させて等間隔で配置している。一定以上の魔力を持つものが通れば俺にそれが伝わる。魔王がこれにかからずに王都に接近するのは不可能だ。」


「いつの間にそんなことを?」


「モンスターを倒して回るついでだ。こうでもしないと襲撃してくださいって言ってるような・・・」


「どうかしました?」


まさか、モンスターを処理したとはいえこんなにも早く?いや、だがこれだけの魔力量、そしてこの魔力には見覚えがある。


「すまない。用事が出来た。アラとヒナツはここでかくまってもらっておいてもいいか?ミラン女王も不用意に動かないほうがいい。」


「何があったのです?」


「例の植物が強大な魔力を探知した。おそらくナスクだ。」


感覚共有があって助かったな。そうでもなかったらヒナツたちも連れて行くところだった。


「極力戦闘はせずに戻ってくる。だから、戻るまで動かないでくれ。入り口も固めておく。」


言い残し、俺は入り口を神蔦で封鎖、反応のあった場所まで一気に駆けつける。

向こうは探知されていることに気づいているのか動く様子はない。

いや、もう1つ反応が来た。同じ場所だな。それも王都側からだ。これまた強力な魔力反応だ。そこに俺も合流した。


「おっと、なぜここがわかった?勇者アラン。」


「さぁな。そんなでけぇ魔力ばら撒いてたらさすがに気づくだろうよ。」


「にしてはこの子との初対面では気が付かなかったようだがな。」


「それだけ高精度に魔力を抑えられたら、な。」


マジクルスに来た日に声をかけてきた例の少女だ。


「それで、やりあうのかい?俺たちは何も今戦争しようと王都に近づいたわけではない。勇者が来るという情報の確保のためリベルドを王都に忍ばせ、俺がわざわざ出向いたのは宣戦布告をするためだ。」


「宣戦布告?」


「そうだ。せっかくだし、勇者であるお前をメッセンジャーとしようではないか。我々魔王は総力を挙げて勇者アラン、そしてマジクルスを破壊しつくす。時は5日後、王都に加え主要都市5つを同時に襲撃する。せいぜい足掻いて見せるがいい。」


それだけ言い残すと消えた。空間転移だな。それがあれば国を堕とすことくらいたやすいだろうに。


急ぎで戻り、状況を説明した。


「そう。この国が戦場になるのは避けられないのね。主要都市となるとゼース、ルット、ブレコ、ミメン、ムムでしょうね。いったいどうしたら・・・」


「俺に考えがある。だが、かなり賭けにはなるがいいか?」


「いいわ。聞かせて頂戴。」


「まず、俺の作った植物で各都市で即時に連絡を取れるようにする。そして、ナスクは王都に来る前提として王都には俺が作った植物たちを時間を稼ぐための守りとして、魔王ラン、リンが確認された場所に俺が出向く。元は植物だ。おそらく俺のスキル対象だ。それが終わり次第王都でナスクと戦う。」


「それはわかるけど、ほかの都市はどうするの?」


「ボクも戦うよ!」


「もちろん2人にも出てもらう。魔王トールが確認された場所にヒナツ、魔王ドーラにアラを当てる。」


「単騎で勝てっていうの?」


「もちろん各街に軍は用意してもらう。だが、魔王に対しては1人で挑んでもらうことになるかもしれない。」


「軍に関してはもちろんそのつもりよ。」


「もちろん緊急脱出できるように用意はしておく。命を第一に考えてくれ。そしてここからは一旦話をつけてこないといけないが、魔王ディアブロが確認された場所にブレクルスをぶつける。」


「命の保証もないのに?」


「もちろん単独でとは言わないし、無策ではない。最後、リベルドが確認された場所はその場に用意された軍に王都にブレクルスからの軍勢を待機させて置き、それを転送して耐久してもらうことになる。それぞれの都市をつなげる次元門を用意するから、討伐に成功したら俺に指示を仰いでくれ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ