表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS爺、百合エロゲ―の世界のダンジョンに挑む  作者: 蒼井茜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/72

初潮

「なるほどなるほど……」


 初潮の事を伝えたら蓮野は何度か頷いてから部屋を出て行った。

 そして戻ってきた時は両手に生理用品の入った袋を持っていた。


「手取り足取り教えるけど、運動するならタンポンの方がいいわ。生理の間は大人しくしているならナプキンでもいいけど……どちらにせよ数は用意しておいた方がいいわね。学校で取り換える事もあるでしょうし」


「よくわからん」


「大切な事よ。冗談とか性欲抜きで言うわ。本当に重要だし、下手したら病気になっちゃうからね」


 いつになく真剣なまなざしの蓮野。

 確かに下心は無さ……なさそうなのかこれ。

 鼻の下伸びているんだが……。


「いやぁ、ついに命も女の子かぁ……感慨深いなぁ。成長が遅れてると思ってたけど……やっとかぁ……」


 泣いてやがる……。

 そんなに心配する事だったのか?


「あ、言っておくけど生理中は基本的にスキル、特に魔法系はコントロールが乱れやすいから気を付けて。命は軽い方みたいだけど、重い子はそれで校舎半壊させたことあるから」


「それは経験談か?」


「というか私が止めた。普段じゃ出せないような魔法ぶっ放して後者が半壊して、そこで私と先生がタッグ組んで魔法を抑え込みながら本人の魔法を止めたの。これが覚醒のキーになって強い力を使えるようになる子もいれば、逆に力を恐れて上手く戦えなくなる子もいるの。命は大丈夫だと思うけど……」


「そもそも敵対するなら殺す覚悟でやってるから問題ない」


「でしょうね……今更だけどスラムってそんなにひどかった?」


「そこに花びらが落ちているだろ」


 お見舞いに持ってきてくれた花、最近の病院じゃ生花お断りも増えているらしいが、ここは天照家の個人所有みたいなものらしくセーフだとか。


「そのくらいの頻度で人の手足や首が落ちてる」


「……最悪の環境ね。今度の集まりで報告して改善に努めさせるわ」


「改善はいいけど、好きでスラムに住んでる奴もいるから気をつけろ。そういうのはだいたい脛に傷を持っているか、現在進行形で犯罪に手を染めている。だからいざとなったら本気で殺しに来る」


「なるほど……警察の協力も必要ね」


「あと人質くらい普通に取るからやるなら即断即決で周囲を封鎖してからの方がいい。じゃないと市民に被害が出る。スラムなんて人間が徘徊しているダンジョンと変わらない」


「……酷い言い草だけど、経験者の言葉なのよねぇ」


 実際スラムよりダンジョンの方が治安いいんじゃないかと思うレベルだ。

 ちょっと排水溝漁れば薬物や拳銃が出てくる。

 そこら辺の壁に手を突けば血で汚れるし、足元の水たまりは雨よりも血の方が多い。

 子供も多いんだけど、その大半が生きる事に関してはエリートと言っていい。

 当時の私より幼い子供が身体を売って生計を立ててたくらいだからな。

 それに比べたらダンジョンのエロトラップなんて可愛らしいもんよ。


「あとこの後でダンジョン試験に関する調書があるけどいいかしら。私じゃなくて校長とかがいるんだけど」


「構わない。ただし妙な事を言うようなら……」


 糸を操ろうとして失敗する。

 確かに蓮野の言う通り制御が上手くいかない。

 例えるなら勢いよく水を流したホースのように掴み所が無いのだ。


「なるほど……」


「怪我する前に辞めておきなさいね。その糸を操るスキルも魔力由来だから」


「そのようだ」


「けどまぁ、これを置いていくわ」


「これは?」


 差し出されたのはイヤーカフスだった。

 鈍色に光っている台座にサファイアのような装飾品がはめ込まれている。


「録音の魔道具。種類が豊富で有名だけど、魔力を吸い取ってくれる効果付きだから常用している人は多いわ。特にレベルが高い人とか、今の命みたいに魔力が乱れている人は」


「それは助かる」


 耳につけると確かに暴風のようにあらぶっていた魔力が多少、マシになったように感じる。

 まぁ焼け石に水だけど。


「他にもいくつか吸い取る魔道具はあるけど、その様子だと使った方がよさそうね」


 じゃらじゃらと出てきたアクセサリー類を見て思う。


「私の装備は?」


「預かってるけど……正直制服の方は作り直した方が早いわ。それと防御用のイヤリングも壊れてるから新調しなきゃだし、武器を締まっていたベルトもズタズタで中身も取り出せそうにないから修理が必要よ」


「どのくらいかかる」


「そうね……制服は入院中に終わると思うけど、イヤリングとベルトはちょっと時間かかるわ。どっちも特注だから」


 確か防具として役割を果たしてくれるイヤリングは持ち主の魔力に呼応するるから、レベルが上がればそれなりの物が必要になるんだったか。

 低品質なもの使ってると持ち主の魔力が飽和して壊れると聞いた。

 ベルトの方も似たような物で、魔力で空間拡張するけど限界を超えると風船みたいに破裂して中身をすべて吐き出すらしい。

 その際吐き出されたアイテムが無事とは限らない。

 その事を考えて調節もするんだろう。

 なら、魔力が安定した時機を想定するべきで今は手出しできないわけだ。

 ……少し、手元が寂しいな。

 いや、寂しくないわ、じゃらじゃらと魔力吸収魔道具で着飾られて前よりも装備増えているわ。

 ……この指輪の量、メリケンサックになるんじゃないかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ