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TS爺、百合エロゲ―の世界のダンジョンに挑む  作者: 蒼井茜


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良い子も悪い子も真似しないように

 翌朝。

 げっそりつやつやな静江は重苦しい空気を纏い、一方アキラは風邪をひいて寝込んでいた。

 そりゃまあダンジョン帰りに風呂入って、飯も食わず女喰ってたらそうなるわ。


「命……ごめんなさい……今後はあなたの忠告はなんでも聞くわ……」


「今なんでもって言った? じゃあ今夜一緒に……」


「やめて……貴女まで百合の破道に堕ちないで……」


「冗談だ。ただその様子だと随分ひどい目にあった……というか、いい目を見たというか」


「色々初めての経験だったわ……いえ、誰かを恨んだりはしないし、犯人を警察に突き出すつもりもないの。家の事もあるから。だけどね……乙女だった頃の無垢な私にはもう戻れないんだなって……いずれ跡継ぎとかでそういう事もあると思ってたけど、学園のお風呂で初めてはどうなのって……もっとムードが欲しかったとか、相手をよく知ってからとか、最初は優しいキスからとか……」


 ダメだな、壊れたラジオになっている。

 元々自責志向の強い子だ。

 アキラや私に怒るのではなく、自分の望んだ形じゃなかった事以外に悔いはないようだ。

 だがそれでも……。


「静江、風の特効薬を知っているか?」


「そんなのあるの? ノーベル賞ものじゃない」


 ……この世界ノーベルいたのか。


「ネギを用意する」


「あ、料理ね?」


「それを肛門に突き刺す」


「は?」


「肛門に……」


「聞こえてたわよ! いや、なにその治療法……治療法? いや、ともかく。そんなので治るわけないでしょ!」


 静江の反論ももっともだ。

 だがしかし、いいくるめ技術で私にかなうはずがないだろう。

 スラム街で前世も今世も色々な相手に口八丁で戦ってきた実戦経験者だ。

 まだ道場を出てないレベルのいいくるめしか知らない静江とは違う。


「ネギは身体にいい成分が多いのは知っているな。特に風邪に効くとしてよく食べられる食材であることも」


「まぁ……そのくらいは」


「肛門は経口摂取より栄養価の接種率が高い。だから肛門アルコールなんかすれば急性アルコール中毒出ぶっ倒れるし、座薬は効き目がいい。つまりこの民間療法は全面的に理にかなっている」


「な、なるほど?」


「端的に言えば座薬の前座、そして風邪に特化した座薬を投与するための前戯ともいえる。ようは肛門を広げる方法だ」


「どうでもいいけど、あまり大きな声で肛門を連呼しないで……」


「じゃあ菊穴」


「生々しいからやめて」


 ふぅむ、潔癖だな。

 初めては終えたとはいえ、まだ生娘か。


「というわけでここにダンジョンでドロップしたネギがある。これをアキラのケツに突き立てて、しばきたおしてからおかゆにして食わせる」


「……なんか汚いわね」


「皮は向けばいい。古今東西汚れなど表面的な物に過ぎず、無い面は変わらない。今の静江が誇りを失わないように、どれほど汚されてもその芯は揺らがないのだ」


 ゴッと衝撃が脳天に走った、結構いたい。


「汚されてません!」


「じゃあ未遂?」


「いや、いくところまで行ったというか、いかされたというか……じゃなくて! ともかく女の子同士のじゃれあいみたいなものだからセーフ!」


 ほっぺにちゅー理論か?

 だとしたら範疇広すぎるだろ。


「ともかく、それでアキラさんの風邪はなおるのね」


「ほっといても治る。ただこの方が手っ取り早い」


 静江の復讐のためにも。

 そして世の中には報いがあるという事を知るためにも。


「アキラは物凄く抵抗すると思う。けれどダンジョンで鍛えた奴が風邪で制御の効かない状態、加減はしたらダメ」


「……そうね、それはその通りね。ちなみに経口薬を飲ませるのは?」


「それは時間がかかる」


 アキラのみそぎに。


「なるほど、わかったわ! ちゃんとアキラさんを看病してあげましょう!」


 なんていい子なんだ、ちょろすぎて心配になるぞ。

 こうしてこの後ごんぶとのネギを両手に抱えた私達はアキラの部屋に突撃した。


「ちょっ、そんな太いの! アッー!」


 悲鳴を上げて痙攣しながら悶えるアキラは……なんというか、こうはなりたくないの見本だった。

 その後は静江がおかゆを作ってあげてたし、私はネギ鍋を用意してやった。

 微妙な顔してたけど美味そうだったから良しとしておこう。

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