99.犬かき見たかった
「あ。貴族のニイチャン」
「おはようございます。貴族じゃないですよ」
「うっそだー。大人達、ギョーギよくしとけって言ってたし」
「不思議ですよね。――ヤマト・リュウガです。『貴族のニイチャン』は毎回否定することが面倒なので、それ以外でお好きに呼んでください」
「王族のニイチャン」
「なぜ。王族でもない流れ者ですよ」
上位者と見做した上で『ニイチャン』呼び。これは行儀が良いと言えるのだろうか……ドワーフとしては良い方なのかもしれない。
そう思いながら、しゃがみ込み子供達と目線を合わせる。貴族はこのような行動をとらないので、大人からの誤解は解けるだろう。と。
実際には鳴りを潜めるだけで、王侯貴族疑惑は一切解けていない。いつもの事である。
「今日はヴォルフと一緒なんだ? 迷子は飽きた?」
「一度で満足できたので。今日はヴォルフさんの依頼に付き合っています」
「滝で依頼?」
「はい。『滝壺の底に溜まった魔石の採取』だそうです。ドワーフは泳ぎが苦手のようですね」
「? 泳げるの、お金持ちで訓練を受けたヒトばっかだよ」
「カルチャーショックです」
「かる……?」
「私の祖国は島国なので、泳げる人の方が多くて。驚いています」
「へー。そーなんだ。ヤマトも泳げる?」
「そうですね。水に浮かんだまま、寝そうになるくらいには慣れています」
「……水の精霊?」
「え」
「ん、ぐっ」
黙々と準備運動をしていたヴォルフの笑いを堪える呻き。新たに『精霊疑惑』が生まれたが、寧ろ何故今までに生まれなかったのか……とヴォルフは不思議に思う。
あー、いや。こん前、ランツィロットが『精霊王』とか言ってたんだっけか。そういや。
『精霊王』イメージで写真撮らせるなら貰わねえと。老後の金策に。
完璧な造形美の“黒髪黒目”。冒険者どころか誰もが畏れ憧れるドラゴン・スレイヤー。
そんな存在の写真を最初から『老後の金策』と見做しているのは、唯一強く望まれた“友人”――確定させない『親友』で在るヴォルフだけである。他の者なら栄養失調寸前まで悩み抜き、血の涙を流しながら売却を決断する可能性が高い。
「精霊でもないですよ。――そういえば。ヴォルフさんは泳げるんですね」
「前のリーダー、水属性」
「なるほど」
水の特性を深く知る為に若い内に水泳を習得し、パーティーメンバーの安全の為に指南したと。恐らく独学での習得だろうなと察しをつけたヤマトは、しかしその予想を確認することはしない。特に確認の必要性も感じない。
ヴォルフは泳げる。その事実を知れただけで、満足。
「まあ。冒険者にはそこそこいるが」
「溺れ掛けて?」
「大抵、犬かき」
「ヴォルフさん早く。早く泳いで」
「依頼」
「私の期待を返してください」
「やなこった」
ヴォルフの犬かきを是が非でも見たいと急かすヤマトに対し、『依頼』だけの一言――『水流が複雑な滝壺の底に行ける奴が犬かきなんざする訳ねえだろ』との含み。
瞬時に汲み取ったヤマトは拗ねて見せたが、当然ながらばっさりと切り捨てられた。ヴォルフは口角を上げていたので、ヤマトで遊んでいたらしい。『犬かき』と言えば期待をすると。
案の定だった。分かり易い。
抱かせたその期待は、一切の躊躇も無く切り捨て。冒険者は本当に“いい性格”をしている。
「一応、なんですが。滝壺の水流、どのように攻略を?」
「底。剣ぶっ刺して移動」
「それ多分ヴォルフさんだけです」
「ランツィロットもイケんぞ」
「……――君達。こう云う正気を疑う危険行為を平気でする、イカれた冒険者にはなってはいけませんよ。狂気の沙汰です」
「冒険者に危険避けろってのも正気疑うが」
子供ドワーフ達に言い聞かせるヤマトを小馬鹿に笑うヴォルフは、しっかりと準備運動と柔軟を終えたので滝壺の淵へ。腰網を引っ張り、強度の確認は入念に。
「いってらっしゃい」
「ん」
短い返事だけに滝壺へ飛び込んだヴォルフは水流に乗り、物凄い速さで底へと吸い込まれて行った。その光景に、滝壺――『水』の恐ろしさを改めて認識。
両手に持つ短剣は初めて見たものだったので、水中専用に加工されたものなのだろう。少し興味を唆られる。後で観察させてもらおう。
「ヤマト、暇になった?」
「はい。お喋りでもどうです?」
「ジュース!」
「はい。これで買って来てください。私は麦茶で」
「やりィ! ムギ茶、りょーかい!」
汗を流す鍛冶師が多いドワーフ族。洞窟都市は涼しいが湿気はあるため、熱中症にならないように麦茶が生命線となっている――と棟梁から聞いている。麦茶の有用性が周知され、お手軽に『日本』を感じられる。
これはヴォルフ達曰く“ゲテモノ”と同様、とても幸運な事なのだと。過去の“黒髪黒目”達へ改めて感謝。
因みに。経口補水液も世界中に浸透しているらしい。そこかしこに根付いた“黒髪黒目”の痕跡。気付けたら嬉しいので、宝探しのような感覚で楽しんでいる。
「ヴォルフさん、肺活力凄いんだな。海女さん並かも」
水流に攫われ溺れている可能性を欠片も疑わないのは、実質個人Sランクで在るヴォルフへの信頼の深さ故。溺れた時は何かしらの合図を出す。その確信があることも、無闇に心配しない理由のひとつ。
てってけと戻って来た子供ドワーフ達から麦茶を受け取り、お釣りは「おつかい代です。後でお菓子でも買ってください」とお駄賃に。直ぐ様ひとりを残しお菓子を買いに行ったので、やはり子供は面白いなと笑ってしまった。
「なに話す?」
「んー、そうですね……うん。この滝、豪雨で増水しても危険ではないのですか?」
「ごーう?」
「水路から水が溢れる程の大雨、です」
「だいじょーぶ。滝壺の中、精霊居るから」
「精霊」
「すーっごく昔に、エルフと“黒髪黒目”が頼んだみたい」
「……あぁ、なるほど。精霊狩りが起きた時代ですね。ドワーフが守るから、豪雨の時は守ってくれと。恐らく水路の水流を強くして、水を押し出して……それでも水路が溢れそうになった時は?」
「えっとー。たっくさんの水の玉が、洞窟中にぽんぽんって。他の広場にも移動するよ」
「神秘的な光景でしょうね。ちょっと見てみたいです」
「大雨、10年に一度くらいだからムリじゃない?」
「残念です。――ぁ。ヴォルフさん」
「マジックバッグ」
「はい」
滝壺の淵に設置されている、プールで馴染みのある梯子。水に浸かっているのに腐食していないので、素材は魔石だろうか。ドワーフの国なのでステンレスの可能性もある。
その梯子に掴まるヴォルフへバッグの口を広げて差し出してやると、腰網を外して放り込む。この短時間で、よくもまあそれ程大量に拾えたものだ。
「魔石。滝の上流から?」
「流れて来た水生魔物の弱肉強食」
「その中に入って行くの、やっぱり正気を疑います。襲われますよね?」
「ナマズ。高級品」
「狩って来てください。依頼扱いにします」
「あぁ」
新しい腰網を取り出して装着し、また潜って行ったヴォルフ。
水中での水生魔物討伐という、環境デバフの依頼をその場で受けるのだから……元Sランクの実質個人Sランクはやっぱり正気を疑うな。と、改めて。
『襲われますよね?』と言った口で狩りを依頼するヤマトもヤマトだが。
「自分で狩んないの?」
「私の為にナマズを狩って来ると言ってくれたので。頼んでみました」
「……ん? ヴォルフ、言ってた?」
「ツンデレなんです」
「つん?」
「私の事が大好きということですよ」
心配を口にしたヤマトへナマズの情報を与えたのなら、それは『狩って来ようか?』との申し出に他ならない。その遠回しの甘やかしは、頻繁に遠回しの言葉を口にするヤマトに合わせてみただけ。つまり、気分。
まあ……もうひとつ言うと。
『その造形美で水を滴らせてみろ。周りがぶっ倒れるぞ』
である。どうやら筋骨隆々で立派な髭が魅力となるドワーフでも、――いや。職人で在るからこそ『造形美』を無視出来ないのだろう。
現に。ドワーフ達は話し掛けては来ないが、二度見どころかガン見で感嘆。それは恋愛や欲の対象では決してなく、完全に“美術品”と見做しているので下心は一切無い。
職人気質故、純粋にその造形美を楽しんでいる。
そんな『美術品』が肉体美を晒し水を滴らせてしまえば、「ちょっとすまんが観察させてくれ」と囲まれる可能性が高い。スケッチする者もいるだろう。
ヤマトならその状況を即座に娯楽として「どうぞ」一択だが、ヴォルフからするととても面倒臭い。泳いだ後は眠たくなるので、さっさと昼食を食べて昼寝をしたい。
なので。厳密に言うと、ぶっ倒れるのはドワーフ以外の冒険者。特に、女性冒険者。更に言うと獣人の冒険者で彼等は確実にダウンする。愉快、愉快。
女性ドワーフも「美っ!!」と叫び、ぶっ倒れる可能性もあるかもしれないが。女性の方が感性が豊かで『美しいもの』を好むから。
「ヴォルフ、面食いらしいもんね」
「完璧な造形美だと自負しています」
「じふ?」
「自信。誇り。です」
「キレーだもんね。ヴォルフと付き合ってる?」
「いえ。大切な“友人”ですよ」
「ゆーじん。あ。友達? オレも友達大切!」
「素晴らしい心掛けです。その友達、戻って来ませんね」
「お菓子買って、そんまま食べてっかも」
「ふふっ。お菓子が食べたいなら、探しに行っても良いですよ」
「ナマズ見てーもん。すっげーデカいの」
「どれくらい?」
「ヴォルフよりデカい」
「俄然楽しみになりました」
その大きさのナマズをあの短剣でどう討伐するのか。魔物ならヒトすら“餌”と認識し、飲み込まれるのではないか。
その心配が湧かないのも、ヴォルフへの信頼故。
「っナマズ! 売ってくれ!」
体長3M超えの巨大ナマズ。どうやらこの世界のナマズは、この大きさがデフォルトらしい。すれ違う子供も大人も、全員「おーっ」と感心するだけだった。
冒険者ギルドとしては即座にテンションを上げたが。水の底に生息するナマズ。水泳を習得している高ランク冒険者のみが討伐可能なので、当然ながら超高級品。
「嫌です。全部食べるので」
当然ながら、却下。300㎏を全部食べるなんて意味が分からないが、スライムをペットにしているらしいので納得はしてしまった。
「10㎏! いや5㎏で良いから!」
「嫌です」
「せめて3㎏っ!」
「売ってやれよ。しつけえぞ、こいつ等」
「……ナマズの蒲焼き、お米と共に食べると『神の雫』と相性抜群だと思うんです。――そういえば。工房への依頼、まだ時間が掛かりそうですよね」
「おい。さっさと達成処理して解体しろ。二度と滝壺依頼受けねえぞ」
「ちょっろ」
思わず。口を突いて出た言葉だったが、睨みは飛んで来ない。ヴォルフ自身、ちょろいなと自分でも思ったのだろう。
ヴォルフのマイブームである『神の雫』に合う料理は食べてみたいので、仕方ない。工房への報酬である『神の雫』を先に回してくれるので、仕方ない。こんな押し問答で時間を食っている場合ではない。はやく、のみたい。たべたい。
そして泳いで眠くなったからさっさと満腹になって昼寝したい。
明らかに、ヤマトの“食”への貪欲さに影響を受けている。『美味しいもの』は手軽に幸福を得られるので当然か。
「滝壺依頼拒否は狡ぃだろうがよ……くっそ」
盛大に肩を落とすギルド職員。
この件で王や貴族からの「購入権抽選はいつ出るんだ?」――その確認への断りと説明をしなければいけなくなったので、近い内に勃発する大喧嘩を面倒に思い気分が沈んでいく。王や貴族が相手でも関係無く喧嘩はする。ドワーフはお口が悪い。
ナマズは高級品だから――と云うより、ナマズの唐揚げと天ぷらを食べたいらしい。酒に合うから、と。
「お前天ぷら作れるよな」
「勿論。美味しいですよね、天ぷら。おつゆでも塩でも、衣に砂糖や青のりを混ぜるのも。4種類作ったら、味の対比で無限に食べちゃいそうでちょっと躊躇しちゃいます」
「作るんだろ」
「昼食はナマズ尽くしですね。宿の厨房、貸してくれると良いのですが」
「蒲焼き。タレの作り方見せんなよ」
「どうしてです?」
「お前の味付け、どうせ普通のより美味ぇだろ」
「なるほど。『結婚してくれ』――と」
「言ってねえ」
ひとりで勝手に納得するヤマトへ、慣れたように冷静に否定するヴォルフ。ふたりにとってはいつも通りの戯れ。ヴォルフが『タレのレシピ盗用されるぞ』と忠告していることは、ヤマトも分かっている。
しかし。ギルド職員と、久し振りに見たナマズに「おおーっ!」とテンションを上げながらも会話を聞いていた冒険者達は『なにその超解釈……』と困惑。その解釈に至る思考回路が謎過ぎて、少し怖い。常識から外れた理解の及ばないものは恐怖対象でしかない。
ヤマトは只遊んでいるだけなのだが。しかしこの場にツッコミ役や説明役が居ないので、『どちらもイケる』と認識されてしまった。完全に間違いではないから弁解は不要だろう。
恐怖……といえば。
「あ。おい、貴族のニイチャン。ドラゴン素材余ってんなら売ってくれ」
「構いませんよ。あと、貴族じゃないです」
「なんでだよ」
「流れ者だから、としか。ヤマト・リュウガです。お好きに呼んでください」
「後で不敬とか言うなよな」
「王族でもないですよ」
困ったように眉を下げるヤマトを数秒程観察してみたが、確かに“貴族嫌いのヴォルフ”が隣にいる。信じるしかない。一切納得はしないが。
それでも。まあいいや、と。
「部屋整えるから待ってろ。ナマズ売って」
「嫌です。テーブルスペース、お借りしますね」
「ああああ……っ」
流れでの『はい』を狙ってみたが、即座に却下されカウンターに沈む職員。王と貴族への説明が確定された。めちゃくちゃ面倒臭い。
だとしても解体中に勝手に確保することはしない。普通に窃盗となり、化け物スライムと噂のプルがナマズの上でぽむぽむ跳ねている。このまま、解体中は監視するのだろう。蒲焼きが楽しみらしい。
ヴォルフと共にテーブルスペースへ向かい、ひと息。椅子に凭れるヴォルフは相当眠いらしく、目元に力を入れておりいつもより治安が悪い。
「仮眠。良いですよ」
「仮眠で済まねえんだよ」
「水泳後の怠さと眠気は耐え難いですからね。黙っていたら眠くなりますし、何かで気を紛らわせます?」
「例えば」
「んー……私の“せんせい”の研究内容とか」
「寝かす気か」
「面白いのに」
「覚えてねえだろ」
「難しかったので途中でリタイアしましたね」
「ほらな」
難しいものを聞かせられては子守唄よりも早く寝てしまう。恐らく、研究テーマを聞いた時点で目は閉じる。眠気に抗っているこの現状で興味の無いものを聞き続けるなんて、不可能。即寝る。
「残念です。なら……――あ。洞窟内の崩落防止魔法の改良点とか」
「目ぇ覚めた。お前それ、これから絶対口にすんな」
「? わかりました」
絶対何も分かってねえな。
即座に確信したヴォルフは視線だけを動かし、今のヤマトの発言が周りの耳に入っていないことを確認。とても肝が冷えた。
どうせ『イメージで補完』の上での改良点だとは分かっている。だとしても使者が来ることは想像に容易く、それは貴族と関わることになりそうなので嫌だ。ドワーフの貴族は“貴族らしさ”は無いので他の国より気楽だが、『貴族』と云う事実だけで虫唾が走る。
最たる理由は、ヤマトが“貴族らしくない貴族”を気に入るだろうから嫌。だから。
唯一。ヤマトから強く望まれた“友人”――『親友』としての、わがまま。反射的に眉が寄ったが、眠気を堪える為だと勘違いしてくれるだろう。
案の定。また何か話題が無いかと記憶を辿るヤマトに、内心こっそりと安堵した。
「――あ。そういえば。エドからプロポーズされました」
「誰だよ」
「第三王子の」
「お前何した」
「なぜ私が原因に」
「他にねえだろ」
「だから、なぜ」
何もなく“あの国”の王族が“黒髪黒目”へプロポーズするなんて有り得ない。
それを察せず首を傾げるヤマトには、説明しても無駄だろうな……と呆れの溜め息。説明の放棄。いつものことである。
「それもこれ以降口にすんな」
「? わかりました」
絶対何も分かってないと再度確信するヴォルフは、今日は別行動だったランツィロットが戻って来たことを視認して安堵。まだ“友人”と認識しておらず一線を引いているヤマトも、これで無難な話題に落ち着くだろう。
閲覧ありがとうございます。
気に入ったら↓の☆をぽちっとする序でに、リアクションやブクマお願いしますー。
相変わらず迂闊な主人公が心配な作者です。どうも。
崩落防止魔法の改良点もそうですが、何よりも王族からプロポーズされた事実を口外するのは大変宜しくない。
普通に情報漏洩。危う過ぎる。
ヴォルフが『口にするな』と言ったので恐らく大丈夫でしょう。
無意識で「なんかやばいんだろうな」と判断する筈。たぶん。きっと。
プール後の授業はしっかり居眠りしていた主人公、眠気の強力さを知っているので普通に寝て良いのになと思っています。
ヴォルフ、主人公が『昼食ナマズ尽くし』と言ったので起きているだけです。
胃袋を掴まれている。
明日の昼食に回せば良いものを。
ドラゴン素材の買取は、当然のようにヴォルフも同席しました。
無いとは思うけど、一応買い叩かれない為に。
職人気質なドワーフ国でのドラゴン素材の価値は高いですからね。
保護者じゃん。
昼食のナマズ尽くしは堪能したし、蒲焼きは『神の雫』に合ってアホみたいに美味しかった。
この世界のナマズは3M超えが普通で、今回の個体は小さい方。
“魔物”ですからね。
例に漏れず、ナマズに似たなんかよく分からん生物。たぶんナマズ。
相変わらず“黒髪黒目”が最初に食べて『ナマズ』と命名し、その呼称が浸透しました。
それまでは『ヒゲの魚』と呼ばれてたとか、なんとか。
子供ドワーフとのんびり雑談しながらも情報収集。
平和な今でも精霊が豪雨から守っているのは、単純にこの滝壺の居心地が良いから。
水を汚さないし、適度に水草(薬草)を間引いてくれるので「ここ楽〜」程度のテンション。
ドワーフへの情は特に無い。
自然の一部で在る『精霊』もヒトに寄り添いませんから。
“精霊疑惑”受けてるの、ウケる。
どこに行ってもヒトだと思われてない。ウケる。
因みに。
この世界は発展しているので水着はありますが、ヴォルフは態々買っていないのでパンイチで泳いでました。ボクパン派。
道中は水浴びがデフォの冒険者ですし、そもそも水中の依頼なのでパンイチに羞恥は無い。
ドワーフ達は冒険者がパンイチになっていても気にしません。
寧ろ様々な筋肉を合法的に観察出来るので、めちゃくちゃ寛容。
(※但し滝壺周辺に限る)
活動報告に皆の下着事情。
次回、エルフの国へ。
物の価値観と感性。
犬吸い、再び。




