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⑷ 頭の中で……

 自宅へ戻ると、ネット上で明里の前期試験の結果が確認できるとの事。

 IDとパスワードを入れて表示させた。

 前期終了の科目で落した単位は1つもない。

 成績順位は82人中43番。


 真ん中より、ちょっと残念な結果だが、ギリギリの成績で入れたであろう明里としては、良くがんばりましたと言ってあげたい。


 大学受験では、私が勉強を見てあげたが、今回の試験では自分の力で勉強し、この成績を残せた。

 大変すばらしい。


 最初の試験で良い成績を出して、その後気を抜いてしまい、3年になってボロボロと単位を落す学生がいる。

 その一方で、これだけ頑張ったのに、あまりにも悪いと、やる気を失ってしまう。

 一生懸命頑張ってこの成績。

 最初の試験としては良い結果だと思う。


「まあ、このまま行けば、大学院は内部推薦で入れるでしょう」

 そんな話しをした。


 夕食を終えて、あと片付けをしていた時、明里のスマホが鳴った。

 明里は私に軽く会釈して電話に出た。


「あっ伊代……」

 ……伊代さん?


 明里は再び私に会釈して自分の部屋へ行った。

 明里の長電話、珍しい。


 しばらくして明里は戻ってきた。


「ごめんなさい」

「いいえ……なんか……深刻な話?」

「……」


・・・・・・


 入浴を済ませ、ベッドで横になっていると、明里が部屋をノックした。

「どうぞ」

 明里は枕を抱いて入って来た。


「お布団の上でお話ししたい」

「……どうぞ」

 明里は掛け布団の中に膝を入れ、敷布団の上で正座した。


「……さっき……伊代から電話があって……」

「はい。彼氏さんと同棲始めたって言ってたよね」


「その彼氏と喧嘩して、私に相談してきました」

「相談?……で、何が原因でしょう?」


「彼氏の変態行為について」

 これは……ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ


「明里に……何故相談?」

「他の友達に相談したら、いーじゃない、そのぐらいって言われたって……」

「なるほど、明里なら同調してくれると思って?」


「人それぞれでしょうから、私に相談されても……」

「ですよねー……で、その彼氏の変態行為って?」

「裸エプロン付けてくれって」


「ん……伊代さんの……裸エプロン……」

「おじさん!」

「……はい?」


「今、伊代の裸エプロン、想像したでしょ!」

 まずい!

「えっ……いえっ……」


 明里は上目遣いで睨んでいる。

 おこです。

 おこの、おこです。

 ここは、なんとかごまかさないと。


「いやー私は、裸エプロンには、興味ないなぁ」

「……そうなの?」

「何か……前を隠して後ろ出して……何ていうか痛々しい。私の趣味じゃありません」


 明里は、ジトッとした目で私に言った。

「おじさんは、変態さんですよね」

「はい」


「でも、今まで私に、何もしません」

「……はい」


「おじさんにとって、私は眼中にないんですね!」

 こっこれは……いかん。


「いや、そんな事はない」

「そんな事とは?」

「そんな事とは……」


 ……しまった!


 明里はクスッと笑い、ベッドから降りた。

 そして私に言った。

「おじさんは頭の中で、私に何をされているのでしょう」

「いやぁー」


「じゃあ、おやすみなさい」

「……はい。おやすみ」

 明里は自分の部屋へ戻っていった。


 ……まずい、まずい、まずいぞぉ

 頭の中で、明里に行ってるエッチな事、その妄想に、気付かれてしまったではないか!


 やばい、やばい、やばいぞぉ……


この2人、いったい何がしたいのでしょう。


次回:船が沈む時

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