⑵ 朝もやの中を
○○森林公園へ向かう。
新宿から○○線に乗り換え、約1時間。
そこから歩いて約10分。
○○森林公園に到着した。
入園して最初に公園の地図をもらう。
次にレンタル自転車センターへ向かった。
レンタル料は1日借りても大した事ない。
自転車を2台かりて出発した。
昨日は雨が降り続いたが、本日は晴天。
ひんやりとした空気の中、暖かい日差しが降り注いでいる。
緑の中、涼しい風を切って、朝もやの中を走りまわった。
明里はとても気持ち良さそうだ。
いろいろなエリアがある。
その都度自転車を止めて散策した。
園内にはレストランや沢山の売店がある。
明里とソフトクリームを食べながら、次にまわるエリアを相談した。
「私、こんなに楽しいの生まれて初めて」
「おおげさだな」
「本当だよ」
「今日の目的は頭と体のリフレッシュ」
「うん。また来ようね」
「まだお昼まわったところだよ、閉園まで4時間以上ある」
「だって今日1日じゃ全部まわりきれない。いや全部まわっても、もっと1つ1つ、ゆっくりとまわってみたい」
「わかったわかった。明里が気に入ってくれて良かったよ」
・・・・・・
それから閉園の5時まで、自転車に乗って走りまわった。
閉園後、新宿に戻ったのは6時を過ぎた頃だった。
明里は両腕を上げて大きく背伸びをした。
「あーあ、今日は本当に楽しかった」
明里にとって、楽しい1日が終わってしまった。
訪れる虚しさを追い払うような感じだ。
「今日はまだ終わってないよ」
「えっ」
「これから渋谷に出て、夜のショッピングと食事をしよう」
明里は固まっている。
「それとも、疲れたのならまっすぐ帰る?」
「いくいくいく」
明里は大喜び。
しかし私の腕を両手で掴んで心配そうに言った。
「でも……渋谷で夜の食事っていったら……高いよ」
「大丈夫だよ」
「でも……」
渋谷についてからは明里が私をひっぱって歩く。
正直私は、渋谷をあまりよく知らない。
さすがに女子高生だけあって、色々なお店を知っている。
何か欲しい物があれば買ってあげようと思っていたが、そんな様子もない。
私と一緒に見てまわるのが楽しいらしい。
「おじさんと、こんなデート、したかった」
「こんな事でよければ、また来よう」
「本当?」
明里は嬉しそうに笑顔を返した。
「そろそろ、どこかで食事しないか?」
「別の駅に移動して、ファミレスへ行きたい」
「渋谷でもいいよ。どこか入ってみたいお店、ないの?」
「ファミレスの方が、いいなー……」
明里の提案を受け入れて2つ先の駅へ移動し、ファミレスに入った。
明里と同じような高校生がたくさん居る。
そして、何かしら良からぬ視線を感じる。
「何だろーなー」
私の独り言に明里が返す。
「視線感じる?」
「……どのように見られてるんだろ?」
「エンコー」
「……」
さすがにこの装いで、それもファミレスで援交もないだろう。
そんな事を自分に言い聞かせた。
料理が運ばれて来た。
明里が注文したのは、ペペロンチーノとマルゲリータ。
ドリンクバー、サラダバー、取りに行く時、なんか楽しそう。
ファミレス特有の店内での騒音、決して不快ではない。
明里は、ファミレスの雰囲気が好きなようだ。
今日の一日を話し合いながら、ゆっくりと食事した。
・・・・・・
マンションに戻ったのは10時を過ぎていた。
その日の夜も、明里は私の布団に入って来た。
私は明里に話しかけた。
「明日から、また忙しい毎日が始まる」
「大丈夫。今日、元気一杯手に入れたから」
「明日からは、2週間目という事で、だいぶ体も慣れてきたと思う」
「うん。なんとなくそんな感じする」
「来週中に厳選英文、0.7倍速ですらすら読めるようになるといいな」
「がんばります」
「それが出来たら、来週またどこかへ遊びに行こう」
明里は満面の笑顔で抱き付いてきた。
「今日は疲れただろうから早く寝よう」
「はい」
「この1週間、がんばったね」
「おじさんのおかげです」
「来週もがんばろう」
「絶対がんばります」
明里はベッドから降りて自分の部屋へ帰っていった。
今日はいい運動になった。
その後、私はすぐ、眠りについた。
体と心と頭のリフレッシュ。
今日はお疲れ様でした。
次回:約束のご褒美




