表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の大切なたからもの  作者: 黒猫マグカップ
PR
23/40

ふでばこ

【23】



兄弟でもこんなに違うのか、と思うほど性格がちがう。

まぁ、当たり前なんだけど。


らいとは知的でインドア派。

ひとつのアイテムを1種類のみ所有する。

(物を大事にする)


こーやは体力が255MAXのアウトドア派。

よくバスケットボールを持って遊びに行く。

チャリのカゴの中にはボール1個。でもおうちにはボールが5、6個。

ほんとにボールばっか。

そいえば空耳で『5、6個~、5、6個~』って聞こえるラップ調の洋楽があったな。



らいとは本が大好きで、おうちには『らいと図書館』と呼ばれるくらい本がたくさん。

本をたくさん読んでるから難しい言葉とか知ってるんだよなー。

私が知らない言葉とかをらいとに聞き返すと「日本人ならそれくらい知っとけ!」とか毒を吐く。

そのやり取りが私は密かに大好きだ。


小学4年生の時にたまたまランドセルの中身を見た時、ボロボロの筆箱が...

「らいと、筆箱もうボロボロだね」

「んー。でもまだ使えるよ」

「毎日使うものだからね。もう、いいんじゃない?」

「んー...でも」

「今から買いに行こうか」

「え?」

「どぉ?」

「いいの?」

「うん。行こ。」

「ママに迷惑かけたくない」

「迷惑じゃないよ。らいとが学校で使うものだよ?」

「...。」

「よし!じゃあ出発!」


ちょっと無理矢理連れていった感があるけど、文房具コーナーに行くと、目をキラキラさせながら、らいとは筆箱を選ぶ。これ!って思ったのを見つけたのか、手に持ってこっちを見た。

「それがいい?」

「うん。。でも高いかな」

「らいとが気に入った物を買ったほうがいいんだよ」

「じゃあ、これ」


レジに持って行き、会計後にらいとに「はい」と言って渡す。

らいとは嬉しそうに「ママありがとう」と、言った。


家に帰ると古いボロボロの筆箱から新しい筆箱に筆記用具を嬉しそうに入れ替えている。


本当に欲しかったんだろうな。

でも自分がお金を使うことで、ママに迷惑をかけてしまう。

そんな事を思わせてしまった。親として情けない。

きっとその分、私が働きに行ってしまうのがイヤだったんだろう。


らいとはよく私にお手紙を書いてくれた。

誕生日の時は『ママ◯◯才おめでとう』とか

熱出した時の『元気になったら一緒に遊ぼうね』とか

私が怒った時は『ママごめんね』とか、たった一言だが私は嬉しかった。

その中でも、らいとの一番の願望だろうと思ったのは。

───『ママ、ずーっとお仕事行かないでね』だった。


収入が不安定で、私が収入安定させないと子供たちに何も買ってあげられない。

子供たちが学校行ってる間と、旦那が帰って来てからの深夜にバイトをしてダブルワークをしていた。

だから学校から帰って来た時はおうちにいれば、それで子供たちは寂しくないと思っていたが。。

夜寝るときにいつも本を読んであげていたのも、途中から出来なくなっていた。

らいとは本の読み聞かせが本当に大好きだし、夜母親がいないのはやっぱり寂しかったのかもしれない。




色々我慢させてしまっていたんだと思い、筆箱の入れ替えが終わったらいとに...

「らいと。必要なもの、欲しいものがあったらちゃんと言うんだよ。言ったら迷惑かける、って思っちゃダメ。らいとのママなんだから。言ってくれないほうが迷惑だよ、わかった?」

「うん。わかった。」


らいとは、わかったって言ったけど、その後もこっちから聞かないと自分から言うことはあまり無かった。


らいと、大丈夫だよ。困ったことがあったらちゃんと聞いてあげるから話してね。ママからのおねがいだよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ