戦隊◯◯レンジャー
【19】
らいとが入院して、私が帰るのに駄々をこねるのは最初の2日間だけだった。(ちょっとさみしい...)
でも3日目からは看護士さんとお話ししたり、おもちゃや絵本、カルガモのぬいぐるみ(ティッシュカバー)で病院ライフを、らいとなりに楽しんでいた。
「らいとー」
「あ。ママだ!」
「お姉さん(看護士さん)に遊んでもらってたの?」
「うん! あ!そうだ、今日ね◯◯レンジャーが来たんだけど、偽者だった」
「え?」
首をかしげていると、看護士さんが困ったように...
「やっぱりらいとくんの年になると誤魔化せませんね(笑)今日は◯◯レンジャーに来てもらったんですけど、本物じゃない、ってバレました(笑)」
「だって、後ろにファスナーついてたもん。」
いや、多分らいとだから、だろう。
例えばこれが、こーやだったら、目をキラキラさせて信じるだろう。
他のこどもたちもいたのに。全くこいつは...
「なんかすみません、喜ばせようと思ってやっていただいたのに」
「いいんですよ!まぁ、明らかに本物ではなかったので(笑)」
らいとの方を見ると、ふふーん、みたいな顔をしてたので
「らいとー、他に小さい子もいるんだしさ、みんなは信じてるんだし。それに看護士さんも喜ばせようと思って呼んでくれたんだから、ありがとうでしょ?」
「だって、偽者だもん。」
「らいと!」
「いえいえ、いいんですよ、気付いたこともすごいですよ」
「でも。...ほんとにすみません」
「らいとくん、またあとでね」
「うん!ばいばい」
看護士さんが部屋を出ていく。
「らいとー、看護士さんも、◯◯レンジャーをやってくれたお兄さんも、らいとや他のこどもたちに楽しんでもらいたいって、やってくれたことでしょ?それに対して、らいとは何て言わなきゃいけないの?」
「...。 ありがとう」
「そうだよね。」
「うん...。」
「じゃあ、後から看護士さん来たら、ありがとうって言える?」
「うん」
「よし!えらいぞ」
やけに大人びてて、しっかりしてるらいとだが、やっぱり子供だった。
少し安心。
私が帰る頃、看護士が来てくれた。
「あ。お姉さーん」
「どしたの?らいとくん」
「あの。。さっきは◯◯レンジャー連れて来てくれてありがと。」
「──あ。うんうん!楽しかった?」
「楽しかった」
「よかった~!◯◯レンジャーのお兄さんも喜ぶよ!らいとくんありがとう」
「えへへ」
赤ちゃんの時から大事にしているカルガモのぬいぐるみを抱えながら、らいとは一丁前に照れくさそうにしていた。




