第2366話 城崎へ
今日はいよいよ城崎へ向かう。
☆希望視点☆
3月20日の土曜日になりました。
今日と明日、私は城崎温泉旅行へと出かけるよぅ。
今回は清水家と藍沢家の家族合同旅行になります。
なので、今回は残念ながら夕也くんと宏太くんはお留守番です。
「まあ、ゆっくりして来いよ」
「うん」
「行ってきます」
お留守番の夕也くんに家の事を任せて出発ぅ。
家を出てすぐに、向かいの家の麻美ちゃん達と隣の家の奈々美ちゃんの家のインターホンを鳴らす。
「はいー!」
「朝から元気やな……」
麻美ちゃんが元気に出て来て、その後ろから渚ちゃんが耳を塞ぎながら出て来る。
隣の家からは奈々美ちゃんも出て来たよぅ。
美夜ちゃんはまだおねむみたい。
さて、今日の移動は電車という事で、まずは駅に向かますよぅ。
駅前では、本日の旅行に同行する藍沢家のおじさんとおばさんが待機していた。
「おはようございますぅ」
「おはよう皆。 奈々美と麻美と……美夜ちゃんおはよー」
「すぴー」
「寝てるわよ」
「なはは」
「可愛いわねー」
「あはは。 皆集まってるし、早速電車に乗るよ。 まずは東京駅を目指してそこでうちの両親と合流。 西條家専用の新幹線乗り場から専用車両に乗って、一気に京都まで出るよ。 そこからはやはり、西條家専用の車両で城崎まで行くよ」
「西條家専用車両とか乗り場とか言ってるけど、何なの?」
「なはは。 お父さんとお母さんは気にせずについて来るべしー」
私達はもう慣れ切ってしまった無茶苦茶な西條家の移動手段だけど、おじさん達には常識外れの代物だと思うよぅ。
尚、東京駅までは通常車両での移動となるらしい。
赤ちゃん2名にペット8匹も乗せて平気なのかと思われるかもしれないけど……。
「西條グループプラチナカード! これを改札に提示すれば、一両貸切に出来るよ」
「何でもありね……」
「はぅ」
「なはは」
「亜美ちゃん、どんどん人間離れしてないかい?」
「美那からあんな子が産まれるとは思いもしなかったわね……」
藍沢家のおじさん達も、亜美ちゃんを見てさすがに唖然とするのだった。
◆◇◆◇◆◇
ということで、東京までやって来ましたよぅ。
「お父さん達は新幹線改札前に居るみたいだよ」
「あっちね」
「いくぞー」
あまり待たせるのも悪いという事で、少し早足で新幹線改札へ向かう。
改札の近くに行くと、正月ぶりに見る両親が首を長くして待っていたよぅ。
「おはよう、お父さ……」
「おはよう美夕ちゃーん! んー可愛いわねー。 チュチュッー」
私達の事は無視して美夕ちゃんに挨拶をするお母さん。
や、やっぱり孫が可愛いものらしい。
「美那、元気そうで何よりね」
「晴美もね」
お母さん同士は昔からの親友という事で、亜美ちゃんと奈々美ちゃんのようにとても仲が良い。
「これで今回の旅行メンバー全員だね」
「ペットの数も凄いなあ」
「だよぅ」
猫が4匹に犬が4匹だよぅ。
皆、キャリーバッグの中で大人しくしていて偉いよぅ。
「さて。 西條グループ専用乗り場へ向かうよ。 まずは改札を通過して、駅員さんに西條グループプラチナカードを見せつけるよ。 てやや」
亜美ちゃんが駅員さんに対して西條グループプラチナカードを見せつけているよぅ。
それを見た駅員さんは何処かに連絡をし始める。
「5分後に車両が参ります。 専用乗り場の方へどうぞ」
「うむだよ」
ほ、本当に専用乗り場があって専用車両があるらしい。
さすがは西條グループだよぅ。
お父さん達は何が何やらわからない様子で、少しばかり混乱しているようです。
専用乗り場へと出て約5分。
本当に一両編成の専用車両が入ってきた。
「す、凄いわね」
「こんな新幹線走ってるの見た事ないが」
「まあ、普段ほとんど走ってないからねぇ。 ささ、乗って乗って」
亜美ちゃんは躊躇う事無く新幹線に乗り込んでいく。
西條グループで働くようになってから、亜美ちゃんの感覚もかなりズレてきているようです。
「京都までノンストップだよ」
「大丈夫なのそれ?」
「他の車両とぶつかったりしないのかー?」
「専用レールを走るから大丈夫だよ」
「せ、専用レールなんかありはるんですか?」
「うむだよ。 さあ、発車オーライだよ」
私達以外が乗っていない貸切車両で、まずは京都を目指す私達なのであった。
◆◇◆◇◆◇
新幹線が走り始めてから5分程。
「か、快適な旅だなぁ」
「まさか、新幹線で豪華な朝食を食べる日が来るとは」
「どうなってんのよ、西條グループは?」
「はぅ」
さすがの私達も、いきなり朝食が運ばれて来たのには驚いたよ。
一体何処で用意したのかな?
「んむんむ。 京都まですぐだからね」
「ノンストップだものね」
「なはは」
しかもこの車両、心無しか他の車両より速度が高い気がするよぅ。
それを裏付けるように、他のレールを走っている新幹線を追い抜いていく。
「今の内に、京都駅に連絡しておくよ。 すぐに貸切車両に乗れるようにしておかないと」
「私の娘が何か凄い事言ってるけど?」
「亜美ちゃんなら何してもおかしくないでしょうに」
うちのお母さんと藍沢家のおばさんの会話からも、亜美ちゃんが無茶苦茶な事をしているのだという事がわかる。
京都駅に連絡して貸切車両を準備させるって、言ってる事がもう奈央ちゃんと同じだもん。
◆◇◆◇◆◇
「京都に到着だよ」
「私の庭やな」
「まあ今日はここから城崎直行だから、京都には出ないけどね。 城崎行きの特急列車はこっちだよ。 一両目を貸切ったからねぇ」
「普通に貸切りにするのね……」
「裏で一体何が行われているのやら」
「とんでもない大気が動いてたりしないかしら?」
「さすがにそこまではないよ」
との事だけど、本当のところは亜美ちゃん以外にはわからないよぅ。
「あ、来たよ」
ホームに入って来た特急列車に乗り込むよぅ。
一両目には確かに「貸切」も書かれている。
「一応この列車は通常の一般の人も乗ってるから、途中途中の駅で停車するよ」
「それが普通なのよ」
「まあそだね」
とはいえ、一両貸切っていうのも大概だとは思う。
◆◇◆◇◆◇
「と、いうわけで城崎温泉街に到着っ! いやいや、快適な移動だったねぇ!」
「西條グループ様様ね」
「なはは」
「私達の娘、いつの間にか日本を裏で支配するようになってるんだけど?」
「亜美ちゃんなら何してもおかしくないわよ」
いやいや、さすがにおかしいと思うよぅ……。
「さて。 まずは旅館に行くよ。 送迎バスが出てるから少し待つよ」
「送迎バスは普通なのよね?」
「まあ、西條グループの普通と思えば良いよ」
「あ、そう」
じゃあ、普通より豪勢なバスが予想できるよぅ。
とにかく、城崎に到着した私達。
今日は温泉街を観光する予定です。
楽しみだよぅ。
城崎に到着!
「奈央ですわよ。 専用新幹線ぐらい余裕出ですわよ」
「西條グループだからねぇ」




