表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2353/2362

第2349話 サイジョーカフェの課題

緑風でパフェを食べる亜美。

 ☆亜美視点☆


 2月27日の日曜日だよ。


「あーい」

「美夕ちゃん可愛いですねー」

「んむんむ。 可愛いねぇ」


 今は買い出しの帰りに喫茶「緑風」に来ている。

 買い出し帰りは大体来るようにしているよ。


「にしても、あんた本当によく来るわね?」


 今日シフトに入っている奈々ちゃんに呆れられている。

 ちなみに麻美ちゃんもシフトに入っているが、夕ちゃんはバスケの試合があるので休みだよ。


「そんなに来てないよ? 週に4回か5回ぐらいだよ。 年間だと200回来るか来ないかだよ」

「来過ぎよ……」

「そうかなあ?」

「パフェの人が来ない日は、何かあったのかって心配になるぐらいさー」

「そういう時はお仕事で忙しいか、何処か出かけてる時だねぇ」

「そうなんですね」

「んむんむ。 パフェ美味しいねぇ」

「あんたのパフェがこの収益を支えてるんじゃないの?」

「いやいや、そんな事ないでしょ」

「ところがですね、売り上げのほとんどがこのフルーツパフェなんですよ」


 と、三浦さんが人差し指を立ててそう言った。

 今は、サイジョーカフェ☆☆支店の店長候補としてこのお店で勉強中の三浦さん。

 店長業務補佐をしているよ。

 しかも、その補佐をやりながらフロアにも出て仕事をしているので、かなり優秀な人材だと思われる。


「そ、そうなの?」

「はい。 実際、清水さんはかなり売り上げに貢献されてます」

「そ、そうなんだねぇ」

「そりゃ年間で200回もパフェ頼んでんだものね? 500円とはいえそれだけで10万の売り上げだし」

「なはは」


 たまに2杯いく時もあるから、それ以上である。


「ま、まあ売り上げに貢献出来てて嬉しいよ」

「あんたはただパフェが食べたいだけでしょ?」

「そりゃあ、緑風のパフェは世界一だと思ってるからね」


 最高のパフェだと思うよ!


「あ、そうだ。 話は変わるんだけど、三浦にちょっと訊きたい事が」

「サイジョーカフェの話ですか?」

「うん。 んむんむ。 んとね、ゴールデンウィークにサイジョーカフェの各店舗オリジナルメニューの展示会をやるのは知ってる?」

「はい、告知見ましたから」

「話が早いね。 三浦さん、私達と展示会に行かない? お客さんとしてになるけど」

「良いんですか?! 行きます!」

「へー。 良いねー。 私も良いかなあ?」


 と、名塚さんも話に入ってくる。


「どうぞ! お客さんは多い方が良いからねぇ」

「店長! その日はお店休みにして皆で行きましょう!」

「ええ? 休みにして行くのかい?」

「サイジョーカフェのオリジナルメニューが並ぶんですよ? しかも食べられる! 新しいメニュー開発のヒントにもなるかも」

「ま、まあ魅力的な話ではあるなあ……考えておくよ」

「はい! 決まりさね!」

「ええ?!」


 名塚さん、結構強引なとこあるんだねぇ。

 私達西條グループ側からすれば、品評してくれる人の母数がちょっとでも増えてくれるのはありがたい話なんだけど。


「なはは! 賑やかになるー!」

「奈央ちゃんにも伝えておくよ」

「お願いねー!」

「うん! んむんむ。 美味しいねぇ!」


 

 ◆◇◆◇◆◇



 という事で、買い出しを終え一旦自宅に戻った後、すぐに「皆の家」へ向かう。

 美夕やマロン、メロンは希望ちゃんが「皆の家」に連れて行ったらしい。

 さっきメールが来ていたよ。


 早足で歩いて「皆の家」に到着し、玄関でスリッパに履き替えながらふと名札に目をやると……。


「ん? うわわ、弥生ちゃんとキャミィさん、それからミアさんはもう「皆の家」に来てるんだねぇ」


 3月2日に弥生ちゃんの誕生日パーティーをする事になっているので、その為に来たのだろう。

 にしても早いねぇ。

 宮下さんと新田さんは三山君のお仕事の関係で、当日にしか来れないようだ。

 可憐ちゃんに会えるのは3月2日である。


「しょぼーん」


 落ち込むのは後にして、とりあえずリビングへ向かう。

 リビングに近付いていくと、中からは大合唱の賑やかな声が聞こえてくる。

 もはや「皆の家」の風物詩となっている、赤ちゃんズの大合唱。

 これが無くなる日はいつになるやらだよ。


 ガチャ……


「やほほだよ」

「うわーん!」

「おぎゃー!」

「えーん!」

「ぎゃーっ!」

「わーん!」

「うえーん!」


 うわわ、これまた凄い大合唱である。


「お、亜美ちゃんやん。 あんさんの娘も景気良う泣いとるよ」

「みたいだねぇ」

「きゃはは。 よちよち、真希も美希も偉い偉いー」

「泣き止んでちょうだいなー」


 ママさん組は我が子達を頑張ってあやしている。

 美夕は希望ちゃんが抱っこしてくれているよ。


「はぅ。 よしよしだよぅ。 ママが来たよぅ」

「美夕おいでぇ」


 希望ちゃんから美夕を受け渡してもらい、抱っこしながら小刻みに揺らして背中をポンポンと優しく叩く。


「うっ……ぐっ……」

「良い子だねぇ」

「やっぱりママは偉大ですね。 すぐに泣き止みました」

「偶々だよ」


 普段はこれでも泣き止まない事が多い。

 根気が必要なのである。


 しばらくすると大合唱は落ち着き、平穏が戻ってくる。


「ふぅ……。 あ、そうだ奈央ちゃん。 三浦さんもサイジョーカフェのオリジナルメニュー展示会に来るって言ってたよ」

「了解ですわ」

「それだけじゃなくて、緑風のスタッフさん皆来るみたい」

「み、皆ですの?」

「うん。 お店休みにして皆で来るみたい」

「それはまた……まあ、バスの定員的には問題無いけど」

「うんうん。 お客さんは多い方が良いんだよ」

「ゴールデンウィークだっけ? 楽しみねー」

「何やそれ? ウチらも連れてかんかいな」

「もちろん良いよ」

「ワハハ」

「ありがとうございまス」

「ゴールデンウィークの予定一つ埋まったな」

「やナ」


 とか言ってるけど、どうせ連休中はここに来るつもりだったに違いないよ。


「弥生ちゃんはサイジョーカフェ行った事あるの?」

「あらへん! 何やセレブ御用達感あって行った事ないんや」

「割とリーズナブルで庶民的ですよ、サイジョーカフェ」


 たまにサイジョーカフェに行くらしい星野さんが言うと、弥生ちゃんは「そうなんか。 ほな今度いっぺん行ったろ」と、東京にあるサイジョーカフェを調べて始めるのだった。


「奈央ちゃん。 やっぱり知らない人にはセレブ向けだと思われてるのかな?」

「うーむ。 ちょっと改善の余地ありですわねー」

「だねぇ」

「別に、今のままでも十分なシェアあるでしょうに」


 と、紗希ちゃんに言われてしまう。

 確かに、サイジョーカフェは同業の中ではシェアトップではあるが、油断は出来ないのである。


「やはり庶民向けアピールをしていかないとだよ」

「ですわね」


 とりあえず、奈央ちゃんと何か良い案でも練らないとだねぇ。

 ゴールデンウィークの展示会が上手く利用出来ないものだろうか?

サイジョーカフェにも課題あり。


「希望です。 私もあんまり行った事無いよぅ」

「売り上げに貢献してほしいね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ