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第2350話 Vドルがやって来た

今日は誰かお客さんが?

 ☆紗希視点☆


 3月に入ったわよ。

 本日は3月1日の火曜日。

 明日は弥生の誕生日という事で、誕生日パーティーがあるんだけど……。


「はい? 今日ここに来る? Vドルの花風風花さんと祭火つづみさんが?」

「きゃは! 言うの忘れてた」

「はあ……そういうのはもっと早く言ってちょうだい」

「ごめんちょ」

「まあ良いじゃない。 ここにはお客さんが寝泊まり出来る客室もあるし」

「別にダメとは言いませんわよ」

「客室、ちょっと掃除しなきゃね。 行ってくりゅ!」

「はいはい」


 この屋敷には、私達が寝泊まりしてる部屋の他にも何故か客室が存在している。

 今日みたいに、突然の招待客に対応する為なんだとか。


「花風風花て、紗希がデザインしたあの子かいな? そういやこの間『オフコラボ』とかいうのするて配信で話しとったな。 それやんの?」

「そよー」

「ほぉん。 どないな人なんか楽しみやな」

「そうね!」


 もちろん「花風風花」や「祭火つづみ」としての2人の事は良く知っている。

 だけど、いわゆる「演者」としての2人とは初めて会うのよね。

 楽しみだわー。


「さて、掃除掃除ー」



 ◆◇◆◇◆◇



 さてさて、お昼になったわよー。

 お昼ご飯を食べ終えて、私は駅前まで2人を迎えに来た。

 ちゃんと着けるかちょっと心配だけど、メールのやり取りをしながら上手く誘導しているわよ。


「次の電車ね」


 もうそこまで来ているみたいなので楽しみだわ。


「やほほ紗希ちゃん」

「きゃはいっ?! あ、亜美ちゃんかー。 びっくりした」

「きゃっきゃっ」

「美夕ちゃんも来たのねん」

「真希ちゃん美希ちゃんは寝てるの?」

「寝てるわね」


 ベビーカーの中では2人とも寝息を立てているわ。


 プァーン!


 ガタンゴトン……


「あ、来たわ」

「あれに乗ってるの?」

「ええ」


 今やって来た電車に乗ってるはず。

 メールも「今着きました!」って来てるし。


「ワクワクね!」

「うんうん」


 私は改札の前で首を長くしながら、2人が階段から降りて来るのを待つ。


「静かな街ねー」

「そうだねー」


 しばらくすると、2人の女性が階段を降りて来た。

 他に人の姿も見えないし、あの2人が風花ちゃんとつづみちゃんみたいね。

 歳は私達と同年代とか、割と近そうに見える。

 片方はショートの黒髪の女性で、少し背の高い女性。

 遥っぽいわね。

 もう1人は逆に、肩ぐらいまで伸ばした黒髪で、背は低めの女性だ。

 勝手なイメージだけど、背の高い方がつづみちゃんで、低い方が風花ちゃんなんじゃないかしら?」


「きゃほー!」

「あ、紗希ママ!」

「おー、本物だ!」

「それはこっちの台詞だってば! あ、リアルでは初めましてね。 柏原紗希よん」


 戸籍上では柏原性の私。

 まあ、知り合いとかには未だに神崎で通ってるけど。


「花風風花です」

「祭火つづみです」

「おー、やっぱりイメージ通りだわ」


 背の高い方がつづみちゃんで、低い方が風花ちゃんだ。

 さすがに本名は名乗れないらしいわ。


「きゃあ! この子が紗希ママのお子さん達ですか?!」

「可愛い!」

「きゃはは。 右が真希で左が美希よん」

「そっくりすぎてシャッフルされたらわからなくなりそう……」

「初めて見る人は皆そう言ってるわね」


 ちなみに、「皆の家」に出入りしている友人達はかなり見分けがつくようになってきたみたい。


「ところで後ろの方は?」

 

 風花ちゃんが私の後ろで黙って立っていた亜美ちゃんの事を聞いてきた。


「こほん。 初めまして、紗希ちゃんの友人の今井亜美です。 えーっと、清水亜美ならわかるかな?」

「あっ! バレーボール日本代表の!」

「ですです」

「そちらの赤ちゃんは今井さんの?」

「うん。 美夕だよ」

「か、可愛い……」

「あはは。 さ、立ち話も何だし、私達が集まる拠点に案内するよ」

「き、拠点?」

「そよ。 今日明日はそこで寝泊まりしてもらうわよ」

「は、はい」

「すぐそこだよ」

「ついて来てちょ」

「はい!」


 駅からは歩いてすぐそこにある「皆の家」へと2人を案内する。


「ところで気になってたんだけど、つづみちゃんの『〜っす』は?」

「あ、さすがにあれはキャラクター作りなので、普段からは使ってないです」

「なるほどねー。 Vドルも大変ね」

「はい。 むしろ紗希ママはいつも通りなんですね」

「まあねー。 あ、あそこが私達の拠点の『皆の家』よん」

「え、えぇ……」

「で、でっかい……」


 多分見た事もないであろう巨大な屋敷に目を丸くする2人。


「ここから中に入るよ。 よいしょっ」


 亜美ちゃんは入館証をカードリーダーにタッチして門のロックを解除し、中に入って行く。

 私達もその後に続いて中に入り、今度は玄関の鍵を入館証で開けて2人を中に招き入れる。


「げ、玄関も広い……」

「きゃはは」

「あ、あの、この名札は?」

「ここは私達の友人が沢山集まるのよ。 その日に誰が来てるかわかるようになってるわ。 白札が在中、赤札が不在よ」

「ほえー……んっ?! ひ、姫百合凛ってもしかしてあの?!」


 名札を見てそれに気付いた風花ちゃんが驚きの声を上げる。

 まあ、日本のトップアイドルだしねー。


「そよん。 あのゆりりんよ。 他にもブルーウイングスの5人も来る事あるわよ」

「ひ、ひぇー」

「あはは。 中に入って。 リビングに案内するよ」


 亜美ちゃんが先導してリビングまで移動する。

 2人は廊下を歩きながら、周りをキョロキョロしている。

 リビングに近付くと、中から賑やかな声が聞こえてきたわ。


「な、何か大勢の声が聞こえてくるんですけど」

「結構な人数がいるわよん」

「さ、入ってねぇ」


 2人をリビングに入れると、リビングに居たメンバーが一斉にこちらを振り向く。


「お、来よったで」

「なはは! いらっしゃいませー!」

「どうぞ、その辺のソファーに座ってちょうだいな」

「は、はい」

「す、凄い光景……」

「その2人が例のVドルの子達なの?」

「は、初めまして! 花風風花です!」

「ま、祭火つづみです!」

「まあまあ、そない固くならんと」


 さすがにこの人数に囲まれて少し緊張してるみたいね。

 まあその内に慣れるっしょ。

 2人をソファーに座らせた後は、皆の自己紹介に移る。

 まあ、仕事でいない人もいるけどね。


「凄いお屋敷でちょっと緊張していますが、今日明日はよろしくお願いします」

「よろしくですわよー」


 一通り自己紹介が終わった後は、屋敷を案内して回り、最後には赤ちゃんズを紹介。


「か、か、か、可愛い……」

「赤ちゃんが並んでる……」

「きゃはは。 可愛いっしょ。 皆同い年なのよん」

「凄いですね」

「皆、大人しく寝てる」

「1人泣き出すと全員泣き出すわ」

「それはまた大変ですね……」

「まあ、しばらくは落ち着かないかもだけど、ゆっくり過ごしてちょ」

「はい」


 オフコラボ配信は明後日の3日を予定しているわ。

 その前に弥生の誕生日パーティーね。

Vドルもリアルは普通の人間。


「希望です。 はぅ、わかってはいたけど夢が壊れるよぅ」

「まあねぇー」

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