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第2283話 来年は赤ちゃんと

昼ご飯を作っているのは夕也のようだ。

 ☆夕也視点☆


 美夕も産まれて亜美は育児で大忙し。

 今年ももうすぐ終わるという事で、そろそろ掃除特訓を100点満点で卒業しなければならない。


「夕ちゃん、お昼ご飯まだかな?」

「おう。 もうすぐ親子丼出来るから待ってろ」

「らじゃだよ。 いやいや、夕ちゃんが簡単な料理を覚えてくれたおかげで楽だよ」

「役に立てて何よりだ」


 このように、簡単な食事ぐらいなら作れるようにはなったが、掃除に関しては中々合格が貰えない。

 いや、98点とかもう合格で良くないか?


「なあ?」

「ん?」

「98点じゃダメなのか?」

「ん? 掃除の話かな? 麻美ちゃんと渚ちゃんが100点って言わないという事は、何かしら減点になるところがあるんだよ。 完璧じゃない人には掃除は任せられないよ」

「2点……一体何が足りないんだ……」


 謎だ。



 ◆◇◆◇◆◇


 

 ブィィィン!


 今日も麻美ちゃんと渚ちゃんの家を掃除中だ。

 麻美ちゃんからは「早くしてー! 『皆の家』に預けてるくぅとチビ達が心配だー!」と、急かされている。


「いや。 監視は渚ちゃんに任せて先に行っても良いんだぞ?」

「亜美姉に監督を任されてる以上、中途半端はできないー」

「律儀なやっちゃな……」

「まあ、あっちには奈々美と亜美も行ってるから、くぅ達は大丈夫だろ」

「でも早くー!」

「へ、へい」


 麻美ちゃんに急かされながらも何とか掃除を終え、本日の採点を聞く。


「95点!」

「何で下がった?!」


 この前98点だったから、今日こそは卒業だと思ってたんだが。


「今井先輩は早さと丁寧さのバランスが悪いんや」

「そうだぞー! 急かされて適当になった分、今日は減点だー!」

「は、早さと丁寧さ? まさか、急かすような事をしたのは俺を試して……」

「『皆の家』イクゾー! くぅ、待ってろー!」


 別に試していたとかではなく、本当にくぅが心配で急かしていただけらしい。

 しかし、早さと丁寧さのバランスか。



 ◆◇◆◇◆◇



 三人で「皆の家」にやって来ると、ちょうど東京組が帰るところのようだ。


「おう、渚に麻美っちに今井君やないか。 ウチらそろそろ東京に戻るさかいな。 多分今度はクリスマス前に来るでー」

「西條家のパーティーがあるもんな」

「そや」

「ほなナー」

「またでス」

「またな」

「なはは! 美智香姉によろしくー」

「またクリスマスに」


 手を振って別れた後、屋敷内に入りリビングへ。

 リビングではママさん組が赤ちゃんズを抱っこしながは雑談していた。

 マリアちゃんや天堂さんに星野さんといった、屋敷に在住しているメンバーも加わっているようだ。


「あ、夕ちゃん。 掃除どうだった? 卒業出来た?」

「95点だった」

「うわわ。 何か点数減ってるし」

「まだやってるんですの?」

「今井君、掃除は元々壊滅的だったしねー」

「いい加減に卒業しなさいよ」

「今井、情けないぞ」


 ママさん組にも散々な言われようだ。

 俺だって頑張ってやってんだがな。


「今日は麻美ちゃんに急かされて、ちょっとばかり雑になっちまったんだよ」

「私の所為にするなー」

「うっ」

「夕ちゃん、それは良くないねぇ」

「いや、しかし事実でだな」

「見損ないましたわ」

「うぐっ?!」


 めちゃくちゃ責められてる。


「ず、ずびばぜん……私の掃除の仕方が悪いのが問題です」

「なはは! 精進したまえー!」

「ぐぬぬ」


 とはいえ今日はアドバイスを貰えたわけだし、次回こそは100点で卒業だぜ。


「それより美夕は何してる?」

「私に抱っこされて寝てるよ」

「ふむ。 可愛い寝顔だな」

「あんたも親バカね」

「やっぱ我が子は可愛いもんだ。 奈々美だってそうだろ」

「まあね。 美夜が一番可愛いわ」

「なはは!」

「いやいや、真希と美希でしょ」

「いやいや! 美夕だよ!」


 母親達も大概親バカなようだ。



 ◆◇◆◇◆◇


 

 美夕に手がかかるのはそうだが、亜美達はマロン達の面倒を見るのも忘れていない。

 美夕達が眠っている間はマロン達ペットを相手している。


「よしよし。 マロンもメロンも大人しいねぇ」

「みゃー……」

「なー……」


 二匹は亜美の膝の上で丸くなり目を細くしている。

 他にも、紗希ちゃんのゴンすけ一家や藍沢家のタマなんかも、今は飼い主に甘えているようだ。


「くぅは仔犬から離れられないかー……」

「わふぅ」


 先日仔犬を三匹出産した藍沢家の愛犬くぅだが、仔犬達の世話にかかりきりで飼い主の甘える余裕は無さそうだ。


「頭撫でてやろー。 よしよしー、子育て頑張るんだぞー」

「わふ!」


 麻美ちゃんは本当にくぅを可愛いがっているなあ。

 どのペット達も飼い主に愛されているようで何よりだ。


「だがまあ、トラはやっぱり異様だな……」


 奈央ちゃんが飼っているセバスとレイラは、大人しく奈央ちゃんに頭を撫でられている。

 ちなみにジョセフとセリーヌも存命だが、歳も歳という事で実家にあるトラハウスでのんびり過ごしているそうだ。


「赤ちゃんズを連れて旅行とかもしたいねぇ」

「いいですわね」

「そうは言ってもまだまだ無理っしょ」

「そうですわねー……出来るとしたら来年の夏とか、そんなぐらいかしら?」

「だねぇ」


 と、ママさん組は早くも来年の旅行とかを考えているようだ。

 まあたしかに、子供を連れて旅行したいというのはわからんでもないが。

 俺だって美夕と一緒に旅行してみたいと早くも思っている。

 奈央ちゃんが入れば数ある問題は簡単に解決するんだろうが、赤ちゃんそのものの問題はどうにもならんからな。

 

「美夕を旅行に連れて行ける日が楽しみで仕方ないよ」

「そうね」

「今から色々プランを練っていきますわよー」

「おー!」


 亜美と奈央ちゃんは気が早いな……。

 もうパソコン開いて色々調べ始めている。

 まあ、旅行に関してはこの二人に任せておけば良いだろう。


「う、うえーん!」

「お、誰か泣き始めたぞ」

「うえーん!」

「この連鎖のしかたは真希と美希ね」

「泣くタイミングまで同時なのか……」

「さすが双子ね」

「いやいや、さすがに釣られただけでしょ」

「きゃはは。 同時にオムツの交換よーん」

「そこまで同時なの?!」

「す、凄いですね双子」


 珍しくマリアちゃんもちょっとだけびっくりしているぞ。

 にしても確かに凄いな双子!


「まあ、たまたまかも知れないし」


 紗希ちゃんは笑いながらオムツを換えていく。

 もう慣れたもんだなぁ。

 俺はまだちょっともたつくが。


「よちよち、オムツ換え終わりまちたからねー」

「あーい!」

「うーい!」


 オムツを換えたらすぐに泣き止むとか、これまた賢い子達だな。


「夕也兄ぃもちゃんと美夕ちゃんの面倒見てるのー?」

「うむ。 一応ミルク上げたりオムツ換えたりはしてるぞ。 沐浴は亜美がダメだって言うんだが」

「危なっかしいからねぇ」


 それぐらいは出来ると思うんだが……。

 子育ては夫婦で協力してやっていかないとなあ。

来年の夏ぐらいには赤ちゃんズとも旅行したいと思うのだった。


「奈々美よ。 まあ来年の夏は夜泣きで大変かもだけど」

「だ、だねぇ」

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