第2255話 皆で学ぼう
今度は亜美達が出産前入院へ。
☆亜美視点☆
私達の出産予定日が近付く11月10日の水曜日。
ブロロロ……
私、奈々ちゃん、奈央ちゃん、遥ちゃんは病院へ向かう。 例によって麻美ちゃんが送ってくれている。
「麻美ちゃんありがとうねぇ」
「なはは。 最近病院の行き来ばかりしてるー」
「麻美が車の免許を取ったのがこんなに助かるとはね」
「本当、助かりますわ」
「取った甲斐があるー」
奈々ちゃんは最初、麻美ちゃんが免許を取るのに反対していたからね。 まあ、心配性というか麻美ちゃんに対して過保護というか。 要するに麻美ちゃんが可愛いくて仕方ないんだろうね。
私も夕ちゃんに任せて来たマロンとメロンが心配だよ。
「マロンとメロン、大丈夫かなあ」
「夕也兄ぃも居るし、基本的には『皆の家』に居るだろうから大丈夫ー。 私もちゃんと見とくー」
「お願いね、麻美ちゃん」
心配ではあるけど今は自分の事に集中しないとね。 頑張って元気な子を産むだけである。 私も紗希ちゃんみたいに頑張るよ!
◆◇◆◇◆◇
病院に着いた私達は、最上階のVIPフロアに到着。 病室に案内してもらうよ。
「え、何この病室」
「何って病室だよ?」
「高級ホテルのスイート並みだけど? しかもツインじゃない」
「西條グループのVIP専用の病室だよ? これぐらいは当然」
「ああ、亜美ももう西條グループの人間だったわね……」
「えっへん」
「まあでも、二人部屋で良かったわ。 話し相手がいる分、退屈せずに済むし」
「だねぇ」
内装は本当にホテルみたいになっており、何とトイレとお風呂まで完備されている。 いやいや、さすがは西條グループだね。
「とりあえずゆっくりしましょ」
「だね。 奈々ちゃんは予定日20日だっけ?」
「ええ」
「私は23日なんだよね」、
予定日は少しズレるけど、上手くいけば同じ日に出産かもしれないよ。 そうなったら良いなあ。
「遥ちゃんと奈央ちゃんは15日くらいかな?」
「私達よりも早いのね」
「だね」
子供達の誕生日は皆、11月に固まりそうだ。 皆まとめて一緒に誕生日を祝えるかも、と思ったけど、可憐ちゃんは10月9日なんだよね。 可憐ちゃんだけ単独バースデーパーティーになりそうかな?
「さて! ジグソーパズルやるわよ!」
「うわわ……私という話し相手がいるのに」
「ジグソーパズルにハマってしまったのよ。 集中するから話しかけないでね」
「そ、そんなあ」
せっかくの二人部屋なのに、これじゃあ一人部屋と変わらないのでは……。
「はあ、仕方ないねぇ。 私もクロスワードやってよ」
話し相手が居なくなってしまったので、私も仕方なくクロスワードの本を開いて時間潰しを始めるのだった。
◆◇◆◇◆◇
「ふう……もう2冊終わってしまったよ」
1時間集中してやったら、クロスワード本2冊終わってしまったね。 私にとってはクロスワードは簡単過ぎたよ。
「早過ぎでしょ……さっき横目でチラッと見たけど、まるで答えがわかってたかのようにスラスラ手が動いてたじゃない」
「タテヨコのカギを見ればすぐわかるよ」
「だからそれがおかしいのよ。 見なさいよ私のジグソーパズル。 まだ端のピースの半分も埋まってないわよ?」
「本当だね。 じゃあ私もジグソーパズルやろっかな」
「いや、私が手を止めてるんだから話し相手になってよ」
「おお、それが一番良いよ」
やっぱりお話してるのが一番楽しいよ。 うんうん。
「何かまだ実感無いわよね。 私達、もうすぐ親になんのよ?」
「うん。 何だか不思議な感覚だよ。 でも、紗希ちゃんとか宮下さんもそうだけど、きっと子供が産まれたら色々と自覚が芽生えるんだろうね」
「本当かしらね」
「奈々ちゃんなんかは、しっかりした母親になりそうだと思うけどね」
「どの辺が?」
「躾とか厳しそうだし、麻美ちゃんの面倒見てたりしたから慣れてそうかな?」
「まあ、亜美は躾とか甘そうだしね」
「ううっ、それは夕ちゃんからも言われたよ。」
ちゃんと怒ったり出来るかどうか。 いやいや、そこはやっぱり親としてしっかりやらないとだよね。
「ちゃんと頑張って子育てするよ」
「そうね。 私も頑張るわ」
自信があるわけじゃないけど、知識はちゃんとあるし出来ない事は無いはずである。
「ふう。 奈央と遥はどうしてるかしらね?」
「あの二人も二人部屋だから、二人でお話でもしてるんじゃないかな?」
「ちょっと見に行きましょうよ」
「しょうがないねぇ」
と言いつつ、私もちょっと気になるから大賛成なのである。
◆◇◆◇◆◇
コンコン……
ガラガラ……
「あら、亜美ちゃんに奈々美じゃない。 どうしましたの?」
「ちょっと様子を見に」
「ふん! ふん!」
「遥は何してんのあれ……」
「筋トレだそうですわよ……」
「ええ……」
「病院でぐらい大人しくしときなさいよね」
「まったくですわよ」
どうやら腕の筋トレをしているようである。 まあ、そこまてお腹に負担が掛かるトレーニングじゃないにしても、入院中の妊婦がやる事じゃないと思われるよ。
「筋トレじゃなくてジグソーパズルやりなさいよ」
「私ゃ、ああいう細かい作業は苦手なんだよ」
「さっきちょっとやって諦めてましたわよ」
一応ちょっとはやったらしい。 まあ、遥ちゃんらしいといえば遥ちゃんらしいではある。
「そんなんで子育て大丈夫なの?」
「それとパズルは別だろ。 まあ、子育てに自信があるのかと問われれば無いと言わざるを得ないが」
「それに関しては私でもそうだよ」
「初めて経験するんだし、それは当たり前よ」
「ですわよ」
「それ考えたら宮下はすげーなって」
「宮下さんも結構ご両親に助けてもらったみたいじゃない。 最初からあんなに母親出来てたわけじゃないでしょ」
「ですわよ」
「少しずつ慣れていくしかないよ」
「ですわよ」
不安なのは遥ちゃんだけではないのである。 私や奈央ちゃんだって、今はまだわからない事だらけ。 きっと紗希ちゃんも今は手探りで子育てを始めているに違いない。 昨日なんて、真希ちゃんの沐浴で手が震えていたからねぇ。
「皆で頑張って母親になっていこうねぇ」
「お、おー。 はっ! 今度は亜美ちゃんの家で母親訓練合宿を!」
「いやいや。 さすがに私でも母親訓練の講師は出来ないよ……だから、一緒に学んでいこう」
「良いですわね。 皆で学んで立派な親になる」
「そうね。 旦那にも協力してもらいながら、皆で」
「うんうん」
一人では確かに不安もあるけど、夫やママ友皆で一緒にやっていければ心強いねぇ!
◆◇◆◇◆◇
自分達の部屋に戻って来た私と奈々ちゃん。 夕飯まではまだ時間があるので、少しのんびり過ごすよ。
「美夕、もう少しで会えるからねぇ」
「あんた、よくそうやって話しかけてるわよね」
「うん。 胎内教育だよ」
「胎児って声が聞こえてるもんなの?」
「一応聴覚は機能してるよ」
「へぇ。 美夜、聞こえてる?」
奈々ちゃんはお腹を撫でながら美夜ちゃんに話しかけている。
「あ、動いたわ」
「反応してるのかな」
実際はどうかわからないけど、こうやって話しかけるのは大事なんだそうだよ。 早く会って、直接声を掛けてあげたいよ。
皆不安だが皆で頑張ろう。
「奈央ですわ。 緊張しますわね」
「うん。 紗希ちゃんもこんな感じだったのかな?




