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第1186話 宏太の送別会

長野旅行から帰ってきた翌日。 宏太の送別会だ。

 ☆奈々美視点☆


 さて、長野県から帰って来た翌日よ。 宏太は明後日には名古屋へ発つとの事なので、今日は送別会をしようって事になったわ。 皆はもう既に「皆の家」に集合済み。 いつでも始められる状態よ。 昨日から泊まりの東京組とマリアも参加してくれているわ。


「じゃあ、集まってる事だし始めましょう。 佐々木君の送別会開始ー」

「かんぱーい!」

「佐々木よ。 あんたの事は3日は忘れないぜ」

「蒼井、お前記憶力皆無かよ」

「そうよ遥。 私なんて1日で忘れるわよ」

「神崎はもっとひでぇよ」

「にしても惜しい人を失いますわね」

「いや、ちょっと名古屋に行くだけだが?」

「骨は拾ってやるぞ宏太」

「花も毎日備えてあげますよ」


 春人まで悪ノリして宏太をイジり倒している。 宏太もいちいちツッコミを入れて追いついてないわね。


「愛されてるねー、宏ちゃん君」


 宮下さんに言われて「どこがだ?」と返す宏太。 それに対し宮下さんはこう返す。


「私も都姫女子にいた頃は宏ちゃん君みたいにさ、結構周りからイジられたりバカにされたりするキャラだったのよ。 でも不思議と嫌じゃ無いでしょ? 愛のあるイジりだってわかるからよ」


 宮下さんはどちらかというと宏太寄りの人間だったらしい。 宮下さんは「宏ちゃん達は嫌なのかね?」と訊く。


「嫌じゃねーよ? 俺だってこのやり取り楽しんでるんだからな」

「愛されてんじゃん」


 まさか宮下さんにこんな話が出来るとは驚きね。 と、それは失礼か。 宮下さんだってもう大人だものね。


「宏太兄ぃー。 名古屋行ったら味噌カツ食べるのー?」

「食うぞ!」

「何!? 佐々木だけズルいぞー! 味噌カツ私にもくれー」


 何か急に食べ物の話になったけど、まあそれはいつもの事か。


「宏太。 一人暮らしだけど、ご飯はちゃんと栄養考えなきゃダメよ? 毎日何食べたか報告しなさい」

「奈々美、お前は俺のお袋か?」

「彼女よ!? 心配してるんでしょ?!」

「心配せんでも大丈夫だっつーの

「何や痴話喧嘩始めよったで」

「この2人はいつもの事だよぅ」

「仲良いんだよねぇ」

「なはは!」

「でもこれもしばらくは見れないのか」

「寂しいですわね」


 と、私達の痴話喧嘩を見ながらそんな話で盛り上がる外野。 な、何? 私と宏太のこのやり取りは皆にとって白米のおかずか酒の肴か何かなわけ?


「佐々木君や。 向こうでもっとええ女引っ掛けた方がええで? もっと優しくて女子らしいのを」

「たしかにアリだな」


 弥生の囁きに耳を貸す宏太。 何が「たしかにアリだな」よ。 こんなバカの相手が務まるのなんか、私と亜美と希望ぐらいよ。 他の女じゃ3日と保たないわね。


「引っ掛けられるもんなら引っ掛けてみなさいよ」

「お、言いやがったな?」

「こ、宏ちゃんダメだよ」

「そぅだよ」


 その気になっている宏太を止めに入る亜美と希望。 まったく心配性なんだから。


「こいつについて来る女なんていないわよー」

「でもゆりりんは宏ちゃんにホの字なんだよ?」

「あの子はまあ……」


 んー。 あの子は宏太の何処が良いのかしら? よく分からないわね。 今度それとなく聞いてみましょ。


「そういえば姫百合さんには名古屋行きについて話したの?」

「あー、別に話してないぞ。 あんまり関係ないだろ」


 姫百合さんがもし万が一交代に会いに来た時、宏太が名古屋に行っていなくなってたら可哀想ね。 これは私から姫百合さんに伝えておきましょ。 私ってば優しい女ね。


「ゆりりんのライブまた見に行きたいな、佐々木君や」

「そうだな。 名古屋公演の予定とかあるのか?」

「どないやろ」


 ゆりりんファンで盛り上がりはじめたわ。 そういえば弥生も宏太と気が合って仲良くしてるわよね。 あれ、意外と宏太って女ウケ良い?


「……」


 だ、大丈夫よねー? さすかの宏太もたった3ヶ月で私より良い人見つけたりしないでしょ? しないしない。


「み、宮下さんは三山とちょっと遠距離じゃない? どんな感じ?」

「どんな感じと言われても……言って東京と千葉だから大した距離でも無いし」

「ははーん。 さてはちょっと心配になりよったな藍沢さん」

「なははは! お姉ちゃん心配性ー!」

「べ、別にそういうわけじゃないわよ」


 やばいやばい。 皆に勘ぐられるところだったわ。 亜美もちょっとニヤニヤしてこっち見てるし……。 余計な事訊くんじゃなかったわ。


「まあでも、奈々美と佐々木君なら多少離れても平気っしょ。 何年一緒にいんのよって話」

「それはそうー」


 生まれてこの方20年。 ずっと一緒ね。 そうよ。 私が何処の骨かもわからない女に負けるわけないね。


「んぐんぐ。 ぷはーだよ。 奈々ちゃんも名古屋に行けば良いんだよ」

「良いわけないでしょうが……」

「あぅ」

「大学があるからなぁ。 通うにも交通費バカにならんし」

「そういう事。 私だって3ヶ月ぐらい余裕で待てるわよ」

「なはは。 そうだよねー。 恋人になるまで10年近く待ったもんねー」

「ま、まあ、そうね」

「大恋愛じゃんー」

「それでまだ結婚決まってへんってどないやの?」

「またその話かー……」


 と、結婚の話になると宏太はそう言った。 私の中では宏太が直接プロポーズしてくるまでは何も言うつもりはない。 もちろん宏太が私にプロポーズしてくるという保証も無い。 その時はまあ……その時よ。



 ◆◇◆◇◆◇



 送別会も終了間際。 皆それぞれお酒も入って変なテンションになっている中、未成年組がテーブルを片付けてくれている。 な、情けない先輩達ね。


「きゃはは、奈央も脱ぎなさいよー」

「ぬがすなー」

「神崎の奴、遂に他人を脱がし始めたぜ」

「最悪ね」

「よし、お片付け終わりー」

「終わりました」

「ありがとうね。 助かるわ」

「あぅ、マリアちゃんありがとー」


 軽く酔っている亜美。 亜美は量を考えて飲めるからまだ大丈夫だけど、希望はもう寝落ちしてるわ。


「ほんまそちらはんはアルコール弱いなぁ」

「きゃははー。 何をー、弥生も脱げー」

「こっち来なさんなや紗希!」


 次は弥生がターゲットか。


「何か俺の送別会って話どうなってんだ?」

「これじゃあいつもの宴会だな」

「まあ別に良いがなぁ。 さて、俺はもう寝るぜ」

「あら、もう? 出発は明後日でしょ?」

「眠いんだよ。 じゃあな」


 そう言って宏太は自室へと戻って行った。


「……」

「何やの? 行ったらええやん佐々木君の部屋」

「え?」

「え? やないやん。 もう明後日には名古屋やで?」

「べ、別に3ヶ月ぐらい。 今はビデオ通話もあるし」

「そやけど、一緒にいる内やないと出来へんこともあるやろ」

「な……」

「なはは」

「お姉ちゃん何言うてんの……」

「いやいや、ほんまの事やん」

「そうか……3ヶ月会えないのよね。 それはたしかに問題だわ」


 一緒にいる内にしか出来ない事……たしかに今の内だわ。


「ありがとう弥生。 よし、今からちょっと宏太殴ってくるわ」

「なんでやねーん!」


 弥生から思い切りツッコミを入れられるのだった。

奈々美は割といつも通り?


「希望です。 宏太くんモテるから要注意だよ」

「いやいや、大丈夫でしょ」

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