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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*ナイトメア・ランジェリー・サッカー・ストライク・ガールズ編
52/57

*夏の県大会・準決勝戦A(VS.正交.2)

前回からの続きます。



 千葉県、県大会準決勝戦・第1試合



  正交女学園.VS.正処女学園



 試合会場:千葉県船橋地区某所にある特殊な屋内施設にて





   前半24分


  正交0-0正処



 正交の選手たちも正処の選手たちも中盤でボールを奪い合っている。 まだ正交の選手たちがボールをキープしてるけど、ここに正処の選手たちの猛攻で、ボールをキープしたまま前線・敵陣までボールが運べないでいる。 だからボールが中盤で止まってる感じだ。


「なかなかやるわね!」

「ええ、そうね。 さすがだわ」

「これからどうするつもりかしら?」


 なかなかボールが前線・敵陣に運べずイラ立つ正交の選手たち。 さらに少しでも気を抜くと、すぐに正処の選手たちにボールを奪われてしまう緊張感。


「くっ、このぉぉ!」

「この、えぇぇいぃ!」

「まだ焦らないでぇ!」


 そうした気の緩みや高揚感などで、ちょっとした(スキ)が出来てしまう。



 そこに正処の選手たちがボールを奪いに来て、少し油断した正交の選手たちが思わずボールを奪われそうになるけど、なんとか死守しており、ここでも時間だけが過ぎていく。





 ―――ボールを奪い合ってるうちに、ボールがファンブルする。 そのボールが正交陣地内に流れていくのを見て、すかさず正処のDMFの鈴木妖香がすぐに走り込み、そのボールに追いつくと、素早くドリブルしていき、相手のペナルティーエリア付近まで駆け込む。 そこに正交のDF陣の選手たちが、妖香のドリブルを阻むようにして前面に出てきたけど、すぐ妖香が右側にボールを素早くスルーパスする。


「オーライ!」「とおぉ!」



   前半27分



 なんとスルーパスした先には、あの姿が消えたハズの正処のFWの司孫倫が、相手のペナルティーエリアの右側をいつの間にか駆け上がっており、しかもオフサイドトラップにもなっておらず、妖香からボールを受け取ると、すぐ相手のゴール前付近の中央までボールをセンタリングする。


 ザザッ、ビシィッ、ポーン!


 ここで正交のDF陣の選手たちは、もう既に自陣ゴール前まで結集しており、上空へ舞い上がったボールを再び自分たちのモノにしようと処理するけど、そこにこれまた姿が消えたハズの正処のFWの司孫藍が、いつの間にか相手のDF陣の中に紛れ込んでいて、素早く天高くジャンプする。


「「「ッ!!?」」」

「やあっ!!」


 気づいた時には、もう既に遅く、見上げるだけの相手の選手たちをよそに、落ちてくるボールに頭を合わせて、そのまま藍がヘディングシュートする。


 ダッ、ビシィッ、ドォーン!


 相手のGKも何も出来ずに立ち尽くしたまま、ヘディングシュートしたボールがゴール中央上側に突き刺すように入ってゴーール!


「あっ……!!?」

「……くっ!!?」


「やったぁーーっ!!」

「よーーしぃっ!!」


 ピィーーーッ!


 ここで審判のゴールの笛が鳴った。



   前半29分


  正交0-1正処



 今回は久々に前半の早い段階で点が入って先制できた。


 ここではまだ正処の選手たちが歓喜することもなく、また正交の選手たちも動揺することもなく、普通に冷静に淡々と両チームの選手たちが、ピッチ・フィールドの左右それぞれの陣地に散っていった。

 それぞれの選手たちがいかにしてモチベーションを高く保っていられるか、それこそが良い状態で試合が出来る最低限の条件だろう。 また1点・2点の得失点で浮き足立つのは、あんまり良くない事だと両チームの選手たちが知ってるからだ。






 前半、正交女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.8:45)


 今度も正交の選手たちが後方でボールをパス回しして、相手選手たちの様子・出方を見ている。 このまましばらくの間、後方でボールを回していく正交の選手たち。 前半はこのまま無得点で守備を徹底していくのか?


「「「………」」」(コクリ)


 ダッダッダッ!


 ―――何かのアイコンタクトをした正交の選手たちは、すぐさまFWの選手たちが中盤まで走り出す。


 そこにボールを持った正交のDFの選手が、中盤まで走り込んだFWのミキに素早くボールをスルーパスする。


「「「ッ!!?」」」


 慌てて中盤の守りを固める正処の選手たちだけど、そのままボールはミキに渡り、そのミキから前線・敵陣地へ走るFWのクミへ、素早くボールをスルーパスする。


「し、しまったぁ!」

「や、やばいわぁ!」

「オ、オフサイドはぁ!?」


 しかし、オフサイドトラップはない。


 さらに慌てる正処の選手たちをよそに、相手のFWのクミがドリブルでボールを運びつつ、ミキも後方から走って追いつき、正処のDF陣をかわしながら、正処のペナルティーエリアの手前付近までドリブルしてくる。



   前半42分



「くっ、来るかぁ!?」


「でぇぇいぃ!!」


 まだ正処のペナルティーエリアのボックスゾーンまで入っていない状態のまま、クミがゴール右隅下側めがけて鋭いロングシュートする。 ここは正処のGK・浅村忍が横っ飛びしてボールが指に当たって、なんとかセーブするけど、オフサイドトラップギリギリのところまで走ってきたミキに、今度はゴール左隅上側に強烈なシュートを叩き込まれてしまい、ボールが突き刺すように入ってゴーール!


 ドォン、ザッ、パシッ! ダッ、ズドォン、ドォーン!


「クソッ!!」


「おおっ、やったぁ♪」

「ふーう、入ったわ♪」


 ピィーーーッ!


 ここでも審判のゴールの笛が鳴った。



   前半44分


  正交1-1正処



 ここで前半のうちに正交の選手たちが得点して、遂に追いついて同点とした。 さすがは県大会ベスト4まで勝ち残ったチームだけのことはある。 正処の選手たちの不意をつく見事な速攻で前半終了直前で、落ち着いてゴールを決めた。 でも、ここでも両チームの選手たちは極めて冷静だ。 すぐに両チームの選手たちが、淡々とピッチ・フィールドの左右それぞれの陣地に散っていった。

 そう、両チームの選手たちは判っているのだ。 いかにして自分たちを冷静にモチベーションを高く保たなくてはならないことに。 でないと到底勝利することなど出来ないことに。






 前半、正処女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.9:00)


 ここで正処の選手たちが後方でボールをパス回ししたところで、前半戦終了の笛が鳴り響いた。 結果、前半でお互いに得点して同点で折り返すこととなった。



   前半45分


  正交1-1正処



 そこで両チームの選手たちが、それぞれ自分たちの控え室まで戻っていった。



次回に続きます。

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