*試合E(VS.羽丙南.4)
後半、正処女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.8:00)
まずはしばらく後方でボールを回していく正処の選手たち。
するとここで早速、羽丙南のMF⑨の選手が前に出てきて、正処の選手たちのゆっくりパス回しから、強引に素早くボールをカットする。
「な、何ぃっ!?」
「し、しまったぁ!?」
「は、早いわよぉ!?」
ボールを奪われ動揺している正処の選手たちをよそに、すぐにボールを奪った相手のFW⑨の選手が、前線にいる味方のFW⑩の選手に素早くロングパスする。
ポーン、トン!
前線にいた羽丙南のFW⑩の選手がボールを受け取ると、そのままドリブルで素早く正処のペナルティーエリアまで近づく。
意表を突かれた正処の選手たちがオフサイドトラップを失敗した。
「……行くぞ!」
そのままドリブルで正処のペナルティーエリア内に入る相手のFW⑩の選手。
後半8分
そこで所定の位置でシュート体勢に入る相手のFW⑩の選手だけど、正処のDF陣はまだ完全に戻りきっていない。
ズドォーーン!
相手のFW⑩の選手が素早く強烈なシュートをする。
「……いけ!」
ドォーーン!
「なっ!!?」
まるで "エネルギーレーザービーム" のように一直線で、全く反応できずにただ突っ立ってるだけのGKの忍を置き去りにして、高速でボールが左隅に入ってゴーール!
ピィーーーッ!
審判のゴールの笛が鳴った。
なんと後半が始まってすぐの得点。 ここで羽丙南女子高校が追加点。 一方の正処女学園は後半開始早々の失点で2点目を盗られた。
そこでたまらず正処の選手たちが集まって話し合っている。
「ひゃぁー、やっぱり強いわねぇー!」
「なんかぁー、ちょっとヤバくない?」
「こりゃあー、もう負けかなぁ?」
などと悲壮感や悲観する正処の選手たちの中で、DMFの妖香は「シュートしてゴールして得点したい」と思い続けている。
後半10分
羽丙南2-0正処
後半、正処女学園のキックオフで試合再開。 (P.m.8:10)
ここでも後方でゆっくりボールを回していく正処の選手たち。
だがしかし、羽丙南の選手たちも当然ボールを奪いにいく。
またしても正処陣地内の後方でのボールの奪い合い、激しい攻防が展開されている。
やっぱり羽丙南の選手たちは、ボールを奪うのがとても上手く、何度も正処の選手たちが、ボールを奪われそうになる。
「くっ、このぉーーっ!」
「えぇーーい!」
「と、盗られてたまるかぁーーっ!」
だがしかし、正処の選手たちもボールを奪われないように、懸命にボールを死守する。
その一瞬の隙を見つける為に、正処の選手たちが、それぞれ頑張って食い止めている。
ここでまた少し時間が経過するけど、試合の流れが変わる。
ボールがDMFの妖香に渡ると、一気に中盤まで思い切りロングパスする。
「それっ!」
ポーン、トーン!
「行くわよ、シェイナちゃん」
そのボールを中盤で受け取ったMFの楓が、さらに前線にいるOMFのシェイナにスルーパスする。
「うおおおぉーーーっ!!」
ボールを受け取ったOMFのシェイナが全速力で一直線にドリブルで相手のペナルティーエリアまで素早く駆け上がる。
後半22分
当然、相手のDF陣がドリブルしてくるシェイナをプレスしてボールを奪いにくる。
「……くっ……」
バシッ、ガァン!
まだ相手のゴールまで少し距離はあるけど、シェイナがやけくそで威力の低いシュートを蹴った。
「!!?」
シュートしたボールが、ボールを奪おうとシェイナの所まで駆け寄った羽丙南のDF④の選手の右太股に当たり、それでボールの軌道が変わってしまい、ゴール右隅にボールがコロコロ転がって入り、見事にゴーール!
相手のGKはただ驚くだけだった。
ピィーーーッ!
審判のゴールの笛が鳴った。
なんとやけくそで蹴ったシュートが、相手のDF④の選手の身体に当たり、ボールの軌道が変更して、相手は誰も動けずにゴールが決まった。
これにシェイナはとても喜んでいる。
「は、入ったぁーーっ!! やったぁーーっ!!」
やけくそとは言え、そのまま何もしなければ、ボールは相手のDFの選手たちに奪われたかもしれない。
それに何であれゴールはゴール、運も実力のうちである。
「………」
一方の羽丙南の選手たちは、呆然としていて言葉を失っていた。
後半25分
羽丙南2-1正処
後半、羽丙南女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.8:25)
羽丙南の選手たちが後方でボールを回していくけど、心なしか、少なからず動揺している。
人間は一度、混乱・動揺してしまうと、立て直すのに多少の時間がかかるようだ。
そこで正処の選手たちが、動揺している相手の選手からボールを奪いにいく。
「!!?」
その一瞬の隙を見逃さないのが、前線にいるFWの藍と倫の姉妹である。
「とうっ!」
「えいっ!」
動揺している相手選手からボールを奪うことなど造作もなく、藍と倫の二人がかりでボールを奪うと、倫がドリブルで、相手のペナルティーエリアまで素早くボールを運んでいき、藍も倫に並走するように相手のペナルティーエリアまで素早く走っている。
「し、しまったっ!!」
「だ、誰か早く止めてっ!!」
「み、みんな! 早く戻るのよっ!!」
相手選手の慌てぶりでは、そう簡単に早くは戻れず、易々と藍と倫の二人がパスしながら、ボールを相手のペナルティーエリアの中まで入れており、どうやら相手選手はもうGKしかいない。
「!!?」
相手のGKの選手も、敵の突然の来襲に唖然としており―――
「―――えぇっ!!?」
なんとボールを持ってる筈の藍と倫の二人からボールが消えて、藍がヒールパスで後ろから走ってきたOMFのシェイナにボールが渡り、物凄い勢いで威力の高いシュートをする。
ズドォーーン!
それはあっという間の出来事であった。
後半34分
ドォーーン!
シェイナの強烈なシュートは、最早誰も対応できないほど、速く鋭くボールがゴール右側に入ってゴーール!
またしても相手のGKは動けず!
ピィーーーッ!
審判のゴールの笛が鳴った。
「よっしゃあぁぁぁーーーっ!!」
そこで物凄く喜ぶシェイナ。
「………」
一方の羽丙南の選手たちは呆然と立ち尽くす。
この緩急のついた試合運び、相手選手が対応できずに、気がついてみれば、なんとここで遂に同点にされていた。
最初は羽丙南が先制して追加点も入れての2点目で、さすがに勝負あったかに見えたけど、その後の正処の緩急つけた攻撃で、あっという間に2点も入れられ、遂には追いつかれた!
後半35分
羽丙南2-2正処
そこで羽丙南の選手たちが、まだ立て直しができないまま、すぐに試合再開となる。
後半、羽丙南女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.8:35)
なんと正処女学園が遂に追いついた!
あと残り10分・・・果たして、どんな展開・結末になるのか?
なかなか楽しみである。




