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暴秦狂楚  作者: 南かずしげ
*練習試合編
12/57

*試合C(VS.莫賀北.3)

ひとつのファールでゲームの流れが変わる?


  莫賀北1-0正処


 後半、正処女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.8:35)


 最初は後方でボールを回していく。

 自分たちの()()を見せず、相手の()()(うかが)う、いつものやり方である。

 勿論、相手も()()を見せてこない。


 莫賀北の方は、あともう2点は入れておきたいところである。 それで、この練習試合の勝負を決めたいところなのだが―――


 正処の方は、せめて1点は返して同点、引き分けに持ち込みたいところである。 最悪、引き分けで練習試合を終了させたいところなのだが―――


 後方から中盤へボールを移動させていて、そこから中盤での激しいボールの奪い合いになっていた。


「はっ!」

「くっ!」

「よっ!」

「おっ!」


 お互いの選手がボールを奪い奪われ、ボールの位置がなかなか定まらないようだ。

 ここでも実力が拮抗して、ほとんどの選手が中盤からなかなか動けない。



 ここで痺れを切らしたのが、莫賀北の選手の方が先であり、ボールを持った正処のDFの光に対して、莫賀北のMF⑥の選手が慌てて強引に鋭いスライディングをしてきた。


 ザザァーーッ! ガァッ!


「…えっ!?」

「うわぁっ!」


 DFの光が、慌てた相手選手の強引な鋭いスライディングに、足を引っ掛けてしまい、前のめりに倒れてしまった。


 ピッピィーーッ!


 まだ中盤ではあるものの、ここで審判の笛が鳴った。 当然、審判は莫賀北のMF⑥の選手にイエローカード(警告)を出した。


 かなり危険なプレーである。


 また両チームの実力が拮抗して、膠着状態が続いた為に、後半もかなりの時間を消費していた。


 DMFの妖香がフリーキックで前線までポーンと蹴り上げた。



   後半38分


 前線にいたOMFのシェイナがボールを受け取り、まだゴールまで距離があるものの、このままの勢いの強烈で素早いシュートをゴールめがけて蹴った。


「そりゃああぁぁ!」

「な、何ぃっ!?」


 ドゴォッ、パシッ!


 莫賀北のGKが、なんとか横っ飛びの両手で飛んできたボールを(はじ)いた。

 こぼれたボールに走って()めてた正処のFWのカスミが、その転がるボールに追いつき、そこから素早くシュートした。


「これでぇー…終わりでーす!」

「…えっ!?」


 トォン、ドォーン!


 横っ飛びして体勢を崩している相手のGKでは、素早く対応できず、難なくボールがゴール右隅に入ってゴーール!


「オッケー!」


 ピィーーーッ!


 審判のゴールの笛が鳴った。



 ここで遂に正処がゴールを決めて、1点を返して同点にした。

 得点を入れて喜ぶ正処の先発イレブンと、最後までゴールを死守できずにがっかり項垂(うなだ)れる莫賀北の選手たち。 最後まで粘り強く見せた正処の選手たちに軍配が上がったようだ。




   後半40分


  莫賀北1-1正処


 後半、莫賀北女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.9:15)


 もうあまり時間がないようなのだが、相変わらずのんびりと後方でボールを回していく莫賀北の選手たち。


「…はぁはぁ…はぁはぁ…」


 実は莫賀北の選手たちは結構疲労しており、もうあまり体力が残っていないようだ。


「…はぁはぁ…はぁはぁ…」


 その()()を狙ってきたDMFの妖香が、中盤まで上がってきた相手の選手からボールを奪った。


「…はぁはぁ…はぁはぁ…」


「…えっ!?」

「ボール、もーらい!」


 実は正処の選手の方がまだ疲労が少なく、若干体力も残っているようだ。


「あっ!」

「よっ!」

「ほっ!」


 トン、ポーン、トォン!


 妖香がすぐに中盤にいるMFの楓にパス、さらに楓がサイドチェンジして、反対側にいるMFの瑠華にロングパス。 そこから瑠華が前線にいるOMFのシェイナにスルーパス。


「おぉ、来ました!」


 この一連の素早い動作、疲れてる莫賀北の選手には、かなりキツイ動きである。



   後半44分


 そのままシェイナが、相手のペナルティーエリアの手前の右側にいるFWの恵美に高速パス、そこからまるで合わせたかのように、恵美が強烈で鋭いボレーシュートをした。


「でぇい!」

「…えっ!?」


 バシュッ、ドォーン!


 なんと相手のGKは何も出来ず、ボールはゴール左隅に素早く入ってゴーール!

 既に時間は後半45分を経過している。


「…はっ、入ったぁ……っ!」


 ピィーーーッ!


 ここで審判のゴールの笛が鳴った。


 なんと遂に逆転、正処女学園が逆転に成功した。

 そして、後半もアディショナルタイムがない為、ここで試合終了である。


 ピィィーーーーッ!!


 審判の試合終了の笛が長く鳴っていた。



 ━練習試合終了━ (P.m.9:20)




   後半45分


  莫賀北1-2正処


 今回は新しく入ったFWのカスミと一時的にFWに転身した恵美が、それぞれ1点ずつ入れて勝負を決めた。


「いやぁ、負けたよ。 さすがだよね。」

「いえいえ、こちらこそ、かなり危なかったですよ。」

「今回は負けたけど、次は勝つからね。」

「いえいえ、こちらこそ、また返り討ちにしてやりますよ。」


 両チームがお互いの健闘を讃える為に握手をしている。




 まず正処女学園の控え室まで戻り、荷物を持ち帰る準備をしてから、控え室を出た。


 そして、正処女学園のみんなが宿泊していた安ホテルに戻ってきて、各自宿泊部屋にて忘れ物がないか確認、最終チェックアウトをして、専用バスで学校敷地内にある特殊な屋内施設まで帰っていった。






 【登場人物紹介】


 名前:カスミ・ジェンキンス (17)

 ●正処女学園高等部3年A組

 身長:163cm

 出身:フランス・パリ

 星座:天秤座

 趣味:料理

 ●得意ポジション:FW

 秘技:不明

 3S:B85/W58/H85

 利足:左足

 備考:黄金のロングヘアーの器用・強運の女の子。 フランスからの留学生で学校の寮に住んでいて、そこから徒歩通学しているようだ。 サッカーセンスとしては、好戦的で攻撃力がとても高く技術も高い。

 ●ステータス

 ◎Lv.2

 ◎パワー:C

 ◎スピード:C

 ◎ディフェンス:D

 ◎スタミナ:D

 ◎ドリブル:C

 ◎パス:B

 ◎シュート:B

なんと練習試合とはいえ、なんとか3連勝!?

これは結構凄い!?

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