*試合C(VS.莫賀北.3)
ひとつのファールでゲームの流れが変わる?
莫賀北1-0正処
後半、正処女学園のキックオフで試合開始。 (P.m.8:35)
最初は後方でボールを回していく。
自分たちのスキを見せず、相手のスキを窺う、いつものやり方である。
勿論、相手もスキを見せてこない。
莫賀北の方は、あともう2点は入れておきたいところである。 それで、この練習試合の勝負を決めたいところなのだが―――
正処の方は、せめて1点は返して同点、引き分けに持ち込みたいところである。 最悪、引き分けで練習試合を終了させたいところなのだが―――
後方から中盤へボールを移動させていて、そこから中盤での激しいボールの奪い合いになっていた。
「はっ!」
「くっ!」
「よっ!」
「おっ!」
お互いの選手がボールを奪い奪われ、ボールの位置がなかなか定まらないようだ。
ここでも実力が拮抗して、ほとんどの選手が中盤からなかなか動けない。
ここで痺れを切らしたのが、莫賀北の選手の方が先であり、ボールを持った正処のDFの光に対して、莫賀北のMF⑥の選手が慌てて強引に鋭いスライディングをしてきた。
ザザァーーッ! ガァッ!
「…えっ!?」
「うわぁっ!」
DFの光が、慌てた相手選手の強引な鋭いスライディングに、足を引っ掛けてしまい、前のめりに倒れてしまった。
ピッピィーーッ!
まだ中盤ではあるものの、ここで審判の笛が鳴った。 当然、審判は莫賀北のMF⑥の選手にイエローカード(警告)を出した。
かなり危険なプレーである。
また両チームの実力が拮抗して、膠着状態が続いた為に、後半もかなりの時間を消費していた。
DMFの妖香がフリーキックで前線までポーンと蹴り上げた。
後半38分
前線にいたOMFのシェイナがボールを受け取り、まだゴールまで距離があるものの、このままの勢いの強烈で素早いシュートをゴールめがけて蹴った。
「そりゃああぁぁ!」
「な、何ぃっ!?」
ドゴォッ、パシッ!
莫賀北のGKが、なんとか横っ飛びの両手で飛んできたボールを弾いた。
こぼれたボールに走って詰めてた正処のFWのカスミが、その転がるボールに追いつき、そこから素早くシュートした。
「これでぇー…終わりでーす!」
「…えっ!?」
トォン、ドォーン!
横っ飛びして体勢を崩している相手のGKでは、素早く対応できず、難なくボールがゴール右隅に入ってゴーール!
「オッケー!」
ピィーーーッ!
審判のゴールの笛が鳴った。
ここで遂に正処がゴールを決めて、1点を返して同点にした。
得点を入れて喜ぶ正処の先発イレブンと、最後までゴールを死守できずにがっかり項垂れる莫賀北の選手たち。 最後まで粘り強く見せた正処の選手たちに軍配が上がったようだ。
後半40分
莫賀北1-1正処
後半、莫賀北女子高校のキックオフで試合再開。 (P.m.9:15)
もうあまり時間がないようなのだが、相変わらずのんびりと後方でボールを回していく莫賀北の選手たち。
「…はぁはぁ…はぁはぁ…」
実は莫賀北の選手たちは結構疲労しており、もうあまり体力が残っていないようだ。
「…はぁはぁ…はぁはぁ…」
そのスキを狙ってきたDMFの妖香が、中盤まで上がってきた相手の選手からボールを奪った。
「…はぁはぁ…はぁはぁ…」
「…えっ!?」
「ボール、もーらい!」
実は正処の選手の方がまだ疲労が少なく、若干体力も残っているようだ。
「あっ!」
「よっ!」
「ほっ!」
トン、ポーン、トォン!
妖香がすぐに中盤にいるMFの楓にパス、さらに楓がサイドチェンジして、反対側にいるMFの瑠華にロングパス。 そこから瑠華が前線にいるOMFのシェイナにスルーパス。
「おぉ、来ました!」
この一連の素早い動作、疲れてる莫賀北の選手には、かなりキツイ動きである。
後半44分
そのままシェイナが、相手のペナルティーエリアの手前の右側にいるFWの恵美に高速パス、そこからまるで合わせたかのように、恵美が強烈で鋭いボレーシュートをした。
「でぇい!」
「…えっ!?」
バシュッ、ドォーン!
なんと相手のGKは何も出来ず、ボールはゴール左隅に素早く入ってゴーール!
既に時間は後半45分を経過している。
「…はっ、入ったぁ……っ!」
ピィーーーッ!
ここで審判のゴールの笛が鳴った。
なんと遂に逆転、正処女学園が逆転に成功した。
そして、後半もアディショナルタイムがない為、ここで試合終了である。
ピィィーーーーッ!!
審判の試合終了の笛が長く鳴っていた。
━練習試合終了━ (P.m.9:20)
後半45分
莫賀北1-2正処
今回は新しく入ったFWのカスミと一時的にFWに転身した恵美が、それぞれ1点ずつ入れて勝負を決めた。
「いやぁ、負けたよ。 さすがだよね。」
「いえいえ、こちらこそ、かなり危なかったですよ。」
「今回は負けたけど、次は勝つからね。」
「いえいえ、こちらこそ、また返り討ちにしてやりますよ。」
両チームがお互いの健闘を讃える為に握手をしている。
まず正処女学園の控え室まで戻り、荷物を持ち帰る準備をしてから、控え室を出た。
そして、正処女学園のみんなが宿泊していた安ホテルに戻ってきて、各自宿泊部屋にて忘れ物がないか確認、最終チェックアウトをして、専用バスで学校敷地内にある特殊な屋内施設まで帰っていった。
【登場人物紹介】
名前:カスミ・ジェンキンス (17)
●正処女学園高等部3年A組
身長:163cm
出身:フランス・パリ
星座:天秤座
趣味:料理
●得意ポジション:FW
秘技:不明
3S:B85/W58/H85
利足:左足
備考:黄金のロングヘアーの器用・強運の女の子。 フランスからの留学生で学校の寮に住んでいて、そこから徒歩通学しているようだ。 サッカーセンスとしては、好戦的で攻撃力がとても高く技術も高い。
●ステータス
◎Lv.2
◎パワー:C
◎スピード:C
◎ディフェンス:D
◎スタミナ:D
◎ドリブル:C
◎パス:B
◎シュート:B
なんと練習試合とはいえ、なんとか3連勝!?
これは結構凄い!?




