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異世界転生ハムスター  作者: 森林 木々
14/34

13.成長

「ピューイ!」


 進化しても私との関係が変わらないことが嬉しいのか、マシロが高く澄んだ鳴き声をあげる。大きな綺麗な羽を伸ばすと、私の視界は真っ白になった。


『それにしても…大きくなったね』


 身長だけならば私の三倍くらいだろうか、かなり成長したマシロを見上げる。

 ベビーフェザーの頃と同じ、頭のてっぺんにあるくるんと丸まった羽。サイズこそ違えど、以前とさほど変わりない姿。表情が少しだけ大人びているような気はするけど…これでもう大人なのかな。

 進化したマシロを、こっそりと鑑定する。



【名前】マシロ

【種族】ミニフェザー

【ランク】E+

【レベル】1/15

【HP】18/18

【MP】14/14

【攻撃力】12

【防御力】9

【魔力】11

【素早さ】15

【器用さ】8

【固有スキル】なし

【通常スキル】飛行Lv3、体当たりLv2、つつくLv2、氷魔法Lv2

【耐性】落下耐性Lv1

【称号】なし



 …()()


 私はもう一度マシロを見上げる。身長だけなら私の三倍、身体全体で見ても五倍以上はある。


「ピュイ?」


 うんうん、その首を傾げる姿もかわいいんだけどね?


 ………()()




 私は魔物というものを、よくわかっていなかったらしい。そもそも、ただの小動物と比べるのが間違っていたのだった。






 魔物と動物ではやはり違うんだと実感する。魔物は動物と違って、進化することで大きく成長出来る。しかし動物はそうはいかない。一長一短で飛べるようになる訳でもないし、狩りが出来るようになる訳でもないのだ。


 進化してスキルのLvが上がったおかげか、マシロの飛行能力はかなり上昇していた。高い位置からしか飛べなかったのが、今では勢いをつければ地面からでも飛べるようになっている。

 双子の木の周りを元気に飛び回るマシロ。いいな、今度私も乗せてもらおう。


 そういえば、結局マシロがまだ子どもなのか調べてなかったな。えっと、ミニフェザーは…



【ミニフェザー】フェザー種の幼少期の魔物。様々な属性の祝福を受け、進化する際にはその属性の色の羽を持つようになる。



 まぁ、ミニって種族につくくらいだからまだ子どもだよね。となると、次進化すると大人になるのかな。

 進化してランクが上がったからレベルの最大値も増えてるし、次の進化はもう少し先になりそうだ。戦う相手も、プチスライムだけでは経験値不足かもしれない。何か他の魔物も探さなくては。


『ふわぁぁぁー…』


 大きな欠伸とともに、私は自分の短い手足を大きく伸ばす。

 しまった、ちょっと日向に居すぎたかな。ぽかぽかな陽気に当てられて、すごく眠たい。

 さすがに外で寝る訳にもいかないし、巣穴に戻ろう…って、あ。


 巣穴に戻ろうとして、私は重大なことに気付く。厳密に言うと、私のことではなくマシロのことに。


『通れない、よね…?』


 マシロの身長はおおよそ私の三倍。巣穴の入り口は、ハムスターの私なら余裕で通れるくらいだ。いくらなんでも、今のマシロには狭すぎる。


 空を飛ぶマシロを見上げる。恐らく、本人はこの事実にまだ気付いていない。巣穴に入れないとわかったら、また今朝のように落ち込むマシロが安易に想像できた。


 …マシロが気付く前に、なんとか入り口だけでも広げよう。




 私は寝ぼけ眼をこすりながら、入り口を広げる作業に取り掛かった。


 …私、毎日リフォームしてる気がする。




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