参:妹の夏
私というものは、何をやってもだめなのです。
まず、死ねません。
高い所から落ちました、首を吊りました、手首を切りました、水死を計りました、挙げ句の果てには呪われて殺してもらうと思いました。
なんて、愚かな、自殺行為。
もっと私は、死ぬべきなのです。
こんなだめな人間、いなくなればいいのです。
お姉様、お兄様、どうして私は死ねないのですか。
生きる意味とか、わかりません。
もう生きるのはつらいんです。
死にたいです。
だめな人間がこれ以上生きていてはだめなんです。
でも、私は、やっぱり、死ぬことが怖いです。
だから生きているんです。
醜い人間なんです。
誰か、出来ることなら、私を殺してください。
一緒に死んでください。
寂しいとか悲しいとか、私にはそれしかないんです。
満たされていないんです。
何もかも。
だから。
私は、こんなことをやっています。
きっと人間失格なんです、他人にも、友人にも、家族にも、自分にも、びくびくしながら、恐怖しか、ありません。
怯えているんです。
だから、食べるのです。
私が、もっとも生きている価値なんです。
本当に美味しいです。
あらゆる部分で柔らかかったり、固かったり、とろける肉がもっとも大好きなんです。
けど、私は、食べてやったのに、死にたいと言うのです。
つまり、私は、食べれたいのです。
私は頼みました。
食べてください。
お兄様は私を汚し、憎み、お姉様は泣きました。
そして私は死に、二番目か三番目の缶詰めになりました。
私を食べてくださり、どうも、ありがとうございます。