表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
缶詰めの夏  作者:
6/16

弐:娘の夏


中に入りました。


そこには、人がたくさんいました。

醜い人たちがたくさんいました。


空気は乾き、潤っている、よくわからない触り心地。


人たちは両親と私を見ました、けど、すぐに一定の場所を見つめた。

ここは上から鏡越しで覗ける隔離されている下の部屋が見れるらしいです。

人たちさんはそこをジッと見つめています。


何でしょうか。

何を見ているんでしょうか。

何をそんなに、期待しているんですか。


両親も眺めていました。

私は両親の間に入って、それを眺めました。


......え。


私は、目を、疑いました。

信じらんないです。

私は、奇跡、または夢を見ているんでしょうか。


そこには椅子に座っている、彼がいました。


そう、幼なじみです。

私の会いたかった、幼なじみです。


私の、初恋の人。


やっと、会えた。

やっと、やっと、やっと。


運命が引き合わせてくれたのです! 、いえ両親が私たちのことを認めてくれたのです!。

幼なじみが何やら変わった椅子に座っていました。


頭、肩、腕、手、指、腹、腰、足、爪の先まで紐で固定されていました。

まるで逃げないように固定されていました。


そこの部屋にいるのは白衣やら全身真っ白な人だけでし。

そんなことより今すぐに会いにいきたい、彼の元に。


お父様お父様、お母様お母様。

私を彼に会わせてください!。

私をあそこに連れて行ってください!。


お母様は今は駄目といい、お父様は終わったら良いぞ。


今? 終わったら?。

言っていることが、よくわかりません。

何かを、始まるんでしょうか。

とりあえず、見ました。


彼は大きくなっていて、かっこよくなっていました。

髪は伸びて、身体を大きくなっていました。

あの時より、大きくなりましたが、変わりません。

私の知っている彼は、まだそこに存在していました。


けど。


白衣を着ている男性が大きな、刃物を取り始めました。

周りの人たちは、息を飲みました。


そして、白衣を着ている男性は大きな刃物を振り落としました。

彼の肩に、振り落としました。


腕は切断しました。

腕は地面に落ちました。


彼は叫びました。

痛々しいほど、叫びました。


何が、起きているんでしょうか。

今、何が、起きているんでしょうか。


周りが蝉みたいにうるさい。

頭が夏みたいに暑い。

なに、なんで、なにこれ。


なんで。

なんで。


なんで、なんでなんでなんでなんでなんで?。


気がついたら、彼の四肢は切り落とされました。

息、しています。

まだ、生きています。


苦しみながら生きています。


嘔吐しようとしました。

目を逸らそうとしました。


けど、無理だったのです。


お母様が、あなたが料理するのよ。


お父様は、私たちの娘だからな、と愉快に、笑いながら言いました。


やっと、やっと、会えたのに。


私の、私の、彼は。


もう、肉片しか、残ってないのです。


私は、彼を料理しました。


泣きながら、缶詰めにしました。


私は、彼を食べました。

 

無理やり、食べさせられました。


とっても。


悲しくて。


不味くて。


でも、おいしかったです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ