第19章 日常の登校に於いて
〈二番線に、徳日行きが、到着します。〉
清峰市営地下鉄辻通線。僕は毎日此の路線で東清峰駅へ出て、西急電車に乗り換えて居る。毎日非常に混雑して居るのだが、本日とて例外ではなかった。然し、今日は一つ何やら不思議に思ったことが有った。と云うのも、車内の隅でスウィッチで遊んで居る人が、どうにも武石先生によく似て居たのである。が、混雑の為も在って中々思う様に近づけず、声も掛けられなかったので、似て居るなあと思っただけで僕は何もしなかった。
そうこうして居る内に、列車は東清峰駅に着いた。此処では乗り換えられる路線が幾つか在り、大半の乗客が此処で降りる。かくいう僕も其の一人で有り、此処から西急電車清峰市駅まで歩かねばならない。この日も朝早い為目を擦り乍ら僕は乗り換えの為歩いていたのだが、清峰市駅への入口に差し掛かった頃に、「山田、山田」と呼ぶ声がふと後ろから聞こえ、振り返ってみると、武石先生が居た。そういえば、武石先生は僕と家の方角が同じだと言っていたので、通学途中に会うことが有っても何らおかしくないのである。其処で僕は、授業中にスマホを弄る人が多すぎるのでレタリングしてポスターを作り啓発して居ることや、此の前西急が二十分遅延したこと、変な焼肉屋を見つけたこと、水橋駅前の薬局の看板の一文字目が外れたことなど、どうでも良い話をして居た。が、武石先生はことある毎に「廃部にするぞ」を連呼して居た。
此処迄口癖が特徴的な先生も中々居ないのではなかろうか。




