:支配
ども、お初にお目にかかります。
学園物のはずなのに雲行きがあやしい
私立昇光学園――――今年出来たばかりの全寮制ね私立高だ。できたてホヤホヤの新校舎、広い芝のグラウンド、無駄にあるテニスコート、そして敷地面積甲子園八個分というとてつもない面積がこの学校を物語っている。
昇光学園の創立者は臥方利通。最強の企業経営者であり、この男に挫折の二文字は無い。主席で東大を卒業、その後独学で経営学を学び若干二十歳にて企業、海皇グループを立ち上げる。その狡猾さと頭の回転の速さからライバル企業はたちまち倒産、吸収されていった。何度も裁判沙汰になったが、弁護士を雇うことなく自ら壇上にたち、全て勝訴している。国の五分の一はこの男が握っているといっても過言ではない。そして、四十歳にしてこの学校を作り上げた。
建設当初から話題となっていた。ある記事はこう書いた。「この学校は、社会の縮図であり、魔窟になるだろう。」と。付け加えるならば、この記事が載った会社は倒産した。そして、入学試験――――。試験は筆記と実技に分かれている。筆記は、中学レベルから大学レベルまで、広く出題された。実技では、実際に小学校の教員を務めるというものだった。
この学校に定員はない。条件をクリアしたものが入学出来るのだ。
結局、晴れて入学出来たのは八百八十三人。入学試験をトップで通過したのは学校長の一人娘、臥方莉子だ。父親の性格をそのまま受け継ぎ、狡猾さと人を惹きつける魔性がある。
俺は、恐らくほとんどビリだ。というのも、実技のほうを欠席した、つまりは筆記だけで入ったことになる。筆記六百点実技三百点で、六百点以上が合格だからビリは間違いない。入学試験の成績は、クラス分け、さらに優先順位まで関係してくる。優先順位は、大きく二つに分けられる。上から二十五パーセントと、それ以外だ。この学校長は優秀な人材を育て上げることに定評があるという。だとしたら、どうするのが効率がよいか。
つまりは、そういうことだ。
この学校に入っても、二十五パーセントに入らなければ意味がないといっても過言ではない。おまけにそのクラス分けは年に一回しかない。筆記で満点を取りながら下の待遇というのは屈辱的だ。しかし、そんな待遇から抜け出せるチャンスはある。生徒会だ。この学校のいう生徒会とは、ただの「代表」ではなく、完全なる支配者である。この学校において生徒会の命令は絶対だ。
さらに、生徒会の支配を強めたのが「ポイント制」である。これだけならなんら恐ろしいようには見受けられないが、実態はそれとは大違いだ。この学校は、ポイントがないと生活できない。なにかを使うにしても、ポイントがいる。授業やテストでポイントは増えていくにしろ、多いに越したことはない。
そして、生徒会はそれを自由に剥奪する権限を持っている。
いくらクラス分けが低くても、生徒会というだけで待遇は大違いだ。
よって、俺はまず最初の選挙で生徒会役員にならなければならない。倍率が高いのは必死だが、一人ずつつぶしていけばなんとかなるだろう。
こうして、猜疑心に満ちた学校生活が幕を開ける。
主人公の名前が出てきていないのは仕様です。
まだ決まってないのではありません。
まだ決まってないのではありません。
・・・次までには決めます




