第二話 でっち上げ
「て言うのが、飢影伝説てわけですわ。」
とある大衆向けの飯屋で、三人の男が注文もせずに居座っている。
「ふーん、しっかし松、そないな刀本当にあるんか?」
「そ、そうすよ。それに呪いだなんて……そんなもの見つけたくないすよ。」
松はニヤリと笑ってこう言った。
「金丸親分も明次もなんにもわかってませんわ!いいですか?これは十中八九作り話!誰かが言った話に尾ひれがついて、こんな物騒な噂になってるんですわ。」
「そ、そうすかね?」
「そうに決まってるわ!」
松が顔をボリボリかきながら、不機嫌そうに答えた。
「そこでわっし思いつきましてね〜。あの山、こんな噂がたってから全く人の出入りがなくなった。つまりこの飢影伝説は、都の人間ほぼ全員が信じている。そこでわしらが山に行って、飢影を取ってくれば良いんですわ。」
「ぎゃ!やっぱり取りに行くんじゃないすか!」
「ん?松、お前がこの話は作り話って言ったのになんで取りに行くんだ?行っても結局何にもないんじゃないんか?」
「そうですね。行っても多分な~んにも無いっすわ。」
「じゃあなんでや?」
松が引き笑いをしながらこう言った。
「だから数日間この山で過ごして、それっぽい時になったらこのオンボロの刀をわっしが持っていきますから、それを親分が大衆の前で見せびらかせばええんですわ。」
金丸は顎に手を当ててこう言った。
「松……お前なかなかええ案やないか。」




