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戦国クラス転生  作者: 月本 一
285/298

284 法整備

感想、誤字報告いつもありがとうございます。

次回更新は01/18(日)

(1577 一条房基(55))

 織田信長の征夷大将軍就任と同時に惣無事令が発布された。これは大名間の領土紛争を禁止するもので、前年には骨子が各地に通達され、帝による御名御璽(署名と押印)が押されたものが各地に公布された。帝の譲位と遷都を前に戦争停止が宣言されたのだ。


 衆議院には各地の大名の代理が議員として参加しているが、議論についていけている者は少ない。次々と提出されている法案に追いつかない上に、国元に確認する前に採決に進むことが多いからだ。惣無事令の次に武家諸法度が制定された。大名間の戦の禁止、幕府の許可のない婚姻や築城の禁止、幕府が設置する以外の関所の廃止など、大名を統制する15条ほどの少ない条文から成っていた。追加する条文はいくつも審議中である。


 武家諸法度に遅れて諸士法度も制定された。これは大名以下の所領を持つ武家が対象となる法律で、御家人(将軍の直臣)や奉行、大名の庶流(分家)などを統制する20条ほどから成っていた。


 公家を対象とした禁中並公家諸法度は衆議院で提出されるも、参議院での抵抗が強く、衆議院の優越はないため、何度も両院協議会が開かれることになった。武家が先行して自分達を律する法律を立案した上で、公家にも統制を求めた。公家側は番外戦術を駆使した。鷹司家以外にも断絶していた家の再興を図って、参議院の議員数を増やしたり、地縁や血縁のある地方大名の議員に声を上げさせて、衆議院に揺さぶりをかけた。そのため遅延することになったが、正論で踏み込んでくるため抵抗も虚しく、修正を繰り返し禁中並公家諸法度も制定される見通しである。


 寺院諸法度の制定は当初は混迷していた。座主、門主など皇族や公家が住職をしている寺院は多い。これらの寺院からは参議院議員が輩出されていたが、全ての宗派共通の法制度を文章化するのは至難の業であった。衆議院側からの立法には時間がかかり、参議院で素案をまとめている最中であった。現場の寺院には危機感があった。三好長慶は比叡山延暦寺を焼き討ちし、本願寺も降伏させた。織田信長は紀州征伐をし、高野山も降伏させた。これら多くの寺院は寺領が取り上げられ、再建が認められていない寺院が多かった。その後、寺社の個別に発生した抵抗は全て武力で鎮圧されていた。寺院の再建許可や遷都される名古屋での寺院建立許可を寺院諸法度の推進と引き換えにされていた。法案成立が遅れれば遅れるほど状況が悪くなると気づき、ようやく宗派を超えて取り組み始めていた。


 法整備が進む中で、寺社・公家・武家・諸士それぞれを管轄する奉行、立法を研究・立案する法務官僚、各地に発布する書類を印刷・発送する部門など、多くの文官が不足していた。土佐大学校、伊予商科大学校、周防大学校、千利休が堺と大坂に設立した私塾などの学閥から、多くの人材が職を得ることになった。


 幕府は検地と刀狩りも始めていた。検地とは言っても幕府が調べるのではなく、大名による自己申告制であった。四国、大友領、毛利領(吉川領、小早川領は除く)は検地済みで速やかに提出された。四国と大友領では既に戸籍が整っており、武器所持は免許制になっていたため、これらの地域では刀狩りは行われなかった。刀狩りの名目は新都である名古屋に作る大仏の材料にするためとされた。しかし、武家諸法度が発布されても全国の大名が従ったわけではない。検地と刀狩りは幕府に従うかの踏み絵だった。九州・関東・東北・越後の大名達は対応しなかった。実力行使などされないと甘く見られており、様子見だけでなく領地拡大を進める勢力もあった。関東は北条氏が巨大勢力になっているが、九州と東北への征伐は避けられないことになりそうであった。

 惣無事令(1585)、武家諸法度(1615)、諸士法度(1632)、諸宗寺院法度(1665)、禁中並公家諸法度(1615)。括弧内は制定された年ですが、その後何度も改定されたり、別の法令が作られています。寺院関連は真言宗法度(1601)など宗派個別に法度が作られています。


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