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【完結】オオカミはフードを被る  作者: Nadi
番外編

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99/99

あなたが好きな理由

ついに、10,000PV感謝感激記念。

といっても、なんてことはない二人がいちゃこらしているだけの短いお話しです。

本編でさせたりなかったから‥‥あとは、ソールくんは元気です。

 魔獣の王との戦いを終えたキエリとフェリクスたちは王都の復興に忙しい日々を過ごしていた。


城は人間が住めるような状況ではなく、復旧するまでキエリとフェリクスは街に家を建ててそこで一緒に暮らしていた。


 「フェリクスただいまー、はぁ今日も疲れた」


キエリが疲れた様子で家に帰ってきた。


キエリが家の空気を吸うとスープのいい香りが鼻に飛び込んできた。


 「おかえりキエリ、ごはん食べる?」

 「うん! ありがとう」


今日はフェリクスが先に帰って来ていて、夜ご飯を作ってくれていた。


好きな人がお家で待ってくれているのはなんだか嬉しく感じて、どれだけ疲れていても笑顔が自然とこぼれる。


 キエリとフェリクスは、夜ご飯を食べて寝る支度をして、同じ寝台に潜り込む。


復興の仕事に忙しくて少し話したらすぐにお互いに眠りについてしまうのが、ここ最近ずっと続いている。


昼間は別々に行動していることが多く、家でのわずかな時間が一緒にいられる貴重な時間だ。


 フェリクスがキエリ欠乏症で限界がきているのか寝台の中でキエリを抱きしめて、そこかしこに口づけしてくる。


 「だめだ、せっかく平和になったのに‥‥キエリが足りない。窒息しそう」

 「ふふっ、わたしが足りないと窒息するの?」

 「うん、キエリは俺にとってなくてはならない存在だから」

 「わたしだってそうよ。フェリクス大好き‥‥」


フェリクスのキエリを見る視線がより熱くなる。


 「‥‥今日するのはだめ?」


キエリも見つめられるとからだが熱く、心臓の鼓動が早くなる。


 「いいよ‥‥明日、実はお休みになったの」


フェリクスは、それを聞いて目を丸くした。


 「俺も休みだ。休みが重なるなんて久しぶりだな」

 「もしかして、周りのみんなに気を使わせちゃったかな?」

 「あぁ‥‥でも、それなら遠慮なく一緒の休みを楽しもう。何したい?」

 「んー‥‥森に遊びに行きたい」

 「わかった。明日、馬を借りて森まで行こう」


フェリクスがにこりと笑うとキエリのふわふわしっぽが毛布の中で揺れた。


 話しに区切りがつくとフェリクスの手がキエリの服の中に忍び込みいたずらする。


 「ふふっ、くすぐったい」


キエリがころころと笑う中、フェリクスがキエリの頬に首筋に口づけを落としていくと、キエリの声がどんどん砂糖のように甘くなっていく。


 「キエリ、可愛い‥‥」


フェリクスの声に再び熱がかえってきた。


 「明日は出かけるから加減して、ね?」

 「努めます‥‥」



 次の日の朝、馬小屋に行くとソールがいた。


 「よっ! お二人さん、夫婦でデート?」


ソールは、太陽のような人を明るくする笑顔でキエリとフェリクスを迎え入れた。


 「おはよう、からだの調子はどうだソール?」

 「ん、ばっちし! 最初は驚いたけど、慣れれば前と変わらないかな。しっぽがある分ちょっと便利になった」


彼は、魔獣にからだを改造されて両手足がドラゴンの鱗に覆われたものに変わっている。


それにしっぽまでついて以前とはすっかりからだが変化したが当の本人はそれほど気にしていないらしい。


蛇腹状の伸び縮みするしっぽで遠くに置いてあったブラシを器用に取った。


 「な? これで遠くにあるものも取れてしまう! 木にだってぶら下がれるほどの強度! フェリクスもつけてみたらどうだ?」


フェリクスに冗談交じりに笑いながら話す。


彼がこんな冗談を言うのは変に気を遣ってほしくないのだろう。


 「俺がつけるんだったらキエリと同じしっぽがいい。というか、つけられるものじゃないだろう」

 「あっはっは! フェリクスも冗談にのれるようになったな? いや、なんか前半は本気そうだけど‥‥んで、デートのために馬借りに来たの?」

 「はい、一頭お願いしてもいいですか?」


キエリがにこりと笑ってお願いするとソールも笑顔ではい!喜んでと、一頭の立派な馬を連れてきた。


鞍も準備してくれて、フェリクスが先に馬にのり、キエリを引っ張り上げて前にのせる。


 「ありがとうございますソールさん。ルナさんにもよろしく言っといてください」

 「わかりました! そういえばオレの嫁さん‥‥あぁ、いい響きだな‥‥オレの嫁さんが!今度街に出店したスイーツ屋さんにキエリさんと行きたいって言ってましたよ」

 「ふふっ、新しくできたあそこですね、わかりました。絶対一緒に行きます」


 フェリクスとキエリはお礼を言って馬を近くの森まで走らせた。


 森の中の川が流れている近くに大きな布をしいて、お昼ご飯に持ってきたサンドウィッチが入ったバスケットを置く。


キエリは、布の上でごろんと転がって森の澄んだ空気を深く吸っては吐いてを繰り返す。


 「やっぱり、森は落ち着く?」

 「うん、空気が澄んでて吸い込むと気持ちいいよ」

 「確かに」


フェリクスもキエリの隣に座って深呼吸してみている。


そんなフェリクスをじっとみて、キエリは何か思いついたらしくあっと声をもらした。


 「フェリクス、横になって」

 「ん? こう?」


フェリクスが仰向けに寝そべるとキエリはフェリクスのお腹をぽんぽんと触った後、枕代わりにしてしまった。


 「ははっ、俺のお腹なんて枕にして、硬くないのか?」


フェリクスのお腹は、鍛えているのもあって割れている。


 「フェリクスのお腹がいいの」


フェリクスは、キエリが変わった甘え方をしてきたので少し笑った。


このまま目をつむったら、眠ってしまえそうなほど陽ざしもよく、風も心地よかった。


しかし、今度はフェリクスが何か思い出し口を開いた。


 「キエリ‥‥キエリってなんで俺のこと選んでくれたんだ?」


キエリは、頭を持ち上げて大きな瞳をぱちぱちさせてフェリクスを見た。


フェリクスは、半分自信なさげに半分不思議そうな顔をしていた。


 「俺はキエリのことを好きになったきっかけは、正直一目ぼれだけど‥‥キエリはなんでかな、と‥‥」

 「俺ばかりキエリのこと好きになって‥‥少し、重たく感じさせているんじゃないかと‥‥」


フェリクスは、眉を寄せて、少し恥ずかしくなったのか頬がほんのり赤くなっていた。


キエリは、きょとんとして少し上を向いて何か考えた後、今度はフェリクスのお腹にしがみつくように体重をかけてのっかってきた。


 「‥‥フェリクスは愛情深いとは思うけど、重いとは思わないな。うーん、よくよく思い出せば、わたしってそういうのを口に出すのうまくないのかも。フェリクスはよく言ってくれるけど」

 「あのね、変に思わないでほしいのだけど、最初は‥‥‥好きになったのフェリクスの匂いだった」

 「に、匂い!?」


フェリクスは、まさかそんなところを言われるとは思わず、そんな自分の匂いは変わっているのかと心配になりながら、自分の腕の匂いを嗅いだが何かわかるはずはなかった。


 「フェリクスは安心する匂いがするの‥‥わたしにとって大事なのよ!」

 「そ、そうか‥‥」


これは、喜んでいいのかどうかちょっとフェリクスにはわからなかったが、キエリに気に入られているならいいかという答えに落ち着いた。


 「あとは‥‥声に顔かな‥‥あと、おっきい手に‥‥腕‥‥脚‥‥お腹!」

 「ぉ、ぉおん‥‥」


キエリは、本当にどこどこが好きと言うのを言葉で言い表すのが苦手なのか、よく考えながら懸命に言ってはくれているがどうにもぶつ切りで、きいているこちらとしては不思議な感覚だ。


 「あと、そう! これが一番好き!」

 「な、なに?」


今度はからだのどの部位が来るのかと身構えた。


 「かわいいところ!」

 「え!?」


キエリは、満面の笑みで答えた。


 「か、わいい? 俺が?」

 「うん、フェリクスってかわいいと思う」


馬鹿にしているわけではなく、少し照れながら嬉しそうに言っている。


 「でも、これはフェリクスとお付き合いし始めてから気付いたことかな。ちょっと気にしいで繊細で優しくて甘えん坊‥‥それをひっくるめて、かわいくて愛おしいって思う」

 「そうか‥‥」


フェリクスは、愛おしいと言われてしまっては、反論する必要などなくてただ頭の中でその言葉を繰り返してじんわりと噛みしめた。


 「あ‥‥俺もそういえばキエリのことかっこいいって思うことが多いな」

 「わたしが?」


今度はキエリが驚いたように目を丸くした後に少し笑った。


 「ほら、ゾンフの時も魔獣の王と時もかっこよかったな‥‥危ないと言えば危ないけどさ、でも俺はそんなキエリの姿にいつも勇気をもらっていたよ」

 「そ、そっか‥‥」


照れてしまって、顔が赤くなって獣の耳をぴくつかせてしっぽを自分の足にまいている。


 キエリは、照れるのが収まった後、フェリクスによじ登ってきてからだ全体を完全にフェリクスにあずけてフェリクスを寝台の様にしてしまった。


 「今日は積極的に甘えてくれるんだね」

 「重い‥‥?」

 「違うよ、俺はこうしてもらえると嬉しいよ。いつもは逆だから‥‥」


フェリクスは優しく笑って、キエリの頭を撫でた。


キエリは、フェリクスの大きい手に撫でられると気持ちよさそうに微笑んだ。


 「ふぁ‥‥このまま、寝ちゃうか」

 「うん」


二人は、こうして一緒にいるだけで満たされていくのを感じた。

ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

よければ「呪われた王子と幸せにしたい少女」も読んでくださると嬉しいです。

別世界でのキエリたちが見られます。


小話

以下、どうでもいい小話です。

オオカミはフードを被るに出てくるシーンは本当に少しですが、自分の実体験を参考にしてます。

キエリが王都でルナ、ソール、フェリクスとお出かけしたときにルナに手をつないでもらっていたところは、実際私が齢19の時に伯母さんがしてくれたんですよね。

我ながらけっこうでかい(笑)たぶん人が多いからってやってくれたんでしょうけど(笑)

嬉しかったのでつないだままでした。

手つなぐの嬉しい。


あとは、アクイラ君の暴言ですね。

初対面で暴言吐いてきたおじさんがいて、なんだか思い出してしまいました(笑)

まぁ、アクイラ君とは天と地ほどの差がありますが‥‥

ちゃんと怒ってくれた人もいましたよ。世の中いい人いっぱい‥‥


そんな、どうでもよいお話しでした。

辛抱強く読んでいただいた方々ありがとうございます。

今後もちょこちょこ番外編出せたらなぁ、と思います。思うだけかもしれません。

では、またの機会に

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