第三夜「満月の約束(後編)」
「あ”ー!洸!どうして、私が迎えに行ってはダメなんだ!」
「ダメに決まっているだろ!それに仕事はどうするの!? 全く、お茶持ってくるから、おとなしく待ってなさい!」
「ブーーー。」
バタン! 前回登場したユウ・洸。只今お仕事中、“絢をご招待と迎えに行く”と突然言い出し……仕事を放り出される前に洸は兄であるユウを捕まえ、皐月・息子の慎也を行かせた。三十分経って今の状況だ。
だが、ユウは洸が出て行ったのを確認し、カーテンの後ろに隠してある紐を窓の外へたらし、古典的にもその手で逃げた。
ユウ曰く逃げるときは計画的かつ準備をしておくものだ!らしい……。
そして、馬に乗り何処へと行ってしまった。
ガチャ、扉を開け、洸が戻ってきた。
「兄さん、お茶いれてきたよ。今日のはーーって、あんのクソ兄貴ーーーーーーーーーーーー!」
洸の怒鳴り声はユウには聞こえなかった。いや、聞こえるはずもない。
「フハハははははははははは!今会いに行くぞ!我が姫君!!」
かなりの早さで危険人物へと発展していった…………。
一方、絢たちは?
「………へ?」
「ご……ご招待って……。」
「もちろん俺達ご主人様のお屋敷!」
「?、ご……ご主人って……。」
突然の訪問者に、突然の屋敷への招待。どこからツッコんでいいのやら、戸惑うばかり、どう返せばいいのかわからない。それよりも何か聞こえてくる………。
「兎に角一緒にーー」
「我が姫君!迎えに来ました!」
洸の息子・慎也がしゃべろうとするが暴れ馬に乗ったユウ登場、どれぐらいのスピード出来たのだるう馬も悲鳴をあげていた。
「屋敷へのご招待」首謀者登場により絢と絋は半場強制的にランシュ家へと案内された。
「もう~、いつも僕が言う所でいつも邪魔が入るの?ブ~!」
「慎也様、落ち込まないでください。お屋敷に戻りましたら、慎也様の大好きな紅茶をご用意します。」
「………うむ。」
「あ、あの……。」
「「「「?」」」」
「どうしました?ささっ、姫君。我が屋敷に来てくれて光栄です。ささ、中へーー」
「は、はぁ。」
絢の家「如月家」から三十分。着いて屋敷を見た途端固まった、絢と絋。
三階建で、外壁はレンガ、でかい洋風建物にあ然。
そして、中へ入ると理想的な玄関、二階へと続く真ん中から別れた階段にはジンが座っていた。
「あ!お帰り臨也。ってあれ?お前……どうしてー」
「少し黙ることはできない?ジン、お客様が来ているのに。」
読んでいた本をたたみ、絢達の元へと歩み寄る。
「へいへい、悪うござんした。あ、そうだ親父。」
「“親父”ではなく“お父さん”と呼べ!それで何だ?」
これが日常的、話だと言ったら驚くだろな……
「えーと、洸さんがすっげー形相で搜しまっくてた。」
「へぇー、何かもってた?」
「「え”?」」
「ん?」
「なにか?」
「「いいえ何も……。」」
一瞬、聞いてはならないことを聞いてしまったような気がした、絢と絋。
それでもジンと慎也はケロッとした顔で話している。だが、ユウは真っ青な顔をしていた、それは……
「兄さん、お帰り。」
二階から降りてきた、洸。なんだか怖い。ブルブルと震えるユウ。
「仕事を放り投げて何処に行ってきたの?」
「ーーっ、洸……いやその何。姫君を迎えに行っていて……あ!そうだ、お前の好きな茶菓子を買ってーー。」
「……、そう。」
カッコッと階段から降りてくる洸。ユウは怯えながらも冷や汗を出している、お菓子で機嫌をとろうとするが……効果はなかった、むしろ悪化していた。
「それは嬉しいけど、仕事を終わらしてくれると嬉しいな♪」
「むぐっ」
笑顔でありながらもドス黒いオーラ全開!
臨也・彰は平然として見ていたが、子供である絢・絋・ジン・慎也は怯えていた。 ふと、絢が顔を上げると洸と目があった。歩み寄る洸、先程よりは優し顔で。
「大変申し訳有りませんでした。この度はこのバカ兄が大変失礼な事をしました。まぁ、ゆっくりしていてください。このバカの仕事が終わり次第、すぐに戻ってきますので。」
「って、洸!いちいち私の事をバカ呼ばわりーーー」
「ハイハイ、それでは。」
お詫びの事を言い、ユウの首根っこを掴んで西の館へと歩いって行った。
残された絢たちはジンたちの案内により別室に案内された。
「!、松風!」
洸が“松風”という男性を呼んでいたのを絢は聞いていた。
ガチャ、ズズーと優雅に紅茶を飲む姿はカッコいいといえるだろう。
絢達がいるのは東の館にある客間、大人数のためか、テブールは広く、椅子もたくさんありデザインが凝っている。
「それにしても、あんた彼氏持ちとは知らなかったぜ。」
「ジン、いい加減なことを言うな。お前だって彼女がいるだろう?」
「うっせ、そんなの忘れた。」
客間には客人、絢・絋、屋敷の住人、ジン・慎也・臨也・彰。
入り込めない雰囲気である。
「一体、どいう奴らなんだ?吸血鬼には見えないぜ?」
「アハハ、私もわからないよ。絋。」
客間に着いてそうそう「見合い」の話題になった。絢と絋が一番気にしている話にはたどり着けないと思った頃、コンコン。
ドアをノックし「失礼します。」と言って入ってきたのは、仕事を終えたユウ・洸、新たに茶器を持ってきた、彰・初めて見る時雨。
「楽しそうに話してるね。慎也。」
「父上。」
「あれ?以外に早かったな。いつもなら一時間ぐらいかかって仕事終わらせてくるのに。それに……なんで生き生きしてんの?」
「ふん!子供のお前には分からんだろう!姫君ー貴女のためなら私は何でもします。たとえ火の中、水の中何処へでも行きます。」
「は、はぁ。」
仕事を終えたユウ、息子であるジンはいつも親の背を見て育ったせいか、親をよく知り尽くしている。
ユウは生き生きした状態で絢の手をとりクサイセリフを言った。
「とにかく、ユウ叔父さん。二人に説明があるんですよね。」
「ああ、そうだったな。真実を話そう。」
それぞれが椅子に座り「真実」を語り始めようとする。
なぜこうなったなかというと、ユウと会った絋は驚いた。それはこれから話される真実。
「さて、草津殿が一番聞きたいと言っておったな。」
「ああ、あんた達吸血鬼は知っていると思うが祖父は吸血鬼ハンターだった。十年前、ある吸血鬼を倒したと日記には記されている。ユウ・ランシュ。あんたの名前がな。」
「……。」
「どうしてあんたが生きている!?祖父は確かにあんたの心臓に杭を打ち込んだ!どうして!」
絋が知りたがっていた「真実」。
絋の家は代々伝えられてきた、“吸血鬼ハンター”。十年前、ある事件により吸血鬼討伐命がくだされた。絋の祖父、父が討伐を行った。 が、
絢の父親がお見合いで出会ったランシュの事を絋の父親に話しをしていた。それを立ち聞きしていた、絋はただ真実を知りたかった。
どうして、祖父が死んで倒したはずの吸血鬼が生きているのか。どうして幼馴染みと婚約したのか……。
「確かにあの日、、私はハンターに殺されかけた。あの日、下弦の月で全力を出しきれなかった。」
「……。」
「僕達、吸血鬼は満月の時だけ力を出せるんだ。新月の夜はどうなるかわからないけどね。」
「え……。」
「……死にかけていた私はある家の庭で休んでいた。その家の子供に命を救われた。」
今、語られる。十年前のあの日。 ユウが死なかった理由とは、そして絢がなぜ関係するのか? 真実とは 次回明らかに!
はい!ユウが壊れました!ワタシ的にはいい出来だと思っています。
そして、次回真実が語られます。




