第二夜「満月の約束(前編)」
大正時代、日本に似た国。ここは現代で言う都内にある、高級料亭。その料亭で運命の恋(?)が生まれることなど誰も知るはずがない。……というよりもまだ始まっていないしそれどころか、衝撃的な出会いなのだから……。
「(え?なんで……ここに?この人達が?)」
「む!……君は……」
「(!、あれ?あの子どこか……。)わっ!」
“重ーーい!”
“大体なんなんだ!貴様ら!”
「!、ああこれは失礼。」
突然のことに状況がつかめない。呆然と立ち尽くしてしまったが、金髪の人、茶色の近いような人は絢の顔をじっと見つめるが、潰されていた「コウセイ親子」が悲鳴を上げ生き返り、押し戻された。
怒りに任せ、コウセイ親は、自分たちを潰した相手に文句を言うが……金髪の男は上品に貴族のように謝るが、何故かコウセイ親は口を開けたまま、呆然と硬直した。
“父様?”
“コウセイさん?”
「ああ、コウセイ貿易商の方でしたか。大変おさがわせしてしまい申し訳ありませんでした。」
“父様?こいつらをしっーーーー”
“馬鹿者!この方をどなたと心得ておる!この方こそ我ら貿易商をまとめている社長 ユウ・ランシュ様だぞ!”
“こ……この方が……”
“う……嘘……”
硬直したコウセイ親を心配し、コウセイ息子、絢の父親が声をかけるが、ユウはコウセイ親に謝るように礼をする。
コウセイ息子は何も知らずユウに指さし、バシッ!コウセイ親は息子の手を叩いた。そして、「水●黄●様」のごとく紹介した。それを聞き呆然としながらも頭を下げた。
「(ユウ・ランシュ……あれ?この名前、どこかで聞いたような)……!、きゃ!」
だが、ただ一人絢だけは名前を聞いて何かを思い出す。が、何か視線を感じ目を向けると、覗くように見つめるユウの息子 迅がいた。
「ああ済まない。だけど、君はいい匂いがするね。」
「……え?」
「それに何処かで会っことが……?……!、父上!」
「む?」
「「?」」
「俺は、この娘と結婚する!」
…………………間。
「ええええええ!」
「「な………何ーーーー!」」
「おー!」 パチパチ
“な!ふざけるな!貴様!その子は僕と婚約者だぞ!”
“ばーー辞めぬか。”
突然の出来事で混乱しましたので整理しましょう。
1、迅が絢を口説き+誘惑→2、一目惚れにより「花嫁宣言」→3,間。→4,落とそうするが「絢争奪戦勃発」→5,現在に至る。以上。
さてさて、「花嫁宣言」から「争奪戦」にまで起こした、迅。それに対抗するコウセイ息子。だが、
「ふーん、そんな風には見えなかったけど?それに婚約ならとっくに俺がしてるけど?」
“「え?」”
またしても爆弾的発言をする,迅。証拠を見せるため、絢の着物を肩が見えるようにずり下ろす。
「きゃ!」
「ほら、これが俺のつけた噛み跡♡ というわけで俺の妻♡」
「そんなの 許されるわけ無いだろ!!」
・・・
迅が話をしている隙に、迅の友人である皐月がツッコムように、迅の脇腹へガッ!肘打ちを一発。
迅は悲鳴を上げる事無く、一発アウト……それに引き換え……
「お嬢様、こんなアホな息子よりどうです、私とひと時をー」
「え……あ、あの。」
「バカのこと言わないで!兄さん!」
今度はユウが口説き始めるがバシッと叔父と呼ばれていた男性がハリセンで叩く。
「ーっ、貴様!」
「大変のもいし訳ありませんでした。このバカ二人が言ったことは気にしないでください。」
“は、はぁ……”
「洸様、ふすま直し終わりました。」
「ああ、ご苦労。それでは私達はこれで失礼します。」
「ちょっ、待て!私とあの娘の恋路を邪魔ー」
「ハイハイ、さっさと行くよ。兄さん」
うるさい二人を黙らせた。“洸”と呼ばれた人が謝り、外されてしまったふすまを直し、洸と皐月は二人を連れ、料亭の外へ。
嵐が過ぎ去り、取り残された者は呆然としていた。
それから、数ヶ月後。絢は自宅で生花をしていた。そこへ……ギィ。
「絋?」
「よっ!久しぶり。」
裏口に当たる木戸から入ってきたのは幼馴染み“草津 絋”
家が隣同士で、昔からよく遊んでいた遊び仲間である。
「どうしたの?」
「いや、お前んとこのおやっさんに頼まれてな。絢を見張っとけって。」
「もう、父様たっら。」
「……そ~いえばさ、お前、見合いの件はどうなった?」
「ん?んーとっね、“無かったこと”にって言われたよ。」
「え?」
実はあの後、コウセイ親から断ってきた。理由は「ランシュ様・木戸様に勝てる事は出来ない。ましてやあの方々と婚約していた者だとは知らなかった。」というわけだ。
「ふーん、じょあ俺が告白しても大丈夫ー」
「?、何?」
「え!な、何も!」
「?、変なの。」
絢の見合いがなくなって安心する絋。小声で何かを言ったが、絢は聞き返そうとする。聞かれてしまったと思い、照れ隠しをする絋。そんな絋の行動にスクッと笑う絢。
二人の間にハサミの切る音・風鈴の音が流れていく。
コンコン。
「「?」」
「こんにちは。」
「?、誰だ?」
突然、木戸から見える三人組の男が声をかけてくる、それに警戒する絋。
絢は、一人の男性を見て思い出す。
「皐月さん。」
「よっ!久しぶり。」
「臨也さん。あまり馴れ馴れしくしない方がいいのでは?」
「おい!お前ら」(怒り)
「アハハハ。」
「す、すみません。」
「?」
「あ、あの。」
絢が出会った男「皐月」だが、皐月と共にいる二人の男 すると、
「突然の訪問申し訳ありません。絢様、あなたを我らのお屋敷にご招待致します。」
「へ?」
「ご……ご招待って……」
突然の訪問者に屋敷へのご招待……さてはてどうなる?




