第8話「この世界みんな、バ······」
さっきは、瞬間移動で村まで一瞬で来たわけだが。 実際は、ラティーンから村までは歩いて10分ぐらい離れている。
道なりに進みとそこには大きな砦で取り囲まれており東西南北に門があり、一つの門に門番が二人づつ立っている。
一目見て感動した。 これがアニメとかでよく見る、王都ってやつだ。
中に入ろうと門を通過すると、門番が話しかけてくる。
「姫様ご無事で、ところでその者達は····」
「下僕」
姫は大変お怒りなのか、不機嫌そうに答えると、何も聞かず門番が通してくれる。
おそらくあの門番はおそらくベテランだろう。 姫をよくわかってらっしゃる。
中に入ると多くの人で賑わっており、店が数10軒立ち並びすごく活気のいい王都だ。
「パパ、家がいっぱい! 壊したい。」
ヨダレを垂らしながら要求しているセリカにハデスが
「セリカいつも言ってるだろ。 人間のいるところで暴れてはいけないぞと。 パパは、仕事で村壊滅とか行っているが、今まで1人たりとも人間を殺したことは無い 」
マジかよ···
こいつこんな怖い顔して殺したことないのかよ。
絶対凶悪犯の面だよこいつ。
そんな話も気にせず、淡々と王城に向かい歩いていくセラ。
「おい待てよー」
俺達は急いでセラのあとを追いかける。
こんな見知らぬ土地で、迷子になる訳には行かない。
王城の入口付近につくと、先ほど仕事をほったらかして逃げ出した兵士共が楽しそうに話している。
「あ、姫様だ! 」
「姫様が帰ってきたぞ! 」
「姫ご無事で何より·······ゴファァァ」
笑顔で迎えてくれた兵士たちにセラは怒りの鉄拳で答えた。
ま、そらそうなるわな───後で俺も殴ろ
「あぁぁんたち、なに姫であるこの私を置き去りにして撤退してるのよ。 全員拒否権なしで死刑にしてあげるから覚悟しなさい」
「だって、前の討伐の時も姫様、俺たちのこと邪魔だから1人でいいって····」
「そうですぞ」
慌てながら、数人の兵士たちが言い訳をしている。
「あれはスライム狩りの時の話でしょ! 今回と全くレベルが違うじゃないのよぉぉ」
うん、ここにいる兵士、多分いや絶対バカだ。
ま、あいつが作った世界だこんなもんだろ。
「あれ、ところで姫様この人たちは誰だ?」
「話を変えるなぁぁ」
「おい、あいつらすごく怪しい格好してないか」
「してるしてる、奥のやつなんか体に鎖巻かれてるじゃないか、あれ封印魔法かけられてるのか」
セラのツッコミも無視され兵士たちが俺たちの方を見てこそこそと見て話をしている。
ま、ず、い
忘れていたが、客観的に見たら姫は別として俺たち三人は怪しすぎる。
1人は学ラン姿、1人は明らかに帽子が上に膨らんでいる少女。 ここまでは最悪何とかなるが───
こいつに関してはどう言い訳すれば正解なんだ、なに180センチぐらいある巨大やろうが、二次元のかわいい女キャラのお面をつけ、さらには鎖で縛られてる──どう切り行ければいいんだ?
とわ言え、こいつらがアンデッドであることは絶対にばれてはいけない。
·······セリアのためにも、俺の今後の冒険のためにも。
できなければどのみち俺たち邪神軍を仮にもかくまっているのわけだから、ただではすまないだろう。
けど、マジでどう乗り切ればいいんだよ!
「おい、こいつのきている黒いローブ」
「おぉぉ、本当だ見覚··えがあるぞ、さっき村を荒らしてたアンデッドのじゃないか」
まずい、まずいさすがのバカでもさすが気づくか どうする。
戸惑っている俺にハデスが耳打ちしてくる
「セリカを助けてもらった恩どんなことがあろうとも借りは返す私だか、ばれてしまっては致し方ないここで全員始末する」
「始末するって言ったて、お前、鎖で縛られてるじゃないか」
「あ···」
こいつも(バカ)か。
誰か、ましな奴いねぇのか。
「あんた、まさか」
1人の兵士がハデスにじりじりと近づいていく。
もうだめだ、ばれたと四人が確信した時。
「あなたがあのアンデッドを倒してくれたんですね!」
「「は?」」